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2018年4月19日 (木)

平林寺半僧坊大祭へ---大般若経の転読に思う

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 (写真上、大般若経波羅蜜多経を転読する僧侶)
 平林寺は、我が志木市の隣町である新座市の野火止にある、創建後600年を超える古刹です。
境内の林が国の天然記念物に指定されていて、秋の紅葉の素晴らしさに、多くの観光客が参拝しますが、今の時期は、青楓の新緑が美しい事でも知られています。実際、境内を歩くと、鮮やかな緑の青葉が目に染み入るようでした。Dsc03789_1024_2

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この臨済宗の古寺で、年に一度の半僧坊大祭が行われましたので、行ってきました。
志木駅より、ひばりヶ丘団地行きのバスに乗ると、約20分程で平林寺の停留所に着きます。
 ところで、半僧坊とは、どのような方だったのでしょうか。
静岡県の引佐町にある奥山方広寺(おくやまほうこうじ)の開山である聖鑑禅師(しょうがんぜんじ)に師事していた、半僧半俗(はんそうはんぞく)の容姿をした異人がおりました。半僧さまと呼ばれ、よく師に仕え修行を積みましたが、その霊験あらたかなことにより信仰が深まり、山や森を守る鎮守として、かつ衆生(しゅじょう)にご利益を施す半僧坊大権現として敬われたのです。
聖鑑禅師に弟子入りを願い出たこの異人は、師が中国より戻る際、東シナ海において、台風に遭遇された船を無事、博多の港まで導いた後消えた、鼻の高い異人と、同一人物とも伝わっています。
 明治時代に方広寺から鎌倉建長寺(明治23年)そして平林寺(明治27年)などに勧進され、他の勧進された寺院のなかでも、方広寺を含むこの三寺は三大半僧坊とされているのです。
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 平林寺の「平林寺半僧坊大祭」は、毎年4月17日、半僧坊のある感応殿(かんおうでん)で大般若経の転読(てんどく)法要が行われ、雅楽の音とともに近隣法類(ほうるい)のお練りや稚児行列などが盛大に行われるのです。寺の前の道路は、歩行者専用となり、多くの露店が並び、植木市も開かれ賑やかな雰囲気に包まれます。
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午後2時、お練りで境内の半僧坊感応殿に入った30人の程の僧侶達の声を合わせた読経のなか、箱に入った600巻の大般若経の「転読」が始まりました。
転読とはどのようなものなのか、実は僕は今まで見たことが無く、今回、こういう事だったのかと初めて知ることとなったのです。


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Dsc03827_1024_3僧侶が手に持った般若経の折本を、左右や前後に振るようにして、空中で傾けながらぱらぱらと素早く開き、閉じます。
この間、大きな声で経を読むのですが、もちろん長い経文をすべて読み上げるのではなく、大般若経の正式名称の「大般若経波羅蜜多経 第〇〇巻 唐の玄奘三蔵 奉詔(ぶじょう)訳」と読んで初め・中間・終わりの数行(7行・5行・3行)を読みあげます。大般若経を開き閉じて転読することにより風が起きます。これを梵風(ぼんぷう)といって、この風をあびることにより、参列の方たちの所願成就につながるそうです。
経文を略して読むのが、転読なら、すべてを読み上げるのを真読(しんどく)といいます。
法要で真読を成し遂げるには、多くの僧も必要で、時間もかかりとても難しいので、略して読む方法である転読がとられているのです。
 こう書くと、いかにも平林寺の転読で、理解したように思えるでしょうが、これは後から調べたことで、実際には、僧侶がなんと読経しているのか、何を言っているのか全く分からず、なにか早口言葉のように聞こえた経文でしたし、梵風(ぼんぷう)をあびるには、あまりに僧侶と遠すぎました。
ところで、大般若経についていろいろ調べたので、自分の記憶のために少し書いておきたいと思います。
 大般若経は、御存じ「西遊記」に出てくることで有名な三蔵法師玄奘(602~664)が、最晩年になってから4年余りの年月をかけて配下の訳経僧たちとともに翻訳した、あらゆる仏典の中で最大規模を誇る経典です。字数は約500万字、全部で600巻となります。
勿論、教えの根源はお釈迦様にあります。
この経典は、釈迦滅後、5世紀程後に興った大乗仏教の基礎的教義が書かれている、長短様々な般若教典を集大成した膨大な経典として現在に伝わっています。この経典は西暦150年頃に現在の形の原形が成 立し、サンスクリット文字にて文書化され、以後長短様々な般若経典へと発展していきました。これを三蔵法師玄奘が苦難の旅の後、中国へ持ち帰り翻訳しまとめ上げたというわけです。
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私たちに、よく知られているお経に「般若心経」があります。
  観自在菩薩(かんじざいぼさつ)  行深般若波羅蜜多時(ぎょうじんはんにゃはらみったじ)  照見五蘊皆空 (しょうけんごうんかいくう)  度一切苦厄(どいっさいくやく)  舍利子 (しゃりし)  色不異空(しきふいくう)------ これですね。
このお経は上に書いた「大般若経波羅蜜多経六百巻」を二百六十二文字に要約したのもので、これが平素読まれている般若心教なのです。僕は柳沢桂子さんの著書で、この般若心経を美しい現代語に訳した「生きて死ぬ智慧」という本を持っています。(写真左)
堀文子さんの幻想的な挿絵も素晴らしく、心に響く名著だと思っています。
この本の朗読が、ユーチューブにありましたので、載せておきます。

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