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2017年9月 2日 (土)

柳瀬川濁流と化す

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8月30日(木)
近くの公民館での集会に参加していた午後2時頃、激しい雷鳴と共に雨が降り始めました。強くなる一方の豪雨に、見る見るうちに公民館前の道路が冠水してゆきます。
その頃、近くの柳瀬川では釣り人二人が、増える水嵩に進退極まっていたと思われます。
4時頃には、雨も止み、公民館前の冠水も引き始めたので、道路の冠水箇所を避けながら回り道をして帰路につきました。
家に入る前に柳瀬川の状況を覗こうと、50mほど離れた土手に上がると、そこには信じられないくらいの濁流と、普段の流れの10倍ほどに広がった川の姿がありました。(写真上。写真で見る以上に実際の川は奔流でした)Dsc02666_1024
(写真横、翌日8月31日朝の同じ場所。昨日の濁流が嘘のようです)
台風時などには、水嵩が増えることもありますが、僅か2時間ほどで、これだけ水量が増えた柳瀬川を初めてみました。
所沢で午後3時までの1時間に73mmの雨を観測したと報じられましたので、一気に増水する川の恐ろしさを目の当たりにした感じです。瞬間的には100mmを越える豪雨だったのでしょう。
ヘリコプターが数機、上空を飛びまわるので、何事かとテレビをつけると、柳瀬川の濁流の中、必死に樹木に捉まる人の救助活動が放映中でした。殊に一人は、濁流に呑まれたと報じられていました。(後に遺体が9km下流で発見されたとの事ですから、如何に濁流の勢いが強かったかがわかります)
ヘリコプターからの消防隊員による救助が成功し、吊り上げられる人の姿がテレビ画面に大きく写され、良かった助けられたとほっとしたのでした。

テレビ画面から、我家から1.5km程上流の「ふれあい橋」付近での事故だとすぐにわかりましたが、日頃のウォーキングコースでもあり、なにか他人ごとではありませんでした。
救助された釣り人が、お前の姿に似ていたので心配したとのメールも幾つか頂きました。いつも柳瀬川付近をうろついているので、どうも御心配おかけして申し訳ありません。
さて、普段10mにも満たない川幅の柳瀬川で、釣り人がなぜ避難できなかったのか。
救助された方が、状況を語る日が来るかもしれませんが、川を良く知る僕なりに考えてみました。自戒を込めて。
テレビにも写されていた「ふれあい橋」下流で、釣りをしていた二人は、突然降ってきた雷雨に、落雷の危険も感じつつ、雨宿りのつもりで橋下に逃げ込んだのではと思います。
テレビ、ラジオでは中州に取り残されたと釣り人と報じられていましたが、ここには中州などはありません。(写真下の川幅をご覧ください)
かように、水流のある部分の川幅は狭いのです。
初めの5分程は小降りだった雨が、突然豪雨に変わり、見る見る川は増水してゆきます。
増水する一方の水流が、二段になっている護岸の、下の段を越える勢いになっても、すさまじい雷鳴と豪雨に、もうしばらく様子を見ようと考えても不思議ではありません。
何しろ、橋下から本堤防まで20m、10秒ほども走れば護岸のコンクリート斜面に登れるからです。
橋の対岸には、細い枝川が流れ込んでいます。そこからの水流も、水嵩を増す原因になったのではと思います。
そして、この判断が二人を危険な状況にさらすことになりました。一気に足元を襲う急流に、退路を振り返って見れば、護岸付近は、いつの間にか、より激しい濁流と化していました。
二人がなぜ、樹木に捉まろうとしたか、このあたりは良くわかりませんが、護岸にたどり着くよりは、流れの中を木まで行ったほうが楽だったのかとも思います。
体が流されないように、樹木上流側に見える灌木を掴んで、樹木までたどり着いたのかもしれません。
二人がなすすべもなく、木まで流されてしまったとは思えないのです。
この間、二人のうちの一人がどこで、濁流に呑まれたか、掴まっていた木から手が離れたのか、その辺はわかりません。それ以後は、テレビで中継された救出劇の通りです。
渓流釣りや、登山でも、川は数分で驚くほど増水するのを知っています。釣具を片付ける間もなく、流されたり、一時間前には、石伝いに渡れた小川が激流になっていることもあります。百名山、二百名山でも、退路を断たれる恐れがある山は幾つもあります。
僕も柳瀬川のこれほどの急激な増水は経験がありませんので、状況を想像するしかない二人の釣り人を責めることはできません。
しかし、最近屋久島の宮之浦岳や北海道の幌尻岳などで、登山中に増水した沢での遭難が続き、徒渉の判断の難しさが問われています。
ちなみに6月の屋久島の宮之浦岳から、縦走中の鹿児島県のメンバー7人は、道を誤り沢筋を下って遭難しました。
沢を横切って対岸に移ろうと、徒渉中に激流に流されて死亡した二人は、翌日捜索隊により発見されたました。
なんと一人(流された一人を救助しようとしたリーダー)は水流の無くなった沢の中間で、体に巻きつけたスリングとカラビナでロープに繋がったまま発見されたのです。急激な増水の恐ろしさを教えてくれます。
ともかく、増水したら、川からは即逃げ道を探す。沢では、死なない判断を如何に下すか。これを改めて考えさせられる、柳瀬川の水難事故でした。
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(写真1枚目、嘘のように水が引いた事故翌日の「ふれあい橋」)

(写真2枚目、ふれあい橋から見た、釣り人の一人が掴まっていた木)

(写真3枚目、橋上の対岸位置から見た木)

(写真4枚目、行方不明の一人を捜索する消防隊員たち。遺体はここから9kmも流された場所で発見された)

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コメント

あのニュースを見てまさかと一瞬ビックリしましたが、その後更新されたブログを見て安堵しました。
とにかくこのところ日本各所で発生する豪雨災害、身近に何が起こるか分からないということを普段から注意しておくべきですね。
右肩の様子、その後いかがですか?・・・
 

投稿: トックリヤシ | 2017年9月 3日 (日) 08時23分

心配しておりましたが、ご無事で良かったです。何だか変な天気ですよね。

投稿: もりさち | 2017年9月 5日 (火) 07時21分

>トックリヤシさま
ご心配頂きありがとうございます。
よく、川で遊んでいますので、僕であっても不思議では
ありませんでした。普段、子供たちが流れに入って遊んでいるような川の、急激な増水には驚きました。今度の事を教訓に注意したいと思います。
肩は、傷みが消え普通に動かせるようになっています。

投稿: Souroku | 2017年9月 5日 (火) 07時40分

>もりさちさま
ありがとうございます。生きていますよ。
建築設計に携わった者として、最近の異常な雨量は、屋根、バルコニーなどのの防水の立ち上がり、、屋根材を重複させる被り長さ、軒樋の大きさなど、今までの常識、基準が通用しなくなっていることを感じます。
困ったものです。

投稿: Souroku | 2017年9月 5日 (火) 07時46分

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