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2017年8月 9日 (水)

オーストラリアで沖縄駐留のオスプレイMV-22墜落

オーストラリアで、訓練中の米国海兵隊のオスプレイMV-22が、墜落したと報道されましたので、少し詳しく調べてみました。

Photo

(写真上、強襲揚陸艦 ボノム ・ リシャールに着艦するMV-22、尾翼の竜マークは普天間基地所属の第265ティルトローター部隊を表す。14番機と思われる。
艦は違いますが、墜落した機体も、この写真より少し上空から、舷側寄りの甲板に衝突し、手摺と舷側甲板を破壊して海面に落下した模様です。墜落したのが何番機か不明です。)

 墜落事故はオーストラリアの東部クイーンズランド州ロックハンプトンに近いショールウオーターベイ沖で起こりました。
墜落したMV-22は、海兵隊沖縄普天間飛行場所属の第31海兵遠征部隊(31MEU)の第265海兵ティルトローター部隊所属です。
沖縄のMV-22が、オーストラリアまでと、驚く方がおられると思いますが、沖縄の海兵隊は半年ごとに兵員の約半数が入れ替わり、訓練も年4カ月以上はオーストラリア、フィリッピン、タイ、シンガポール、マレーシア、韓国、グァムなど、海外で行われています。
常に普天間基地に駐留しているわけではないのです。
今回の墜落も7月下旬まで行われていた米豪の合同軍事練習「2017タリスマン・セーバー」に参加し、その後の追加訓練中に起こりました。尚、オーストラリアは、米軍の恒久基地を置くことは許していないので、海兵隊基地もありません。
 8月5日、訓練に参加していたワスプ級強襲揚陸艦 ボノム ・ リシャール(USS Bonhomme Richard, LHD-6)(写真上)から発進したMV-22のうちの1機が、サン・アントニオ級ドッグ型輸送揚陸艦グリーン・ベイ (USS Green Bay, LPD-20)(写真下)に着艦しようとした際、バランスを崩して、飛行甲板舷側寄りの部分に激突、そのまま海面に落下したのです。グリーン・ベイも、飛行甲板横が大きく損傷しました。
600pxuss_bonhomme_richard_lhd6MV-22には、乗員5名、搭乗の海兵隊員21名の計26名が搭乗していました。
(MV-22の定員は乗員5名、搭乗者23名の28名)
直ぐにヘリコプターによる捜索と海上での救助活動が行われ、23名が救助されましたが、機体は水中に没し、3名が行方不明になりました。救助された23名のうち、1名は足の骨折で重傷です。
その後、機体はオーストラリア海軍の調査船により、海底で発見されましたが、その状況から3名は死亡した模様と発表され、捜索も中止されました。3名は機体に閉じ込められた可能性もあるとみられています。
機体は水中探査機を投入して状況を調べ、今後米豪が協力して改修作業を本格化させると、東京新聞が報じています。しかし機体の引き上げには、日数がかかる模様です。
死亡した海兵隊員の氏名も公表され、家族の談話なども、ネット上で発表されています。また、事故率の一番高い航空機として知られる、垂直離着陸機ハリアーに迫る事故率になりつつあるのではないかと、オスプレイの安全性に疑問を抱く家族もいるようです。
The_green_bay_lpd_20_near_new_orlea_97257924_trio3名の氏名
1st Lt. Benjamin R. Cross 中尉 ベンジャミン・ロバート・クロス 26歳
Pfc. Ruben P. Velasco 一等兵 ルベン・P・ベラスコ 19歳
Cpl. Nathaniel F. Ordway 伍長 ナサニエル・F・オードウェイ 21歳

クロス中尉とオードウェイ伍長は、第265海兵ティルトローター部隊のオスプレイ搭乗員で、ベラスコ一等兵は第三大隊第五海兵隊の兵士です。皆、若い海兵隊員たちです。オスプレイの開発段階からの事故死者は、50名近くにのぼり、今回の墜落事故による死者は米軍にも大きな衝撃を与えています。

沖縄に駐留する海兵隊のMV22の最近の事故では、2016年12月の沖縄県名護市沖で、普天間基地の24機のオスプレィの中の1機が空中給油中に墜落大破、2名が負傷した事故が記憶に新しいところです。
今回のオーストラリアの墜落で、普天間基地の24機のオスプレイのうち、2機が墜落したことになります。どちらも航空機事故の規模を示す四段階評価で最も重大な「クラスA」に当たると米海軍安全センターが発表しています。
「クラスA」は二百万ドル(約二億二千万円)相当以上の被害や機体の損傷、死者が出た場合に適用されます。
普天間基地のMV-22は、この2機を失っただけでなく、名護市沖での事故と同じ時期、別の1機も基地内で着陸時の故障により胴体着陸しました。
また17年6月6日に伊江島補助飛行場に、同10日は奄美空港に緊急着陸するなど不具合が相次いでいたのです。

訓練中の事故も多いのですが、緊張感に包まれる実戦では、その操縦性が不安視される事故が実際に起きています。
今年1月にイエメン中部でISとの戦闘に参加していたMV-22、1機が海兵隊員の収容時に着陸に失敗し、乗員3名が負傷しました。オスプレイの操縦の難しさが伝えられますが、舞い上がる砂塵の中、操縦士が動揺してしまったと報じられています。
機体が敵側の手に渡ることが無いよう、空爆で完全に破壊された写真を見た方も多いと思います。
オスプレイMV-22の事故率増加、日本の自衛隊の購入の是非については、2017年4月23日に当ブログで詳しく書いていますが、執拗に反論してくる方たちも多いのです。
http://yanasegawa.cocolog-nifty.com/blog/2017/04/post-245b.html
しかし、事故率の高さなど云々より、普天間基地所属の24機のうち、一年にも満たない中で、2機が墜落してしまった現実は重く受け止めるべきです。
日本政府は、オーストラリア、ショールウオーターベイ沖での墜落事故を受けて、国内の飛行自粛を6日に要請しました。しかし、7日午前10時40分頃には普天間飛行場からMV-22の発進が確認され、要請など全く無視された状態です。政府関係者は、要請を事実上拒否されたとの考えをしめしたと、東京新聞が伝えています。
沖縄だけでなく、千葉県木更津市と県も陸上自衛隊木更津駐屯地で実施されている定期整備に伴う試験飛行の自粛を、米軍に働きかけるよう防衛省北関東防衛局に要請しました。そのほか、北海道や佐賀県、青森県でも安全性への懸念や飛行中止を求める動きが広がったとも東京新聞は報じています。
オスプレイの国内飛行は、我家から近い横田基地にも空軍仕様機CV-22の配備が決まっており、看過できない問題です。このことは、近日中に、再度オスプレイの問題として書く予定です。

「8月10日追記」
日本政府の自粛要請にも関わらず、オスプレイの飛行を続ける在日米軍側は、飛行継続の理由を次のように語ったと、報道されています。
〇シュローティ在日米軍副司令官
「安全性を確認した上で、運用上必要だと判断した」
〇米国防省のデービス報道部長
「米軍は全ての運用において安全を最優先している」
「オスプレイは日本の防衛や日米の安全保障、地域の安定のために必要だ」
米軍側に、何故こうまで強気の発言を許すのか、日本政府の自粛要請なるものを改めて検証してみると、その理由はすぐ理解できました。
要請と言っても、
「出来ましたら自粛してくださいとの、極めて低姿勢のお願いだったことがわかったのです。次の菅官房長官の発言で、良くわかります。
これでは、米側は、何の配慮も必要ない。今までどうりだと思うことでしょう。

〇菅官房長官

「防衛省から米側に対し、運用上必要なものを除いて、国内におけるオスプレイの飛行自粛を申し入れている」

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コメント

たび重なる事故に対しても、何も言えない日本政府
核の傘の下、妙な日米同盟がある限りやりたい放題を黙認するしか手が無いのでしょう。
気の狂った北が日本国土に脅しをかけて挑発してくるかもしれない・・・、そんなことが無いよう祈るしかないのでしょうか。。。

投稿: トックリヤシ | 2017年8月10日 (木) 08時28分

>トックリヤシさま
沖縄の翁長知事が「日本政府が当事者能力を持って、(米側に)何も言えないというのが、今のような状況につながっている」と述べていますが、同感です。

投稿: Souroku | 2017年8月10日 (木) 11時42分

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