« 旧石川組製糸西洋館(入間市)へ | トップページ | 第一空母打撃群に核攻撃の可能性 »

2017年4月23日 (日)

オスプレィMV22事故率増加

1200pxu_s__marines_support_operatio
(写真上、オスプレィMV22B ウイキペディアより)

2017年4月17日の東京新聞に次の記事が掲載されました。
「オスプレィMV22重大事故率増加」
「飛行時間増→本来なら事故率下がるはず」

米海兵隊が各地で運用する新型輸送機MV22オスプレイについて、
10万時間当たりの重大(クラスA)事故率が、従来発表されていたものより
増加したことが東京新聞の取材で明らかになったとの記事です。
クラスA事故とは、死者や200万ドル(約2億2千万円)以上の深刻な損害を出した事故の事を指します。
これにもからくりがあり、米海兵隊は2009年、損害額100万ドル(1億1千万円)以上としていたAクラスの重大事故を200万ドルに引き上げたのです。当然事故率は下がりました。

今回の発表で事故率が大幅に増加したMV22は、海兵隊仕様機で、空軍は別仕様機種であるCV22を使用しています。米軍横田基地に配備計画のあるCV22の事故率は、MV22を上回って4.86件とされていますが、最近の詳細は明らかにされていません。

MV22の最近の事故では、2016年12月の沖縄県名護市沖で、普天間基地の24機のオスプレィの中の1機が空中給油中に墜落大破、2名が負傷した事故が記憶に新しいところです。(同じ時期、別の1機も普天間基地で、着陸時の故障により胴体着陸しました)
これだけではなく、翌月の今年1月にはイエメン中部でISとの戦闘に参加していた1機が海兵隊員の収容時に着陸に失敗し、乗員3名が負傷しました。
機体が敵側の手に渡ることが無いよう、空爆で完全に破壊された写真を見た方も多いと思います。しかしこの2件の事故は、2016年9月までの今回発表の統計には、時期的なずれにより、含まれていません。

当ブログで、オスプレイ配備の懸念などを書くと、「心配は無い!オスプレイの事故率は低くて安全だ、日本の防衛に必要だ」といったコメントが執拗に付けられることが多いのです。事故が、海兵隊全航空機の平均事故率より低いことなどが根拠に挙げられています。

しかし、「一般的に航空機の事故率は飛行時間の増加と共に低減する」(2015年5月15日衆院外務委員会での左藤章防衛副大臣の国会答弁)とはうらはらに、事故は増え続けていたことは明らかでした。自国が高額な税金を使って購入しようとしている航空機の構造上の問題や危険性の指摘を、情報やデーターを無視して過小評価する事のおかしさは、自分が自家用車を購入することに当てはめれば明らかです。

「事故率とは、航空機の実際の飛行実績に基づき、10万飛行時間当たりで事故が起きた割合を算出した数値をいいます」
東京新聞によると、海兵隊本部(米ワシントン)の広報担当が明らかにした事故率は3.44件。(2011年10月~16年9月」)これは、従来発表されていた、事故率1.93件(2003年10月~12年4月)より1.8倍の増加です。
これは、米軍のオスプレィの沖縄配備、横田配備、木更津の整備拠点作りなどに、政府や防衛省が安全性の根拠にしていた海兵隊全航空機の平均事故率2.45件を上回る数値で、今までの説明との整合性がつきません。

米軍はオスプレィを沖縄普天間基地に24機配備し、今年後半には東京都の横田基地に空軍仕様のCV22を3機程度配備します。将来的には2021年までに10機体制にする計画です。
米国以外の国として、初めてオスプレィを購入することになる日本の陸上自衛隊は、2018年度から、先ず5機を佐賀県の佐賀空港に配備し、殊に購入を約束した12機を追加し、総数17機を配備する計画です。さらに20機ほどの追加打診も受けていると、メーカの米ボーイング社の関係者が報道関係に語ったと伝えられています。今や忘れられていますが、当初は自衛隊ではオスプレイの導入は望んでおらず、政治主導での導入計画だったことは、記憶に留めておかねばなりません。
現在、米軍と陸上自衛隊保有予定ののオスプレイの定期整備拠点が、千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地に出来ていて、分解点検整備を始めています。横田基地のCV22、10機もこれに加わる可能性もあると見ます。---続く

「追記」
佐賀空港に配備されるオスプレイ5機の、米国からの購入価格は540億円で、1機当たりの価格は、108億円となります。この価格にはエンジンや敵味方識別装置などのシステムを搭載した機体本体のほか、故障時に修理するための予備部品、技術サポート費、米国への開発分担金なども含まれます。
米軍への1機当たりの納入価格を調べ、比べてみると日本の購入価格はかなり高額で、セット料金の詳細が明らかにされていませんが、残念ながら次期戦闘機と同じで、言い値で買わされたと思わざるをえません。
特に垂直離着陸輸送機は、競合機種が他に無いのですから、さもありなんです。
米国以外では、日本が世界初のオスプレイ購入国と書きましたが、日本に先がけてイスラエルが6機の購入を米側に打診していました。
ところが契約直前に、イスラエル側の事情、すなわち軍事予算の振り分け、高速輸送機の必要性などの議論により、導入は中止になったのです。
イスラエル以外でも、カナダ、インドなどが救援機などの用途に少数機の導入を計画していると伝えらてれますが、まだ具体的進展は見られません。
日本の17機、そして将来的には40機導入という話は、オスプレイを売りたい米国からの圧力と考えられますが、輸送機配備計画としては、かなり異常なことと言わざるを得ません。このあたり、戦略なき導入と言われてもしかたないことです。
ともかく、近い将来、米軍、自衛隊合わせて、50機以上のオスプレイが、日本上空を飛び回ることになるわけです。市街地訓練や、全国7つの訓練ルート(グリーン、ピンク、ブルー、ブラウン、オレンジ、イエローの各ルートが本州、パープルが沖縄)で、低空飛行や夜間訓練などが頻繁に行われることの危険性を、国民が自らの問題として認識しなければならないでしょう。
そして、米国のニューメキシコ州で計画されていたオスプレイの低空飛行訓練は、住民が安全性に不安を示し反対したことから棚上げされたこと、ハワイでは下降気流が地面を削り、自然環境に影響があるとの理由で訓練が中止されたことなども、再度検証してみる必要があります。

1280pxv22_m240_machine_gun_2


米海兵隊はオスプレイを「侵攻輸送機」呼ぶこともあるように、通常の輸送機の範疇に入らない攻撃機能を併せ持つ航空機です。
(写真左、機体後部の機関砲銃座 ウイキペディアより)

|

« 旧石川組製糸西洋館(入間市)へ | トップページ | 第一空母打撃群に核攻撃の可能性 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 旧石川組製糸西洋館(入間市)へ | トップページ | 第一空母打撃群に核攻撃の可能性 »