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2016年11月 6日 (日)

西吾妻山へ---紅葉と初冠雪の山々

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11月2日(水)
福島県の西吾妻山(2035m)に登ってきました。
天候に恵まれ、友人二人との初冠雪の景色も見られた素晴らしい山行ができました。
(写真上--西大巓(にしだいてん)から、西吾妻山を目指す友人二人。前方の針葉樹林帯が白く冠雪している)(写真は全てクリックすると拡大します)
この山は日本百名山の一峰ですが、東北地方の名だたる他の百名山に比べると、あまり知られた山ではありません。
深田久弥氏の著書「日本百名山」の20番
吾妻山」には、次のように書かれています。

「一口に吾妻山と呼んでも、これほど茫漠としてつかみどころのない山もあるまい。
福島と山形の両県にまたがる大きな山群で、人はよく吾妻山に行ってきたというが、それは大ていこの山群のほんの一部に過ぎない。この山群には一頭地を抜いた代表的な峰がない。それでいて、東北では貴重な 千九百米以上の高さを持つ峰が、十座近くも群がっている。
しかもそれらの峰がいずれもずんぐりとした形で、顕著な目じるしがないので、遠くからこの山群を望んで、どれがどの峰かにわかに識別しがたいほどである。(途中略)
総称の吾妻山は非常に広範囲で、その最高峰は
西吾妻山である。山群中唯一の二千米峰であるが、近隣の峰々がそれに近い高度を持っているので、飛び抜けて主峰という感じはしない。」

この記述から、深田氏は最高峰は西吾妻山としても、百名山に選んだのは
「吾妻連峰群」を指しているのです。本の挿入写真には、大きな噴火口のある吾妻小富士が選ばれています。
吾妻小富士(1,707m)は、磐梯吾妻スカイラインの浄土平駐車場から、観光客も楽に登れる道がついているので、バス旅行で登った人も多いでしょう。

西吾妻山への登山路は、幾つかあります。
もっとも楽に登れるのは、山形県側
の天元台スキー場のリフトを乗り継いで行くルートですが、今回は福島県側のグランデコスキー場のゴンドラリフトを利用して、最高峰2035mを目指しました
ところで、深田氏の「日本百名山」では、「吾妻山」は標高は2,024mとされています。現在、国土地理院の地図では最高峰は2,035mなので、この違いはなんだろうと調べてみたのですが、残念ながら資料が見つからず、わかりませんでした。

朝8時30分から運行を開始したグランデコリゾートのパノラマゴンドラに乗り、約15分で山頂駅へ。ゴンドラから見えるカラマツの黄葉が見事です。
ゴンドラ山頂駅付近に広がるデコ平湿原は、多くの高山植物が見られるところで、驚異の2000km飛翔をするアサギマダラの生息地としても知られています。小さな蝶がここから石垣島や、遠く台湾にまで飛んでゆくのです。
山頂駅を出て、スキー場の広い斜面をジグザグに少し登ると、右方向に
西大巓登山道の茶色の標識がありました。このあたりもカラマツ林が黄色く染まっています。
9時40分、スキー場から登山道に入りました。
ゴンドラ利用が出来る登山路として、少し安易に考えていましたが、このコース、道の整備がほとんどされておらず、木の根とゴロゴロした岩の間の登りが連続します。
道を迷うことはないのですが、一般登山道としては
難路といったほうがよい急坂が続きます。ただ、ひたすら、原生林の中を西大巓を目指します。
大きな霜柱と、うっすらと積もった雪で、道はぬかるんでいます。登り続けて約1時間半ほどで西大巓山頂近くに到りました。
付近の木々には雪が積もり、崖状の斜面からは、大きなつららが下がって冬景色のようです。
このあたりから、眺望が望めるようになりました。西大巓から西吾妻山方面、そして振り返ると檜原湖、秋元湖、そして磐梯山が大きく見えます。
11時25分、最後の急な登りで西大巓山頂に飛び出しました。そこには青空のもと、大眺望が待っていました。
目の前には、最高峰の西吾妻山に到る登山道がはっきり見えます。鞍部に向けて一度下り、そこから緩やかな登り道が山頂方向に向かっています。ここから、約一時間ほどの登りで山頂です。
明るく開けた稜線は、西大巓までより、ずっと歩きやすい登山道になりました。稜線より少し下の山腹を巻くように進むので、北風も防いでくれます。
せっかく登ったのに下るのかと、友人が嘆きます。それでも素晴らしい雪景色を眺めながら鞍部まで下り、見た目よりかなりきつい登りを終え平坦な道を少し歩くと、12時50分、西吾妻小屋がある分岐に出ました。小屋に寄り、扉を開けて中を覗くと、1,2階で数十人は宿泊できそうな立派な避難小屋でした。
この分岐の少し先に、白布温泉への登山道があります。
さあ、山頂まであと15分、あたりの針葉樹に雪が付き、樹氷のようになっています。このあたり、冬は樹氷原になる場所です。
青空とのコントラストが美しく、友人たちと登ってきた甲斐があったと喜び合います。
また、樹林帯の登りで、13時5分、これが山頂かと驚く場所にでました。
広さ6畳ほどの空間が樹林の中にあって、山頂を示す道標以外何も無く、また、木々に囲まれて展望も望めません。深田氏は、山頂は背の低いオオシラビソが生えていたと書いていますが、あたりは木々が成長して眺望がきかなくなったのでしょうか。
苦労して山頂に立っても、まったく眺望の望めない山は結構あります。
日本200名山に選ばれている奥秩父の白石山(和名倉山)や、静岡県の大無限山なども、長時間のきつい登りの末にたどり着いたのは、樹林の中の空地のような場所でした。

さあ、写真を撮ったら、眺望の全くない山頂に別れを告げて、往路を戻ります。
ゴンドラの運行は16時で終わります。それまでに戻らないと、スキー場のゲレンデ横の道を歩いて下山しなければなりません。
西大巓からは、滑りやすい木の根と、沢のような岩だらけの登山道の急な下りに、疲れがどっと出る感じでしたが、なんとか、15時30分、ゴンドラ山頂駅に戻ることが出来て、無事6時間の行程で西吾妻山登山を終わらせました。
山で出会った登山者は、二組4人だけでした。ザックに付けた熊よけ鈴のチリーンと響く音だけが聞こえる静かな山行が出来ました。
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コメント

写真の景色だと寒さは感じませんが
樹氷と氷を見て思わずオォ寒! 
久しく体感していない寒さ、もう思い出せない。。。
でも山の景色はいいな~!

投稿: トックリヤシ | 2016年11月 6日 (日) 20時25分

>トックリヤシさま
山は氷点下でしたので、まだ寒さに慣れていない体には、ちょっと堪えました。でも、お見せしたくなるような、本当に美しい景色でした。氷点下、また体感しにおいで下さい。

投稿: Souroku | 2016年11月 7日 (月) 20時54分

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