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2016年9月21日 (水)

豊洲新市場の地下空間について

連日報道される豊洲新市場の、盛り土工事の有無
どうして市場建物下に、あんな大きなコンクリート造の地下空間が完成し、その結果、汚染処理された土壌の上に、すなわち建物下には新たな盛り土がなされなかったのか。
この事で、誰が、何のために、どんな指示をしたのか、その結果地下空間が設計され、工事が行われてしまったのかが問われ続けています。
そしてテレビでは、毎日これでもかというほどに、同じような内容の検証番組が流されています。
しかし、この問題、本来あるべきはずの盛り土が、施工されず、コンクリートの地下空間に変わってしまったことだけに、疑問が集中しすぎているように思われるのです。
もう少し技術的観点から、検証してみる必要があると思います。
あくまで、問題になっている地下空間の検証で、発注の責任問題、土壌汚染処理問題とは切り離して考えます。

これ、そう難しいことではないのです。

都議会に参考人招致なる制度があるならその議会で、もしそれができないなら、会派を越えた専門委員会を作って、これも公開の場で、工事関係者の聞き取りを行います。
考人として呼ぶのは、次の人たちです。

日建設計プロジェクト主担当者と建築、構造、設備設計担当者。
建物各棟の請負施工会社現場所長(下記)
水産仲卸売場棟(清水建設)

水産卸売場棟(大成建設)
青果棟(鹿島建設)


民間会社だけですが、工事検証はこれで十分です。でも、都庁の新市場担当技術職員も呼んでおいた方がいいでしょう。
質問項目にあるような建築工事の検証が行われたら、あとは、基本設計時にこの地下空間案を日建設計側に指示して、設計を進めさせ、承認したのは、都庁のどこの部署の誰なのか。
それだけです。建物下に、汚染された土壌からの影響を無くすための盛土など出来ないとスッパリ決断した人たちです。簡単すぎる事で、時間がかかることもありません。

質問
、これもそう難しいものではありません。易しく書きますが、専門用語も入ります。

1、土壌汚染処理をした敷地の、最上部の敷地全体の土2mを総入れ替えした上に、新たに土2.5mを盛土する。
これは、建築工事が着工する前に、全て終わらせる計画だったと考えられているようです。しかし建築基礎工事との関連が全く考慮されていない、こんな土工事計画が本当にあったのか。あったとすれば、設計時点でどう思ったのか。それとも、基本設計時には、そんなの無理と眼中になかったのか。
もしかして、1階市場部分を高床式にして、盛り土地盤面より数メートル高くする建築案も検討されたのか。

2、建築工事が着工されれば、杭工事(建物柱下部)、杭頭基礎、地中梁工事で、建物下は、大掛かりに掘り起こされます。
基本設計時に地中梁下端にコンクリート底板(耐圧盤では無い)を作り、通常の地下階のあるビル建築のような、地下ピットを作る計画はあったのか。

3、底板が無いとすれば、杭頭基礎、地中梁工事終了後、埋め戻す計画もあったのか。

4、その場合、1階スラブ下の配管のメンテナンスはどうする考えだったのか。

5、実際には、杭頭の柱、地中梁と連結される大きな杭基礎の下端が、盛土2.5mを行ったGL面より4m近く下になります。(設計図で、3.9mとも読み取れる)
残された建物下の空間に、埋め戻し土を入れるより、地下室(地下1階)を作った方が良いとするのも、建築的には考えられる。基本設計時に、地下1階案は無かったのか。

6、完成した現在のような、周囲にコンクリート壁があるが、床がない、すなわち地下室(地階)とは認められないような、変な空間は、計画通知(建築確認申請)では、なんという名称なのか。
この空間を設計するよう都庁技術側から指示されて、設計者として、何を思ったか、またはこの空間案は、日建設計側の提案なのか。

7、この空間の外周周りのコンクリート壁の厚さはどのくらいか。型枠は埋め殺されているのか。また、建物本体の構造とは切り離されているのか。壁下端の構造はどうなっているのか(地中梁有無)

8、建物本体から分離されている別構造であるなら、壁上部と地中梁間にエキスパンションが入っているのか。なぜ、底板にあたるコンクリート床を作らなかったのか。

9、工事用の通路とも説明された、渡り廊下のようなコンクリート床は、本当は何なのか。壁コンクリートと、構造的一体性があるのか、単なる捨てコンクリートに近い土間コンクリートなのか。

10、大きな謎、なぜ、あれだけ通路?のコンクリートを打設したのに、砕石面の露出された部分を残したのか。
全部コンクリートを打設して床にしたほうが、工事が楽だったのではないか。
砕石露出には、なにか意味があるのか。

11、この、地下空間床に、水(雨水、地下水)が溜まることは、考えられたのか。

12、水が入った場合の排水計画はあったのか。ポンプ、または水中ポンプの設置はあるのか。ポンプの釜場はあるのか。

13、もし、排水設備がない場合、現在の貯留水と、今後増えるであろう水の処理はどう考えるのか。
根本的に、建築的には地下水位は、砕石面より上に上がらないよう、管理されていると考えていたのか。砕石面から地下水が上昇してくる事は、考えなかったのか。

14、地下空間の周りのコンクリート壁は防水されていないようだが、通常の地階(地下室)の壁のような漏水対策(例えば二重壁)は考えなかったのか。

15、地下空間の防水は、全く考えなかったのか。

16.根本的に土壌汚染と建築工事は別と考えて、土壌汚染は考慮はしなかったのか。

17、それとも、設計時に、土壌汚染問題と地下空間とは、なにか関連があると認識して、いたのか、盛土の有無を含めて、なにか後ろめたい事が囁かれていたのか。

18、都庁側より、地下空間は将来、もし地下の地盤から、何らかの土壌汚染の影響が生じた際に、工事用機械を入れて作業するためのものとの説明がされたようだが、設計時にそんな話は本当にあったのか、あったとしたらそれを設計に反映させたのか。

もう少し考えられるので、質問項目については、追記するかもしれません

とにかく、この地下空間の技術的問題が明らかになれば、あとは、土壌汚染された敷地の土壌処理の問題、地下空間設計の指示系統、責任者が誰だったのかを詰めてゆけば良いでしょう。
そして、市場としての建物、外構の汚染がどうなっているかを再検証し、安全性を確認する。
僕は最初から、売主の東京ガス側さえ、かなり汚染されていると認めていた問題の土地を、新市場用地として購入することに反対でした。
(東京ガスに支払った土地購入費 1859億円。東京都の汚染土土壌改良費 849億円。
東京ガスが支払った汚染対策工事費 178億円)

こんな地下空間の問題以前に、根本的問題があったのです。移転目前のこの騒ぎ、起こるべくして起こったのです。残念です。
これから、この問題どうなるか。建築技術者としてこう推察します。

地下空間は、根本的な市場の安全性には問題ないとされ、漏水対策が施される。
まず、溜まった水が排水され、床には30cmほどの底板コンクリートが打設される。
壁、床、杭基礎頭、地中梁など全てに、防水工事が行われる。エキスパンションがあるとすれば、然るべき防水工事がされる。空間の排気設備工事が追加され、空気の安全性確認のモニタリング設備(殊にあるのか?)も導入される。
そして、建物下に4.5mの盛り土をした場合との、安全性の比較が論議され、OKがでる。
こんな推移ではないかと推察します。
何しろ、途方もなく広い地下空間です。多額の費用と時間がかかる事になります。
建築的には処理できても、工事以前に、責任問題、安全性、市場移転の有無、築地市場の跡地利用、不透明な工事利権など難問続出でしょう。

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コメント

豊洲の問題、なんか幼稚なストーリーのミステリーを見せつけられているみたい。
こんなくだらない行政に対して、都民は眺めているだけではなくもっと怒れよっ!
菓子代で不正請求するよりもっと悪質ですよね。。。
これ、国政の在り方にも重なる部分があるように思います。

投稿: トックリヤシ | 2016年9月22日 (木) 09時21分

>トックリヤシさま
この、問題は、土地売主の東京ガスでさえ、危ないですよ、後で問題をこっちに持ってこないでくださいと言っていた、いわくつきの土地を高値で購入したところから、始まりました。
豊洲新市場に群がった利権の亡者ども、全く原発によく似ています。

投稿: Souroku | 2016年9月23日 (金) 23時57分

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