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2016年3月 4日 (金)

鉄筋切断が誤りではなく、コア穴を開けること自体が誤りなのです---ああ、!ダイヤモンドカッターの乱用

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上は2月29日、4日前の東京新聞記事です。
またかと思わざるを得ないマンションの施工不良の発覚です。
記事に書かれたマンションは、横浜市西区に建設され、住友不動産が販売した「パークスクエア三ツ沢公園」
このマンション名を聞いて、あれっと思う方も多いことでしょう。
そうです、建物を支える地中杭が、設計条件の強固な地盤に届いておらず、全5棟のうち1棟は傾いてしまったことが大きく報道されたマンションなのです。
杭意外にも工事の不具合を住民側に指摘され、調査の結果、鉄筋切断が判明したと記事には書かれています。
混同されやすいのですが、記事中にもあるように、同じく杭が地盤に届いていなかったことで、下請け施工の旭化成建材が厳しく糾弾された三井不動産レジデンシャルが販売し、全棟立替え方針が決定した「パークシテイLaLa横浜」とは別の物件です。

 さて、ブログ題の「鉄筋切断が誤りではなく、コア穴(設備用の配管を通すために開けた穴)を開けること自体が誤りなのです」について、説明いたします。
マンション(ビルなども同じです)には、地下ピットと呼ばれる周囲を「基礎梁」で囲まれた空間(部屋)があります。部屋の高さは1mから、ビルなど汚水などの貯留槽となると3m以上にもなる場合もあります。ここは床下の配管スペースとなりますので、設備の配管が水平方向に何本も通ります。外部に排水する為の管もあれば、設備機械を結ぶ配管もあります。水道、ガスなど外部から入ってくる配管もあります。それらの配管が、地中梁りを貫通するために、コンクリートを打設する前に、ダンボール筒や塩ビ管を入れて、コンクリートが流れ込まないようにするスリーブ穴を開けておきます。
コンクリート打設が終わったあと、そのスリーブに各種配管が通ることになります。
これは、地下ピットだけでなく、地上の各階の天井内の梁も同じです。上の階の配管が天井内を通るからです。
記事の「パークスクエア三ツ沢公園」の場合は、この地中梁に、本来開けておかなければならなかった設備配管用のスリーブ穴を入れ忘れたものと思われます。
工事が進んで、地下ピット内の設備工事で配管を通すことが出来なくなった、当然です、地中梁にスリーブ穴が開いてないのですから。
そこで、どうしたか。コンクリートに易易と穴を開けることが出来るダイヤモンドカッターの登場です。コンクリートだけでなく、内部の鉄筋だって切断して、トンネルのような穴を開けます。
315ヶ所と書かれているのが、ダイヤモンドカッターで開けた貫通穴の数なのか不明ですが、ともかく調べたら、どうもコンクリートだけでなく、内部の重要な鉄筋も一緒に切断してしまったらしい。それが23箇所あったと判明したとのことです。
誤って内部の鉄筋を切断したとありますが、建物を支える地中梁内には、びっしりと鉄筋が組まれています。それを避けて後から穴を開けることはとても難しいのです。それでなくとも地下ピットの配管は口径が大きいものばかりですから。多分、補助的な鉄筋は切断やむなしとして、切断を発表したのは、構造上かなり重要な配筋、主筋と呼ばる鉄筋だったのでしょう。
設備用の配管の中でも、排水管は水が流れやすいように、勾配を付けるので、こっちの梁では避けられても、次の梁では、どうしても鉄筋にぶつかるということは、地中梁だけでなく地上階の梁でも同じです。
ですから、誤って鉄筋を切ったのではなく、鉄筋を切らざるを得ない穴を開けたというのが正しいのです。根本的には、コンクリート打設前にスリーブ穴を開ける準備を忘れたのが原因で、後からダイヤモンドカッターで穴を開けることが、大間違いなのです。

同じように、配管用のスリーブ穴を700ヶ所以上開け忘れ、後からダイヤモンドカッターで貫通穴を開けたことが判明し、取り壊されることになった「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」も記憶に新しいことです。売主が三菱地所レジデンス、施工が鹿島建設で販売価格が数億円の超高級マンションだったことで、マスコミにも大きく取り上げられました。
これ以外にも、スリーブ穴の貫通問題を起こしたマンションが、いくつもありますが、ほとんどが内部告発で発覚した事例です。もし、告発されていなければ、何事もなかったように販売されていたことでしょう。
そうなんです。梁貫通、または構造壁のスリーブを入れ忘れ、または追加工事発生で、後からダイヤモンドカッターで、穴を開けることなど、珍しいことではないのが現状なのです。本当は、絶対にあってはならないことなのですが。
なぜ、今の建築業界でこんなお粗末なことがまかり通るのか、責任の所在、原因究明などこれについてはネット上に多くの方が書かれていますので、ここでは触れませんが、ダイヤモンカッターの売れ行きが好調、スリーブ穴を開けてくれるコア抜き会社が盛況と聞くと、なんとも複雑な気持ちになります。

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