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2015年10月 1日 (木)

インドネシア鉄道計画受注ならず---日本の対応は少し大人げないぞ

K10046982611_1501151410_1501151414_インドネシア・ジャワ島の高速鉄道建設計画に、中国案が採用され、日本は残念ながら受注に敗れました。
この、絶対有利と思われていた鉄道計画の受注失敗に対し、日本政府の反応と、一部マスコミのインドネシア、中国両国への批判報道に少し違和感を覚えています。

先ず、9月29日の菅官房長官の談話。
中国案採用に「残念」=菅官房長官、不快感も-インドネシア高速鉄道(時事通信)
インドネシアの大統領特使は29日、菅義偉官房長官と首相官邸で会談し、同国の高速鉄道計画について、「中国提案を歓迎したい」として、中国案を採用することを伝えた。これに対し、菅長官は「日本案が選ばれなかったことは残念だ」と答えた。
 特使は中国案採用の理由について「中国側から、インドネシア政府の財政負担や債務保証を伴わずに事業を実施できるとの新たな提案があった」と説明。菅長官は
「(計画採用に当たって)方針が急きょ変更され、中国案を歓迎することになった経緯は理解しがたく、極めて遺憾であると言わざるを得ない」と述べ、不快感を示した。 

その他の菅官房長官の会見談話
「常識では考えられない。政府の財政負担や債務保証を伴わない提案は、まず我が国としては受けられない」
〇中国案が正式に採用された場合でも
「現実的にうまくいくかは極めて厳しいと思う」

菅官房長官の、いつものうつむき加減の暗い顔での発表を聞くと、いかにも恨みっぽく聞こえるし、ねちりと発注の経過批判などされると、インドネシア政府としても、面白いはずはありません。
マスコミにも、インドネシア政府の方針変更の不誠実、インドネシア側の対応を責める論調が多く見られます。
 日本が進めてきた計画を、中国に横取りされたが、インドネシアの国内問題から、実現は難しいとか、憎き中国とばかり、計画案は日本案のコピー、新幹線は日本の技術を盗んだもの、日本との技術力の違い、事故率の低さなどを挙げるむきもあります。

まあ、それだけ受注を確実視して、慢心、油断していた日本政府の衝撃の大きさを物語るものなのかもしれません。

確かに、中国受注に至る経過や、条件提示など、問題が多いのはわかります。
しかし、発注者のインドネシアは中国に軍配を上げ、日本はこのジャワ島鉄道計画の受注に失敗したことは事実です。
インドネシアは技術より金を選んだなどと言われますが、今回のジャワ島プロジェクトが初の本格的な国外進出となる中国のインフラ産業です。実績作りの為には、破格の条件提示をすることはどんな産業にでも見られることです。
日本の建設会社の例を一つ挙げると、先ず建設される看護士宿舎の入札には、採算割れの見積金額を出して受注し、次なる病院の本体工事受注を有利に展開させるなどは珍しいことではありません。
ジャワ島鉄道計画で言えば、残念ながら日本は対応を見誤ったのです。
 どうも日本政府のその後の対応を見ていると、上から目線というか、インドネシアという国を一段格下に扱っているように思えて、なんとも違和感を覚えるのです。
どこかの大国に、不快感など表明した事がありますか、菅さん。

インドネシアは親日国であり、日本の倍近い2億4千万人もの人口があります。これは、中国、インド、米国に次ぐ世界第四位なのです。国の面積にしても、日本の五倍です。東南アジアの大国なのです。
今回の受注はならずとも、他のプロジェクトでは日本も多くの実績を上げ、かつ現在も進行しています。
いくら
中国に受注をさらわれた悔しさが募るとも、これからの、両国の関係を思えば、ひとつの受注失敗くらいで相手を責めたり、おたおたせずに、広い度量を示して欲しいものです。

もう少し、下世話に言うと、土木、建築工事で、白紙に戻された、受注出来なかった場合、たとえ施主側に瑕疵があろうとも、受注者側がそれを責めることは良しとされないのです。    

最近の国内の例でも、すったもんだの新国立競技場建設で、竹中工務店、大成建設などが、政府の対応を批判などしたら、次はないものと覚悟しなければなりません。
それぞれの国の事情もあるのです。
インドネシア政府の対応を批判したりせず、この高速鉄計画を今後も見守り、協力は惜しまないくらいの事を言ってあげてください。
また、中国への批判よりも、なぜ受注できなかったのかを深く検証してください。同じ見誤りを避けるためにも。
何のかんのと言っても、これから多くの国のプロジェクトで、強力なライバルとなる中国とは同じような激しい受注競争をしなければならないのですから。640x0

(ジャカルタのショッピングモールでの展示会で、中国新幹線スケールモデルを見るインドネシア人モデル---Forbes誌より)http://www.forbes.com/sites/stephenharner/2015/10/01/japans-rail-project-loss-to-china-why-it-matters-for-abes-economic-diplomacy-and-for-chinas/
(米国の世界有数の経済誌「Forbes」電子版に、日本の受注失敗の衝撃が書かれています)

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コメント

自分の非を振り返るまでも無く、先ず相手をさげすむ・・・、
これが今の政権の強み?・・・いや、今に最大の弱みとなって現れてくるのではないでしょうか。。。

投稿: トックリヤシ | 2015年10月 2日 (金) 08時50分

>トックリヤシさま
その通りですね。中国と戦っても勝てるなどという思い上がりなど、アジアの嫌われ者にならない事を願っています。

投稿: Souroku | 2015年10月 2日 (金) 20時53分

もうとっくに嫌われ者になっていると思いますよ。
つい最近、国会前で反対を訴えている民意を無視して、日本が戦争ができる国になったのですから。他者の選択の自由を認めず批判すらするというのは、本当に愚かです。
この政府は日本を根底からつぶす無能な経営者です。
国内の沖縄でさえ、日本政府を見限って、翁長知事は21日、スイスのジュネーブで開かれている国連人権理事会に、沖縄の人々の自己決定権がないと演説を通して訴えたという沖縄2紙の記事を読みました。2分という短い演説の中で、思いを込めて訴えたようです。ここまで翁長知事を追いこんだのは、皆首相とその側近たちです。
怒りを通り越して、その愚かさが悲しいです。

投稿: トントン | 2015年10月 2日 (金) 23時39分

>トントンさま
本当に、ここまで劣化した政権は過去に例を見ないですね。米軍従属戦争法案の目くらましは、一億総活躍社会とか。米国のコバンザメ政権が常任理事国入りを狙うなど笑止の沙汰です。

投稿: Souroku | 2015年10月 3日 (土) 10時33分

日本はアメリカの言いなりなのに
方や、中韓やその他アジアの国をバカにする態度が見えます
もう、人格そのものがおかしい今の政権担当者たち
そして、あのアベさんを誰も止めないのですから
皆、似たり寄ったりです
他国と良い関係は作れません。
国連の常任理事国入りなど、ドブにお金を捨てるようなものだと思っています

投稿: マジョ | 2015年10月 5日 (月) 21時44分

>マジョさま
アジア諸国軽視は、安倍政権を牛耳る右派集団「日本会議」の根底にありますね。
他国への武力行使ができる国でないと、常任理事国入りの資格が無いぞ!。米国のムチとアメ、安倍政権が、なにがなんでも安保法案を成立させたいとする狙いの一端が見え隠れします。

投稿: Souroku | 2015年10月 6日 (火) 22時49分

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