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2015年7月20日 (月)

汚いぞ!籾井NHKと安倍政権---海賊対処活動をテロ対策活動にまで拡大せんとする広報番組を放映

緊急に書きます。
案じていたことが現実のものになり始めました。
http://cgi2.nhk.or.jp/nw9/pickup/?date=150720_1
今晩(2015年7月20日)NHKの21時のニュースウオッチ9で、ソマリア沖に派遣されている海・空自衛隊の海賊対処部隊の活動を、かなりの時間を割いて報道しました。
それも今までなるべく触れないようにしていたCTF-151(第151合同任務部隊)の司令官に海上自衛隊(海将補 伊藤弘)が就任していた事、そして各国海軍との連携により、海賊対処のみならず、今後テロ対策活動にも活動の場を広げる可能性も見えるといった番組構成になっていました。
アデン湾やアラビア海には、対テロ戦争に関連して米国の指揮のもと、CTF-150(第150合同任務部隊)が展開されていて、そこから分離独立する形でソマリア沖の海賊対処の為に、CTF-151部隊が新設されました。

当初はCTF-151との共同行動は海賊対処法の枠外とされて、日本だけの単独行動をとっていました。
しかし米国の強い要請により、日本政府は参加を決断。CTF-151に参加しても、必ずしも命令、指揮下には入るものではないので法的問題は無いと説明し、先ず、船舶護衛活動中の1隻の護衛艦が参加しました。その後もうタガは外れたとばかりに航空自衛隊の哨戒機2機も参加するようになりました。
そして3か月前には交代制とはいえ、ついにはCTF-151司令官まで務めるようにまでなっていました。司令官と言っても、参加各国の連絡調整任務であり、指揮権や命令が出来るものではないので、海賊対処法や憲法には違反するものではないとの見解だと説明しています。海自、空自の派遣決定時には、とても認められるような案件では無かったことは確かです。
何度も書いてきましたが、僕は自衛隊の本来の海賊対処活動には、反対の立場ではありません。

ただ、その活動を度々批判してきたのは、国民に知らせないまま、実数とは思えない年間2000隻の日本貿易関係の船舶が、海賊不安の中で運行している状況だと宣伝し、護衛艦は2隻では少ない4隻必要だ、でなければ哨戒機を出せ、しかも海賊は重装備だ、日本船舶はEU軍頼みだと、マスコミを含めて散々あおった当初の状況があります。
このあたりの事は、当時の新聞、特に産経、読売などを読み返してみるとその異常な熱気が読み取れます。特に中国海軍艦艇が自国の船舶護衛の為に派遣されると決まると、政府の焦りは法整備も整わないうちに、海・空自衛隊の派遣へと加速します。
しかし実際にはなぜ、日本船舶がこれほど少ないのと、首をかしげる想定とかけ離れた船舶護衛活動実績(想定の2割)と、法の趣旨とは外れた米軍に協力する中国海軍監視活動、そして度重なる海賊対処法の拡大解釈などに警鐘を鳴らしてきたのです。いけいけどんどんだったマスコミの報道が、護衛艦派遣とともに、嘘のように消えてしまった事もいやな気持ちにさせられました。
自衛隊唯一の海外拠点(基地)である、ジブチ基地もそうです。
当初は評論家に哨戒機を雨露から守り、活動する自衛隊員に温かい食事の場を提供するだけの場などと書かせていましたが、今や、国民に今後のシーレーン防衛のための重要拠点とまで認識させようとしています。
基地を拠点と呼び変える姑息さもそうですが、基地施設建設、ジブチ政府への工作費に多額の予算を使いながら、国民には実情が説明されたとは言えません。問題多い日米間の地位協定に準ずるジプチ政府との交換公文なるものを知る人は少ないでしょう。

安全保障関連法案が衆議院で採決されるのを待っていたかのようなタイミングの良さで登場した、今晩のNHKニュースの海賊対処活動の映像と番組構成は、自衛隊の活動を当初の海賊対処活動から大きく転換させる方向性を暗示させるものです。
この番組は、テロ対処部隊への参加国の減少と、米軍事予算の縮小に伴う中東での活動の低下を防ぐため、日本国自衛隊にも加担させようとする米国の要請を受け入れるべく、姑息な策を練る安倍政権とNHK籾井会長の思惑が実現させたものと断定します。
10年以上、自衛隊のインド洋給油活動、海賊対処活動を追ってきた柳瀬川通信報道部なら、政府がNHKを通じてこの時期に合わせるように、何の目的で番組を作り、そしてこれからどんな方向に向かうつもりかが良くわかりますが、ほとんど知らされず、関心もなかった国民には、このニュース番組を見てもあまり重要なこととは理解されないでしょう。ハッキリ言ってこう言った番組作りは卑怯です。
7月9日のブログ、「ブッシュ帝国の野望」でも、安倍政権の次の手が見えていましたので次のように書きました。
「ホルムズ海峡の戦闘時の機雷除去などは、嘘八百の隠れ蓑で、実際は米軍が自軍の負担軽減を強く望む、テロ対策部隊CTF-150への海上自衛隊の参加、そして併せて見えてくるのはシーレーン確保の名を借りた南シナ海での集団的自衛権の行使です。」

安倍政権が具体的に動き出すのはもう少し先と考え、これについて分かり易く書きたいと思って油断していたのですが、今晩のニュースウオッチ9でやられたと思いました。

司令官の側近というイギリス海軍大佐とのやり取りなど、いかにもやらせっぽいと思わせる映像ですし、自衛隊を評価して、テロ対策も含めた幅広い活動と海域の範囲拡大を望むコメントなども、海賊対処法を逸脱する行動になるわけで、米軍の思惑が絡んだある方向に向かわせようとする意図を含んだ番組になっていると思います。
番組の最後に、従来であれば、当然カットされているであろう、米軍将校が「日本の自衛隊はテロ対処活動に間接的にはもう参加している」とまで発言した映像をどうどうと放映しています。
最後にまとめとして河野、鈴木両キャスターが次のように話しています。
河野「警察活動の範囲内として海賊対策に参加した自衛隊、この6年間その役割は増し続けています」
鈴木「現場の様子、初めてみるものばかりでしたが、自衛隊に対して各国からの期待が大きくなっていることに驚きました。」
(NHKのアナウンサーでも初めてですか。そうですか。安全保障関連法案が衆議院で採決されなければ、まだまだ隠さなければならなかった映像なのです)
河野「そうですね。まさに安全保障関連法案を巡って自衛隊の役割が議論されていますけれど、そうした国際社会の期待と日本の法的な役割の間で、自衛隊が何をどこまで担うのか現場の実情を踏まえて、議論してゆくことが必要であると感じました。」
(「現場の実情を踏まえて、議論してゆくことが必要」これはかなり問題のある発言です。米国が指揮権を握る現場の実情なるものを、正確に国民に伝えらるとは思いません。このニュース映像のような、NHKの制作した現場の実情で議論はできません)

  実際にはどうなのか。現在に至る海上自衛隊の船舶護衛状況、CTF-151の参加国とその活動状況、3カ月から6ヶ月の交代制である司令官任務、そして最近のテロ対処部隊CTF-150との関連、米軍との関わりなどについて、また書きたいと思います。
今、いろいろお知らせしたい事もあるのですが、書き出すときりがないので、先ずはこれからもこんな啓蒙番組が増えることになるぞと警鐘を鳴らしておきます。

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コメント

初めまして!マジョと申します。
トックリヤシさんからこちらをご紹介いただきました。
内容の的確な事に驚きです。同様の活動しております
また伺わせていただきます。ありがとうございました。

投稿: マジョ | 2015年7月24日 (金) 22時43分

>マジョさま
拙いブログをお読み頂きありがとうございます。読売新聞、産経新聞を筆頭に、NHKその他マスコミの、これはおかしいと感じる報道とその姿勢に対する反論を書きたいと努力しています。これからも覗いて頂ければ嬉しいです。マジョさまのブログも拝見しました。草の根ジャーナリズムでお互いに頑張りましょう。

投稿: Souroku | 2015年7月25日 (土) 20時41分

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