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2015年6月30日 (火)

育鵬社と自由社の中学校歴史教科書---志木市の選択は?

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(写真上、左は現在志木市で使用されている東京書籍版歴史教科書。右は育鵬社版)

2016年春から公立中学校で使用する教科書が、8月末までに市区町村の教育委員会で採択されます。前回は4年前の2011年に行われました。
このブログでも5月22日、24日に「中学校歴史教科書に見るポッダム宣言」その1,2を書きました。
現在、全国の中学校で使用している歴史教科書のうち育鵬社自由社を含む6出版社のポッダム宣言の記述を比較したものです。
本当は、沖縄慰霊の日にむけて、第二次大戦での沖縄戦の様子が、それぞれの教科書にどのように記述されているかを書くつもりだったのですが、そんな折、国会での共産党、志位委員長の質問に対する安倍首相のお粗末発言が問題になりました。
そこで急遽、日本国総理は知らなくても、中学生でも学習しているポッダム宣言について書く事になってしまったというわけです。

さて、来年度からの教科書の話に戻すと、各社の教科書の見本展示会が全国各地で一斉に開かれています。
我が志木市でも総合福祉センターで、法定期間内の6月19日(金)から7月2日(木)まで行われています。
(法定期間とは教科書発行法第4条の教科書展示会を実施する期間のことです。文部科学大臣の告示により、平成 27 年度は、平 成 27 年 6 月 19 日から開始して 7 月 31 日までの間の 14 日間を選びます)

歴史と憲法について、他の教科書とはかなり異なる見解でまとめられているのが、ご存知のとおり「育鵬社」「自由社」の2社の教科書です。
自由社は中学校使用教科書のシェアが歴史、公民とも0.1パーセントと低いので今日のところは論議から外します。
問題は育鵬社で、歴史が3.9%(47,000冊)公民が4.2%(49,000冊)を占め、前回の採択で大きく伸ばしました。
来年度は、育鵬社版を編集した日本教育再生機構が、安倍政権の「教育再生政策」の成否を決する重要な場と位置づけて、採択率を10%まで押し上げたいと意気込んでいます。
与党自民党が推すのは勿論育鵬社版であり、その啓蒙活動に驚く程の力を入れています。安倍首相もこの教科書を後押しする姿勢を隠しません。
安倍政権の支持基盤である「日本会議」は、全国の地方議会で育鵬社教科書を採択させるために、傘下の日本会議地方議員連盟の議員を通じて介入を深めています。

我が志木市でも、志木市選挙区(定数1)の鈴木正人県議会議員が、自身のブログで、「我が国に誇りを持てる教科書」をぜひ選んで欲しいと、教育委員会に望んでいます。
育鵬社のスローガンは「日本がもっと好きになる教科書」であり同じ立ち位置です。
「現在志木市で使用されている東京書籍版も「学び舎」よりは随分真ん中には見えますが、マイルドな階級闘争史観で自国に誇りが持てる程の内容ではありません」と暗にその選択を否定しています。
鈴木正人議員はもちろん、育鵬社版を推す日本会議地方議員連盟メンバーで、「学び舎」版についても次のように書いています。
「左巻き先生が新たにつくった学び舎「ともに学ぶ人間の歴史」は、ここぞとばかりの自虐史観、階級闘争史観、台湾統治もNHKジャパンデビュー並みのまるで独立した台湾を日本軍が制圧し、無理やり植民地にしたかのような記述に怒りを通り越して笑ったしまいました。」
左巻き先生との表現に見られるように、この右巻き議員の書く文章には品格と謙虚さが欠けていて志木市民の代表たる県会議員として、その言動に恥ずかしさを覚え、選挙区である市民として僕は良い感じをもってはおりません。僕も沖縄辺野古新基地建設に反対しているので、以前この議員さんから「左巻き左翼」と分類されました。

ちなみに議員さんが気にした台湾について、志木市使用の東京書籍版を見ると次のように書かれています。
「台湾を領有した日本は、台湾総督府を設置して、住民の抵抗を武力でおさえ、植民地支配をおし進めました。」
それでは、育鵬社版ばどうかというと、次のように書かれています。どちらも台湾の記述は少ないですね。
「日清戦争の下関条約で日本の領土となった台湾でも、日本政府は住民の抵抗をおさえ、台湾総督府を置いて開発を行いました。」

やはり東京書籍版は、武力での植民地支配と書かれていますので、議員さんにはお気に召さないようです。
育鵬社版は、ここに見られる記述のように、肝心のところが分かりにくいのです。植民地支配は禁句で、植民地化に至る過程や住民の苦難には触れづ、近代化の功績を書くことが多いのです。日本は正しい戦争を行ったのだという認識の差が全てです。
何はともあれ、志木市の中学校教科書選択からは、目が離せません。勿論、閲覧公開に参加して意見書を提出します。

もう一つ関心を寄せているのが、沖縄県の石垣市です。
2011年8月、石垣市と与那国町、石垣市でつくる「八重山採択地区協議会」が中学校公民教科書に育鵬社版を選択し、これに反発した竹富町の教育委員会が独自に東京書籍版を選択したのです。国からの圧力は凄まじいものがありましたが、竹富町教育委員会の慶田盛 安三さんらが粘り強い抵抗を続け意思を貫いたのです。教科書無償配布を止められるなどの経過が報道されましたので、ご存知の方が多いと思います。
石垣市は、公民は育鵬社版を選びましたが、歴史については帝国書院版で一致しています。これを4年に一度の今夏の選定で、
中山市長を含む育鵬社推進派は「歴史教科書」も育鵬社版にしようと活動しています。
市民の反発もありますが、選択結果がとても気になります。

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