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2015年3月 5日 (木)

縄文杉を見ました

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3月2日(月)11時30分。遂に縄文杉を目の当たりにした。薄く靄のかかった青空を背に、ずっしりとそびえる巨木。
屋久島の苔むす大地に根を生やす大樹というより、花崗岩を突き抜けてせりあがる生き物のような圧倒的迫力。
想ったより枝葉は少い。コブと凹凸で木肌は幾筋もの灰色の筋肉のようだ。台地に触れる部分は怪鳥の足の爪か。幾千年の風雪に耐え生き続ける一本の杉に、これほどまでの存在感をもたらした屋久島の自然の持つ大いなる力。
古老の話を信じ、山中を長年探し求めて、遂にこの神秘の巨木に対面した発見者の驚きと喜びは如何ばかりだったろうか。

羽田より屋久島空港までの往復航空券付が魅力で、空港近くのホテルがセットされた3泊4日のパックプランで屋久島に来てしまいました。もちろん屋久島は初めてで、縄文杉まで登れることを期待した旅です。
「3月1日」
悪天候で着陸が危ぶまれる事態もありましたが、なんとか双発のプロペラ機は雨の屋久島空港に到着。無事、空港前の「縄文の宿まんてん」にチェックイン出来ました。
(ちなみに、屋久島空港は管制塔が無く、パイロットの有視界での離着陸なので、風雨が強い場合、欠航することが多いようで3日の午後も鹿児島行きは欠航しました)

「3月2日」
僕は初めてのガイド付きツアーで、縄文杉に向かいます。10時間以上もかかる行程は無理だと、かみさんは一人で屋久杉ランドへ。
朝、4時15分、今日のガイドの若い上田太郎君が車で迎えに来てくれました。
同じ宿から、新潟から来たHさん夫妻、そして途中で北海道から来たKさんも合流して同行は4人となりました。Kさんは前日の1日に行われた「屋久島ビーチ&トレイルラン」の38kmを走ったばかりというから驚きの女性です。

屋久杉自然館前で、登山バスに乗り換え、35分ほどで荒川登山口に到着。バスのチケットは前日に空港前の観光案内所で往復券を購入しておきました。片道870円です。
登山口で朝食後、6時に縄文杉に向けて出発です。
周囲はまだ暗く、全員ヘッドランプを付けます。ここから約40分程、ランプで足元を照らしながら歩きました。屋久島は関東地方より、3、40分日の出が遅いのです。
このトレッキングで出会えるものを思うと、通常の山歩きとは違う高揚感があります。
登山口から約3時間、ひたすらトロッコ道と呼ばれる、かっての木材運搬用トロッコ車両の軌道を歩きます。現在もダム点検などで使われているとかで、2本の錆びたレールが敷かれています。途中、岩をくり抜いたトンネル、いくつかの橋などが有り、安房川に沿った軌道は続きます。
僕が若いころの山々には、今は消えてしまった山仕事用の軌道が多く残っていて、歩きにくい枕木を踏んで登った記憶がよみがえります。冬の北鎌尾根の帰路、夜道に第五発電所の明かりだけがまぶしく輝いていた高瀬川沿いの長い軌道歩きは忘れられません。
ここ小杉谷も林業の盛んだった50年以上前には、500人以上が暮らしていたという小杉谷集落跡では、説明版を読んで、こんなところにも小中学校があったのだと驚かされました。小さな校庭跡が広場になっています。
縄文杉を目指すグループは圧倒的に若い人が多く、ガイドの説明に明るい笑い声が響きます。我がガイドの上田君も、高齢の僕を気遣ってか、後続のグループに道を譲り、植物のことなど説明してくれながらゆっくりとしたペースで歩いてくれます。重いザックを担ぎながら、笑顔を絶やさない素敵なガイドです。
トロッコ道から見える三代杉、そして仁王杉を過ぎて約15分ほどで、大株歩道入り口に到着。長い軌道歩きの終点です。
ここでトロッコ道と別れ、縄文杉に向けて本格的登りとなります。コース上最後のトイレがここに有り、ゴールデンウイークなどには大混雑するそうです。
緩い勾配が続いたトロッコ道から山道に入ると、最初から、急勾配の木の階段を上ることになりました。これより、上り下りの登山者が、道を譲り合わざるを得ない細い登山道が続きます。
40分程歩いて、最初に現れたのが、翁杉。5年前に倒木してしまった惜しまれる巨木です。そこからすぐにウイルソン株。株の中に入ると、ハート形の穴が見上げられます。若い女性グループが、写真を撮り合っています。
ここからが急坂の続くきつい登りとなりました。岩場の上り下りと、幾つもの木の階段が続きます。やがて大王杉に到着。
登山道から少し離れていますが、見上げると大王杉の名に恥じない堂々たる大樹が聳えています。推定樹齢3000年、縄文杉が見つかるまで、屋久島で最大の杉だったとのことです。た。
大王杉から、5分ほど登ると木のベンチの有る休憩ポイントがあり、ここで昼食をとりました。
ガイドの上田君から、あと45分ほどの行程なので、ここに荷を置いて縄文杉まで往復しようとの提案が有り、ザックをおいて出発。あたりの森が深くなりました
2本の木の枝が、地上10メートルほどのところで合体している珍しい樹形の夫婦杉を見てから約30分、岩場の多い登山道を登りきると、縄文杉を保護する土塁、木柵、保護シートが見え、展望デッキに登る階段を上ると目の前に、縄文杉の全貌が現れました。
上田君が、時間をはかりながら登ってくれたので、我々以外にはもう、数パーティがいるだけの静かな雰囲気のなかで、じっくりと縄文杉と対面することが出来ました。
縄文杉の生まれた、はるか古代に思いをはせ、感動の時を過ごした後、素敵な同行者たちと、明るく優しいガイドの上田君と共に、楽しく登れたことに感謝し、帰路についたのでした。
さすがに帰りのトロッコ道は長く感じましたが、安房川の河原で休憩をとったりして、夕方5時の登山バスが待つ登山口まで戻り、11時間の今日の行程を終えました。
高齢の僕を上手に歩かせてくれた上田君と、3人の仲間たち、ありがとうございました。

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