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2014年8月12日 (火)

海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その39(2014年6月、7月)---シーレーン防衛の幻想

インド洋給油活動の時と同じように、派遣前には、あれほど大騒ぎしたマスコミが、その後の状況をまったく報じなくなった、海賊対処法によるソマリア沖派遣護衛艦の毎月の活動を書いています。(防衛省、国土交通省海事局発表資料、ソマリア沖EU部隊、NATO部隊資料、CTF-151部隊、海上自衛隊情報、ジブチ情報その他資料による)

*平成26年6月の海賊対処法による船舶護衛実績(569回護衛~578回護衛の10回)護衛艦(第18次派遣部隊) うみぎり  いなづま(ゾーンディフェンス艦)     
(6月4日~8日と、19日~22日の2回、ジブチ基地に停泊し補給、乗組員休養)
(6月10日~13日の行動発表なし)

護衛した船舶  日本籍船 0隻
   日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船    7隻
  合計7隻 1回平均0.7隻                                    
                外国籍船 24隻  1回平均2.4隻

10回の護衛中、日本貿易関係船舶が0隻だったのは、571、572、573、574、576、578、回の6回です。
◎日本の船舶運航事業者の運航している外国籍船(日本の貿易関係船舶)7隻中、タンカーは3隻、LPG船1隻、コンテナ船1隻、一般貨物船2隻
◎外国籍船24隻のうち、タンカーは6隻
◎外国籍船の
船舶運航会社の国籍
1.中国 4隻(うちタンカーは2隻)
2.ギリシャ 1隻
3.トルコ 6隻
4.シンガポール 5隻
5.ドイツ 1隻
6.インド 3隻
その他 4隻

*平成26年7月の海賊対処法による船舶護衛実績(579回護衛~586回護衛の8回)護衛艦(第18次派遣部隊) うみぎり  いなづま(ゾーンディフェンス艦)     
(7月16日~21日の6日間、ジブチ基地に停泊し補給、乗組員休養)


護衛した船舶  日本籍船 0隻

   日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船    7隻
  合計7隻 1回平均0.87隻                                    
                外国籍船 21隻  1回平均2.62隻

◎8
回の護衛中、日本貿易関係船舶が0隻だったのは、579、583、585、586回の4回です。
◎日本の船舶運航事業者の運航している外国籍船(日本の貿易関係船舶)7隻中、タンカーは2隻、LPG船3隻、コンテナ船2隻
◎外国籍船21隻のうち、タンカーは6隻
◎外国籍船の
船舶運航会社の国籍
1.中国 6隻(うちタンカーは2隻)
2.ギリシャ 4隻
3.トルコ 2隻
4.シンガポール 2隻
その他 7隻
Kt_top02

 上図は、現在海上自衛隊ホームページに掲載されている海賊対処活動の説明図です。
しかし、この図は現状の自衛隊活動から見ると誤りで、何故海上自衛隊が半年以上も訂正しないのかわかりません。
なぜなら、昨年(2013年)12月より、2隻の護衛艦のうち、1隻はエスコート方式と呼ばれる上図に示される船団護衛から離れて、CTF151に参加し、広範囲の海域を監視巡回し海賊が民間船舶に近づかないよう警備するゾーンディフェンス活動を行っているからです。
自衛隊がCTF151に参加する問題は、7月6日のブログに書きましたので今日は省略します。

ともかく、何度も書いていますが、海上自衛隊の護衛艦により護衛される、中国船籍を筆頭にする船舶数は平均で3隻程度であり、日本貿易関係船舶に至っては、平均すると1隻にもなりません。
6月、7月を見ても、18回の船舶護衛のうち、日本貿易関係船舶が0隻の回が10回もあります。
まあ、これほど、想定と実際とがかけ離れた作戦は珍しいが、それを誰も問題にしないし、国会での追及もありません。
米国に追従し中国に負けるなとばかり、ソマリア沖に護衛艦を派遣することが先で、護衛対象船舶数や船舶運行日程などの状況把握がなされていなかった。海賊に対応する法律も未整備で現場は混乱し、ただシーレーンを守るを大義名分にしたかのような作戦だったのです。
海上警備行動から始まり、「海賊対処法」の施行で他国籍の船舶も護衛できるようになり、国際協力の名のもと、船舶護衛活動は継続されてきましたが、今また米国の強い要請によりCTF151への参加、そしてその司令官にも就任するという展開を見せるに至り、はたして海賊対処活動の終わりがあるのか、そして「集団的自衛権」論議でも、たびたび話題に上りましたが、「シーレーン防衛」という戦略なき海上輸送路確保の難題とどう絡んでくるのでしょう。
シーレーン防衛は日本の生命線などと、声高に叫ばれますが、日本のシーレーン防衛なるものが、言葉だけが先行し、その戦略思考の無さが如何に危ういものか、次回の「海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その40」で書いてみたいと思います。


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