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2014年7月 6日 (日)

海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その38---海上自衛隊がCTF-151の司令官に!CTF-150への参加も現実味を帯びてきた(集団的自衛権の行使容認と無縁ではない)

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http://combinedmaritimeforces.com/   (合同海上部隊(CMF)のHP。日本政府は国内的には公にすることを避けたがるのですが、ここには日本国旗が掲載され日本国の参加を表しています)

防衛省は2009年の海賊対処法による海上自衛隊の護衛艦派遣当初から、米軍などが共同運用する多国籍部隊への参加は、憲法や自衛隊法からの制約から難しいと、その枠組みには入らず個別対応の立場で活動する方針を守ってきました。
 
多国籍部隊(海賊対処専任部隊としてはCTF151)の活動は「攻撃しても武力行使にならない」と日本政府が判断した海賊の制圧が中心とはいえ、武力行使とみなされる「国または国に準じる組織=一部のテロ組織」との交戦を否定していない。このため、CTF151への参加は困難と判断した経過があります。

従ってソマリア沖に派遣された海上自衛隊の活動は、当ブログで護衛活動開始以来の毎月の活動を掲載しているように「エスコート方式」と呼ばれる、護衛対象船舶の前後を2隻の護衛艦で守るオーソドックスな船団護衛方法でした。

しかし、日本政府は昨年(2013年<平成25年>)12月より、ソマリア沖で船舶護衛の海上自衛隊第17次派遣部隊の護衛艦2隻のうち、1隻を第151連合任務部隊(CTF-151)に参加させることに決定しました。
従来のエスコート方式の船団護衛を1隻の護衛艦(さざなみ)だけにして、他の一隻(さみだれ)を広範囲の海域を監視巡回し、海賊が民間船舶に近づかないよう警備する方式です。特定の船舶を護衛せず、航路が通る海域を他国(CTF151参加国)と区切って警戒する「ゾーンディフェンス」と呼ばれる方式に移行させることにしたわけです。
昨年12月以後の17次以降の派遣部隊もこれに続いています。尚、CTF151への参加はその経過から見て、米軍の強い要請によるものと思われます。

 あれ、自衛隊が多国籍部隊に参加して良いのとの疑問が生ずるわけですが、防衛省は「これまでの活動同様、海賊行為を取り締まる警察活動で、武力行使ではない」と説明しています。
しかし、このあたりが日本政府お定まりの、参加したの、それとも片足だけ入れたのと思わせる何とも歯がゆい説明に終始するのですが、参加したことはしたが、海域の割り振りなど連絡・調整のため、隊員を多国籍部隊の司令部に派遣するだけで、指揮下には入らないと説明しています。
(話はそれますが、その指揮下には入らないと説明したCTF-151の司令官は、護衛艦「さみだれ」が参加した昨年(2014年)12月当時はデンマーク海軍でしたが、今年の2月にパキスタン海軍に、そして6月から韓国海軍が指揮をとっています。
ですから現在、海上自衛隊の護衛艦1隻(第18次派遣部隊のいなづま)は好むと好まざると、韓国海軍の司令官の指揮下?にあるわけです。
実は護衛艦の1隻が参加といっても、同じソマリア沖で活動しているもう1隻の護衛艦はどうなのだと聞かれれば、これまた説明不足でよくわからないとお伝えするしかありません。)


この「指揮下には入らない」という言葉が如何にあいまいなものであるか、またしても驚くべき進展の中で浮かび上がります。

なんと、7月3日のNHKのニュースで、ソマリア海賊対策に自衛隊の司令官を派遣するとの放送が流れたのです。(この話、実はかなり前から出ていて、昨年12月のCTF-151参加時に事実上日本側も了承していたと断じてよいと思います。
しかし、安倍内閣が集団的自衛権の行使を閣議決定した直後に、政府広報NHKが流すとは、いつものことながら不快です)


おい、おい、遂に海上自衛隊が多国籍部隊の司令官になることを発表したのかと、ニュースを聞いていましたが、これまたなんとも要領を得ない報道で、政府広報といえどもNHKさん、もう少し自分の言葉で報道しろよと言いたくなる内容です。
まあ、わからないながら要約すると

〇自衛隊が参加している多国籍部隊に、初めて自衛隊から司令官を派遣する(司令官を派遣するなどと、わかり難いことを言わず、現在韓国海軍がその任についているCTF-151の司令官に、近いうちに海上自衛隊がつくことになったと言えば国民には理解しやすいのです。
政府発表は、原発事故などにも言えますが、なるべく隠そう隠そう、あいまいにしようとするので、こんな奥歯に物の挟まった文章になるのです。要は後ろめたいのです。
それをNHKは、政府の意を汲んでそのまま発表し、なおかつ妙なフォロー文を挟むからなおややこしくなるのです。まあ、他のマスコミ、特に読売、産経、日経なども似たようなものです。防衛省は各国からの要請と説明していますが、米軍の強い意向に沿った行動です)


〇海賊対策に主体的に関わることで、積極的平和主義のもと、国際社会に貢献する姿勢を打ち出す。(いかにもNHKらしいフォローです。)

〇多国籍部隊の司令官は4ヶ月から6ヶ月ごとに参加国の間で持ち回りで交代している。
(政府は「アメリカ、イギリスなどの多国籍部隊への貢献」という言葉が好きです。インド洋給油の時も、最後の頃パキスタン海軍だけにしか給油していない時期にも、しきりに多国籍部隊への給油をうたっていました。始めは多国籍部隊でも、いつの間にか参加国が少数になることも多いのです。実はCTF-151もその傾向があるのですが、これは別記事で)

〇多国籍部隊への参加による活動のなか、防衛省は各国からの要請などを踏まえて検討を進め、多国籍部隊の司令部と参加している部隊との関係は、指揮・命令の関係ではなく、あくまで連絡調整であり、法的にも問題はないなどとして自衛隊から司令官と司令部要員を派遣する方針を固めた。
多国籍部隊の司令部と参加している部隊との関係は、指揮・命令の関係ではなく、あくまで連絡調整であり、法的にも問題はない---国民からの反発もあって、最初は参加も躊躇っていたCTF-151の司令官に、指揮下にはない、いや司令官になっても指揮、命令は無いなど、何のかんのと言い回しだけで、結局就任してしまいそうです)

海上自衛隊がCTF-151の司令官の任に就くことは、「海賊対処法」による護衛艦派遣の範囲を越えてきているのではとの声も上がってよさそうなのですが、隠されているというか、報道もされずに、問題視される様子も無いことが不思議です。
米国の次なる狙いは、海上自衛隊と航空自衛隊を、米軍が掌握しているテロ対策部隊CTF-150(海上治安活動、海上阻止行動の実施が主任務)への参加を促すものと思っています。

ソマリア沖の海賊対処活動については、僕は原則反対ではありません。
しかし、海上警備行動から海賊対処法に至る成立過程、あまりにも虚偽にすぎた護衛船舶数想定、マスコミを利用した不正確な情報操作、船主組合、経団連側の一方的な過剰要求と国交省、防衛省との癒着、シーレーン防衛などとの結びつけ方、恒久基地化への道を進んでいる「ジブチ拠点」と称する我国初の海外基地の在り方、ジブチ共和国政府との交換公文にみられる不実、そして、CTF-151への参加、間をおかずして司令官への就任要請受諾に見られる歯止めなき拡大解釈と国民への説明を避けようとするる政府のあり方などなど、あまりにも不誠実な国民への対応は、このまま、見過ごすことはできないと思っています。
また、海賊対処法のもと、警察活動の名目で参加した多国籍軍参加が、防衛省内部では、今後の、本格的多国籍軍参加への足掛かり、突破口としての重要課題として検討されていることも見逃せません。
先ずは、集団的自衛権行使のための法整備で、海賊対処法の変更と、それに関連する自衛隊法の規定変更作業に力を注いでくるでしょう。
海賊対処法一つをとっても、自衛隊が海外で動くという事実が、かように複雑な展開を見せてくるのです。集団的自衛権行使容認の閣議決定から見えてくるその先の目的に収束させようとする大きな力が働いているからです。

見ていてください!

集団的自衛権の行使容認により、安倍政権のあいまいな説明とはかけ離れた、従来の専守防衛とはまったく異なる強大な軍事力保持の方向に向けて即、動き出すのを目の当たりにすることになりますから。

CTF-151とCTF-150、聞きなれないかもしれませんが、どちらも合同海上部隊の傘下にあり、密接な関係があります。今後、自衛隊との関連が、特定秘密保護法、集団的自衛権行使の容認と複雑に絡んでくることは必至です。このことについては、書き出すと途方もなく長くなりますので、後日別途書くことにします。

今後、この話題も出るかと思いますので、参考までに、CTF-151の歴代司令官を書いておきます。現在の韓国海軍が22代目となります。

1.米国海軍2009.1~
2.米国海軍(二度目)
3.トルコ海軍
4.米国海軍(三度目)
5.シンガポール海軍
6.韓国海軍
7.トルコ海軍(二度目)
8.パキスタン海軍
9.シンガポール海軍(二度目)
10.ニュージーランド海軍
11.パキスタン海軍(二度目)
12.デンマーク海軍
13.タイ海軍
14.韓国海軍(二度目)
15.トルコ海軍(三度目)
16.パキスタン海軍(三度目) 2012.12.13~
17.シンガポール海軍(三度目) 2013.3.7~
18.パキスタン海軍(四度目)2013.6.13~
19.イギリス海軍 2013.9.5~
20.デンマーク海軍(二度目) 2013.12.12~
21.パキスタン海軍(五度目)2014.2.27~
22.韓国海軍(三度目) 2014.6.12~
23.日本海上自衛隊の可能性あるも? 
24.日本海上自衛隊の可能性 2015.2か3頃か

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