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2014年6月 5日 (木)

100年安心年金の崩壊

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(写真は、東京新聞6月4日朝刊記事)クリックすると拡大します。

厚生労働省は三日、厚生年金や国民年金など公的年金財政の長期見通しを公表しました。これは、2004年の年金改革で、将来の人口や雇用、経済見通しを踏まえ、おおむね100年間の公的年金財政や支給基準を少なくとも5年に1度検証することが義務付けられているからです。

これについて、河野一郎衆議院議員が自身のメールマガジン「ごまめの歯ぎしり」に書かれているので転載させていただきます。(全文転載のみ許可されています)
このメールマガジン記事の最後に次のように書かれています。

「結果をどう報道していいかわからないマスコミに、厚労省のほ
うから書きぶりをレクチャーするのはおかしいではないかという声
が上がっている。

社会保障審議会年金部会は公開されているので、マスコミもそこで
報告を聞いて、終了後、年金部会メンバーに質疑の時間をとっても
らって記事を書けばよいだけの話。

今晩のニュース番組、明日の朝刊の記事をよく読めば、誰が厚労省
の思惑通りの記事を書いているか、誰が勉強して記事を書いている
か、わかるはずだ。」

「明日は新聞を数紙読み比べて、この際、厚労省の大本営発表しか書
かない新聞をやめて、きちんと情報を発信してくれる新聞を応援し
たらどうだろうか。」

そこで、6月4日朝の新聞各紙とNHKのニュース番組を見てみました。

朝日新聞
*一面見出し 「年金水準 30年後は2割減」
*社説「年金の検証 底上げはかる改革を」

読売新聞
*一面見出し 「財政検証 年金現役世代の5割」「2043年度、平均的経済成長なら」
*三面 「年金抑制 実施カギ」財政検証 制度維持に必要」
*社説なし

毎日新聞
*一面見出し 「厚生年金 給付水準50%維持」「現在より2割目減り」
*二面 「厚生年金 給付水準」 「50%減算 成長頼み」
     経済前提 8通りに増
     女性、高齢者就労で底上げ
*社説 「年金財政検証」「将来への備えを怠るな」

○日本経済新聞
*一面 「年金 現役収入の半分以下」
      「長期見通し 目標達成難しく」 「給付抑制必要に」
*三面 「需給年齢 段階的上げ」
      「保険料納付5年延長」
      「株式活用 利回り高く」
*社説なし

○NHKニュース
*毎日新聞と同じ程度か

河野さん、誰が厚労省の思惑通りの記事を書いているか、誰が勉強して記事を書いているか、わかるはずだ。」 実にはっきりしています。東京新聞が一番勉強して書いています。それでは、読売、日経は購読を止める事に!
誰が厚労省の思惑通りの記事を書いているか」 厚労省のレクチャーをそのまま書き、特に年金抑制が必要だと書くのは、読売新聞と日本経済新聞。
朝日新聞、毎日新聞は、それでも社説で問題提起。
NHKはいつもの政府広報


以下、ごまめの歯ぎしり転載

ごまめの歯ぎしり 2014年6月3日号 100年安心年金の崩壊

「これは百年安心年金の崩壊を意味するのですか。」

「それはこの結果をご覧になっているそれぞれの方の視点によると
思います。」受話器の向こうから、在席している厚労省年金局の幹
部の声が響く。

社会保障審議会年金部会に提出された財政検証の結果は、なんとい
うか、まあ、その、厚労省的なものだった。

前回2009年の再検証ですでに50.1%まで低下していた所得
代替率は、今回行われた8ケースのうち、一番良いケースでも51
.0%、最悪なケースでは「2055年度に積立金がなくなり完全
な賦課方式に移行し、所得代替率は35-37%」になった。

経済前提をさまざまに(非現実的なものまで)組み合わせていろいろ
なケースを作り、必死に計算したようだが、厚労省を助けたのは、
前回は1.26だった出生率が今回は1.35だったことだ。

100年安心年金を過去にうたった自公政権下では、さすがの官僚
も年金制度が破綻するとは言えない。

そこで、様々なケースを作り、場合によっては積立金が底をつくこ
ともあり得ることを示し始めた。

お笑いなのは、前提条件を変えたと称するケース。

結論は、「少子高齢化が年金に与える影響が大きい。」

いやいやそんなことは昔からわかっているだろ。

メッセージその1
「出生率が変化すると所得代替率が3-7%変わります。でも、年
金局は少子化対策できないので、関係者のみなさん、少子化対策頑
張ってくださいね。」

もう一つ、厚労省がわざわざ書き込んでいる。

「国民年金の保険料納付率が低下しても年金財政にはほとんど影響
を与えない。」

メッセージその2
「われわれは年金保険料の納付率を上げるように頑張るけれど、納
付率が上がらなくても年金にはほとんど影響ないんですよー。」

続いて、こんな試算もある。

「被用者保険の更なる適用拡大は所得代替率に大きく影響する。」

1200万人の適用拡大をすると所得代替率は4-7%上がります
というが、そりゃ、当たり前だ。

その1200万人のうち、250万人は現在、年金保険料を納付せ
ず、国民年金を受給できる3号被保険者(専業主婦)。

さらに350万人の60歳以上で再雇用などで働いている高齢者か
らも年金保険料をいただく。

今までいただいていない人から保険料を丸々頂戴するのだから、所
得代替率は上がるに決まっている。

ちなみに一番蓋然性が高いと言われているケースEの場合、現在の
現役男子の手取り収入34.8万円に対して夫婦の基礎年金併せて
12.8万円と夫の厚生年金報酬比例分9.0万円、合計21.8
万円。

それが2030年になると現役男子の手取り40.8万円、夫婦の
基礎年金併せて13.0万円、夫の厚生年金報酬比例分10.0万
円、合計23.1万円。

年金部会の有識者達が心配しているのは、6月3日に審議会年金部
会に報告されるこの試算結果が、先週中に、すでに厚労省からマス
コミに対する説明が終わっていたこと。

この結果をどう報道していいかわからないマスコミに、厚労省のほ
うから書きぶりをレクチャーするのはおかしいではないかという声
が上がっている。

社会保障審議会年金部会は公開されているので、マスコミもそこで
報告を聞いて、終了後、年金部会メンバーに質疑の時間をとっても
らって記事を書けばよいだけの話。

今晩のニュース番組、明日の朝刊の記事をよく読めば、誰が厚労省
の思惑通りの記事を書いているか、誰が勉強して記事を書いている
か、わかるはずだ。

明日は新聞を数紙読み比べて、この際、厚労省の大本営発表しか書
かない新聞をやめて、きちんと情報を発信してくれる新聞を応援したらどうだろうか。

以下、ごまめの歯ぎしり その2転載

ごまめの歯ぎしり 2014年6月3日号-2 まず基礎年金から

今回の年金再検証は、厚労省の年金官僚の知恵を絞った結果になっ
た。

百年安心年金をつくった自公政権の顔を立てながら、年金制度はも
う持続できないから抜本改革をしなければならないということをわ
かってくれ、というメッセージだ。

だからこれを見て、年金制度は破綻しつつあるので抜本的に改革を
しますということを、政治がきちんと言わなければならない。

官僚にはここまでは言えない。これは政治の仕事だ。

そしていくつかのオプション計算は、小手先の改革ではもうだめだ

ということを表している。

とくにこの再検証で気が付くのは、国民年金、基礎年金の将来の姿
のひどさだ。

マクロ経済スライドによる調整が厚生年金よりも基礎年金では、は

るかに長く続く。

ケースAでは、所得代替率が現在夫婦二人の基礎年金額で36.8
%、夫の厚生年金の報酬比例分が25.9%であるのに、2050
年度では、厚生年金の報酬比例は所得代替率25.3%までしか下
がらないのに、基礎年金の代替率は25.6%まで下がる。

ケースF、Gでは夫婦二人の基礎年金のほうが夫の厚生年金の報酬
比例部分より所得代替率が低くなってしまう。

さらにこの外に、未納者、免除者、猶予者がいるのだ。

もはや基礎年金制度は破綻しているとっても過言ではない。

官僚の良心の叫びをきちんと政治が受け止め、国民に伝えなければ
ならない。

この財政再検証は、そういうことだ。らどうだろうか。

以上、転載終わり

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