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2014年3月18日 (火)

虚構の冬季初登攀---そしてSTAP細胞

Dscn421_1280 かって、北アルプスの不帰岳Ⅱ峰岩壁のひとつのルートの冬季初登攀を発表した登山家がいた。しかし、その登攀には疑惑が持たれた。
この登攀以前にも、単独登攀も含め幾つかの彼の登攀記録が虚構では無いかとの指摘がなされていたが、不帰岳Ⅱ峰の冬季登攀の場合、ザイルパートナーが存在した。
登攀の疑惑以上に、そのザイルパートナーの存在が疑われた。
冬の未踏の岩壁を登るくらいの気鋭のクライマーなら、友人、知人、そして所属する山岳会などで、その人物を知る者がいておかしくない。
しかし、登山家が、某大学山岳部OBだと説明し、なぜか登攀後行方不明と弁明したそのザイルパートナーは結局実在しなかった。
登山家がなぜ虚構の登攀記録を発表し、自身の山岳界における存在を際立たせ」ようとしたか、本人の口から語られる事はなかった。
 単独登攀であれば登攀の有無は疑問視される事はあっても、真実はなかなか検証され難い。ヒマラヤ登山も含めてその例は少なからずある。
しかし、彼は架空のザイルパートナーが登場するという、致命的な嘘の記録を発表してしまった。
以前からその登攀記録を疑われていた登山家の、新たな先鋭登山に疑問がもたれるのは時間の問題だった。
そして不帰岳Ⅱ峰の、疑惑の冬季初登攀は厳しい目でチェックされ、虚構は次第に暴かれていった。
そして彼は、「山に興味がもてなくなった」と言い残し山岳界から消えていった
この登山家は、国内の未登攀岩壁を次々と落し、目覚しい活躍をする周囲の先鋭クライマーたちに伍したい、いや脚光を浴び確たる地位を確立したいとの思いから、虚構の登攀記録を発表し続けた。その心境は分るような気がする。
しかしである。
今でも僕が理解できないのは検証すれば必ず虚構だと分ることを何故行ったのか。後のことを思考する能力に欠けていたとも思えない、文才に恵まれたこの登山家が何故なのだ

今、どんなものにもなる万能細胞「STAP細胞」で理化学研究所が揺れている。組織ぐるみの虚構の論文発表だったのか。
昨年、世間を騒がせた東大医学部附属病院の森口尚史氏のお粗末な虚構の研究実績発表が記憶に新しい。
それ以前にも、東大だけでも「分子細胞生物学研究所」加藤茂明教授、「大学院医学系研究科循環器内科学」小室一成教授、大学院工学研究科多比良和誠教授などの論文捏造事件は枚挙にいとまがない。
そして、今度は理化学研究所である。
論文の疑惑は、個人、組織の関連も含めて、いやな面をみせつつ、今後解明されていくだろうが、僕がどうしても理解できない事は、ただひとつ
なぜ検証すれば必ず虚構と看過されるようなお粗末な論文発表を大々的に行ったのか。本当に作られたのか疑われる疑惑のSTAP細胞を、いかにも本物らしく見せかけたのか。俊英揃いの組織が何故なのだ

それにしても一国の首相たるものが、世界に向けて平然と嘘をつくからと云って、それに倣うかのような世の風潮は実に嘆かわしい。

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