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2013年12月23日 (月)

日米地位協定の見直しが要望できない政府の事情とジブチ交換公文

「日米地位協定」の見直しが論議されています。
しかし、日本政府にはもともと本気で改定を求める気はありませんし、米国側もそれをお見通しで、改定論議には即否定発言をします。
理由は幾つかありますが、そのひとつに日米地位協定以上の不平等条約を他国と結び、それを良しとしてはばからない国である日本が、もし米国にこんな不平等条約は改定してくれと通告したら、大きな矛盾を抱え込んでしまうからです。
他国とは、海賊対処活動に従事する海上自衛隊と航空自衛隊の基地があるジブチ共和国です。
防衛省は戦後初めて日本が持つ海外基地を、基地と呼ばずジブチ拠点と呼んでいますが外国からは軍事基地と認識され、自衛隊員も難しい論議なしに「横田基地」などと同じ感覚でジブチまたはジブチ基地と呼んでいます。
このジブチ基地のあるジブチ共和国と自衛隊駐留の為に結んだ地位協定があります。
政府は地位協定と呼ばずに交換公文と呼んでいます。

(ジブチ共和国における日本国の自衛隊等の地位に関する日本国政府とジブチ共和国政府との間の交換公文)
内容は日本語でA4版15ページ(英語で10ページ)と日米地位協定ほどには広い範囲を定めていませんが、刑事裁判権および懲戒上の権限がすべて日本側にあるという日米地位協定以上に、ジブチ共和国にとっては不利益な協定なのです。
なぜ、こんな協定が結ばれてしまったか、この協定自体がジブチ国民にはほとんど知らされていませんので、現政権に批判的な野党が政権を取らない限り明らかにはならないでしょう。
「ジブチ交換公文」の問題の条文は以下のとおりです。英文を読むと日米地位協定を下敷きにしたことが分ります。

8.The competent authorities of the Government of Japan shall have the right toexercise within the territory of the Republic of Djibouti, in cooperation with the competent
authorities of the Republic of Djibouti, all the criminal jurisdiction and disciplinary powers conferred on them by the laws and regulations of Japan with regard to all Personnel.

8 日本国の権限のある当局は、ジブチ共和国の領域内において、ジブチ共和国の権限のある当局と協力して、日本国の法令によって与えられたすべての刑事裁判権及び懲戒上の権限をすべての要員について行使する権利を有する。
「注:要員とは自衛隊派遣部隊隊員、並びに防衛省の自衛官以外の者、海上保安庁職員、日本国政府の職員など」


それでは「日米地位協定」ではどう書かれているでしょうか。

ARTICLE XVII
1. Subject to the provisions of this Article,
(a) the military authorities of the United States shall have the right to exercise within Japan all criminal and disciplinary jurisdiction conferred on them by the law of the United States over all persons subject to the military law of the United States;

(b) the authorities of Japan shall have jurisdiction over the members of the United States armed forces, the civilian component, and their dependents with respect to offenses committed within the territory of Japan and punishable by the law of Japan.
 

第十七条
1 この条の規定に従うことを条件として、
(a) 合衆国の軍当局は、合衆国の軍法に服するすべての者に対し、合衆国の法令により与えられたすべての刑事及び懲戒の裁判権を日本国において行使する権利を有する。

(b) 日本国の当局は、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族に対し、日本国の領域内で犯す罪で日本国の法令によつて罰することができるものについて、裁判権を有する。

このジブチ交換公文8条について、ここで書くまでもなく実にわかりやすく解説した人がいます。!!
前防衛大臣の森本敏氏です。
防衛大臣就任前ですが国会審議で次のように述べています。

現政権の安倍首相はじめ全閣僚、石破幹事長、総理補佐官:礒崎洋輔、自民党副総裁:高村正彦、秘密保全PT座長:町村信孝、衆院国家安全保障特別委員会与党筆頭理事:中谷元などの面々は、森本氏の発言に我が意を得たりと思ったことでしょう。
これでは、日米地位協定の見直しなど絶対に進めることはありません。

「今回、日本とジブチの地位協定といいますか、実際は地位協定とは言っておらず、交換公文を双方が交わして統合任務部隊を現地に展開させているわけですが、思えば、日本の戦後の自衛隊の活動で、ホスト国とのこの種の地位に関する交換公文、協定を結んで統合部隊を展開させる言わば初めてのケースであり、これは今後の日本の自衛隊の海外における活動の非常に良い例といいますか、になりつつあるんだなということを強く感じるわけであります。特に、この交換公文の中で、すべての刑事裁判権を日本側にゆだねているという、大変日本に有利な地位協定の内容になっていることに私は一種の感慨を覚えるものです。」

「この日本・ジブチの交換公文というのは、いかなる場合でも自衛隊員がジブチに駐留する場合に起こした事件についての刑事裁判権というものを日本がすべてその責任を負うということになっているのは、たとえ公務執行中でない事故が起きたとしても、裁判権を日本の国内法に基づいて日本が裁判権を取るということになっているのは、日米地位協定との関係において日本が特権を享受している、つまりそういう意味では日本が有利である。
 もっと簡単に言ってしまうと、そういうことは考えにくいのですが、仮に自衛隊員が現地で勤務中以外の場合に町に出ていて、現地の人と傷害事件を起こして、その裁判権を争うというときに、この協定は、にもかかわらず、ジブチ側が協力をして日本が刑事裁判権を全部行使できるようになっている。それは、在日米軍基地において、つまり在日米軍が日本で享受できる特権よりもはるかに日本にとって有利な協定になっているのではないかと。そして、そのことは今後日本が海外に駐留するときに、この協定をモデルにして各国と協定が結ぶことができるというのであれば、非常に良い地位協定の基礎ができたのではないかという趣旨を申し上げた次第でございます。」(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/171/0059/17106160059019c.html

森本敏氏は、防衛、軍備などの論評で、思考回路がショートしてしまったのかと思うような、偏った発言が多く、この発言なども思慮分別に欠けた人の意見だと思います。

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コメント

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投稿: Alyssa | 2014年1月16日 (木) 13時15分

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