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2012年7月 2日 (月)

海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その29(2012年5月) 日本関係船舶護衛、遂に1ヶ月間で僅か2隻

インド洋給油活動の時と同じように、派遣前には、あれほど大騒ぎしたマスコミが、その後の状況をまったく報じなくなった、海賊対処法によるソマリア沖派遣護衛艦の毎月の活動を書いています。(防衛省、国土交通省海事局発表資料、ソマリア沖EU部隊、NATO部隊資料、海上自衛隊情報、ジブチ情報その他資料による)

*平成24年5月の海賊対処法による船舶護衛実績(352回護衛~359回護衛の8回)
   護衛艦(第11次派遣部隊) 101 むらさめ  102 はるさめ     
 
 護衛した船舶  日本籍船 0隻 
            日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船    2隻
                   合計2隻  1回平均0.25隻
           
               外国籍船 34隻  1回平均4.25隻 

護衛回(日程)                   日本籍船  日本関係外国籍船   外国籍船 
352 (4/30-5/2)    東行き       0          0             3 
353 (5/4-7)        西行き        0           0              6
(5/7-5/10) ジブチ基地にて3日間補給、休養    
354 (5/10-12)     東行き        0           0              4
355 (5/14-16)      西行き      0            0            3 
356 (5/17-19)      東行き      0            0            6                                
357 (5/19-21)     西行き      0          0             2   
5/21-25) ジブチ基地にて3日間補給、休養
358 (5/25-27)      東行き      0           0            5
359 (5/28-30)      西行き       0           2                        5   

合計                             0                  2                      34

月間100隻と想定された日本関係船舶の護衛のために派遣されている2隻の護衛艦による護衛実績が、このところその1割にも満たない5隻から10隻程度といった発表にはもう、すっかり慣れてしまっていました。
しかし5月の実績をみてさすがに目が点になりました。
何かの間違いではないか? 8回行われた護衛船団に日本関係船舶が7回とも1隻も加わっていないのです。そうなのです、0隻なのです。
最後の1回にかろうじて2隻のタンカーが加わっただけです。

これでは、中国の船舶7隻の三分の一にも満たないのです。

「日本関係船舶」とはなにかが、わかり難いのですが、「我が国の船舶運航事業者が運航する船舶」と定義されています。ただし、その97.5パーセント、まあ殆どですが、外国籍船なのですが。

それでは、船舶運航会社の国籍ではなく、純粋?に自国の船籍を持つ船舶を比べてみると、海賊対処行動による護衛活動が行われた平成21年7月からの統計で、日の丸を掲げた日本籍船は僅かに14隻、それに対して中国国旗を掲げた中国籍船は234隻と、この護衛活動の最初の目標とはかけ離れた実状が見えるのです。
何度も書いていますが、日本の船舶を海賊から守れ、法整備など後でよいからすぐに出せと騒がれた派遣当初には、日本関係船舶の10倍以上の外国の船舶運航会社の船を護衛するつもりなどなかったのです。
あくまで、日本関係船舶の護衛に余力が生まれた時に外国の船舶も加えましょうという事だったのです。それが、1ヶ月間の護衛数が日本2隻、中国など外国船が34隻とは、いくらなんでもおかしいのではないですか。守る、守ると言われながら、日本関係船舶は守られていないのですか。

何がどうなったか、そろそろ、日本船主協会、日本経団連の説明があってしかるべきではないかと思うこの頃です。
昨年(2011年)10月に、日本経団連は、次のような海賊対策の強化を提言していましたが、今年も同じ提言をするつもりなのでしょうか。あまりに現実とかけ離れた提言になっている事を認識してください。1隻の船の3日間の護衛に多分10億円もの国税が投入されているはずです。

「経団連は14日(2011年10月)、近年被害が急増しているソマリア沖の海賊対策の強化を求める提言を発表した。
現在自衛隊が派遣している2隻の護衛艦と2機の哨戒機の拡大を要望。給油用の補給艦派遣や現在は認められていない外国船籍への給油が可能になるよう法的な整備も求めた。
日本船籍の船舶に武装した自衛隊員や海上保安庁職員を同乗させ警備を強化すべきだとしている。」http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/100/honbun.pdf  経団連提言

気になるところを抜粋しておきます。
1.海上輸送に対する海賊の影響
日本は、トン数ベースで貿易量(輸出入合計)の99%を海上輸送に依存して
いる。このため、シーレーンの安全確保は、わが国のエネルギー安全保障や経
済にとって非常に重要である。
アデン湾においては、紅海、スエズ運河、地中海を経由して世界全体で年間
2 万隻の船舶が航行し、
そのうち約2,000 隻が日本関連船舶である。これに加
え、年間3,400 隻の日本関連船舶がペルシャ湾を航行し、原油タンカーなどが
活動範囲を拡大した海賊の脅威を受けている。

わが国は、原油総輸入量の88%を中東に依存しているが、原油タンカーは低
速かつ海面からデッキまでが低く、海賊に狙われやすい。

わが国の自動車の輸出台数の3 分の1 は、ソマリア沖・アデン湾およびイン
ド洋を通航する自動車専用船やコンテナ船によって運搬されている。海賊を避
けてソマリア沖・アデン湾を迂回し、アフリカ大陸最南端の南アフリカのケー
プタウンにある喜望峰を経由すると、6~10 日余計にかかるため、燃料代など
コストが大幅に増大する。自動車専用船やコンテナ船が航路を迂回することで
納期が遅れるとともに、生産計画にも変動が生じることが懸念されている。ま
た、海賊の脅威により、ソマリア沖・アデン湾およびインド洋への配船を取り
止める動きもあり、その経済的損失や商業的権利の喪失は看過できない。一方、
ソマリア沖・アデン湾を航行する場合でも、追加保険料や警備員の手配等が必
要になる。

4.強化すべき具体的な海賊対策
今後、強化すべき具体的な海賊対策として、以下の4つを求める。

(1) 自衛隊の派遣規模の拡大
自衛隊の派遣規模は、2009年からの護衛艦2隻とP-3C哨戒機2機に加え、人員が増強され現在は約580人である。
これまで海上自衛隊の海賊対処航空隊はソマリアの隣国であるジブチの米軍基地内に間借りしていたが、7月にジブチに自衛隊初の自前の海外拠点を開設した。

今後は派遣規模をさらに拡大し、護衛艦と哨戒機の数を増やす必要がある。あわせて海上給油により護衛艦の活動範囲や頻度の拡大を可能にするため、補給艦を派遣すべきである。

また、海賊対処法では、外国の艦船への給油が想定されていない。そこで、国際協力による護衛活動の強化の観点から、外国の艦船への給油も可能とするため、同法の改正もしくは新法の制定により海賊対策を強化する必要がある。

(2) 自衛隊員や海上保安庁職員の乗船による警備強化
海運会社としては、船舶の放水装置や鉄条網、citadel(シタデル:避難所)の充実など自衛に向けた取組みを着実に進めることが重要である。

一方、船舶の自衛措置には限界があり、乗組員の不安を軽減し安心して乗船できるよう、多くの国々が自国の軍隊あるいは民間の武装警備員を自国籍の船舶に乗船させる措置を講じている。

わが国では民間人による武器の所持が禁止されていることから、日本船籍の船舶に武装した自衛隊員や海上保安庁の職員が同乗して公的な警備を強化すべきである

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