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2012年5月18日 (金)

ソマリア沖海賊対処・対策---海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その27(2012年3月) 1船団に平均0.6隻とはあまりに少なすぎる日本関係船舶

インド洋給油活動の時と同じように、派遣前には、あれほど大騒ぎしたマスコミが、その後の状況をまったく報じなくなった、海賊対処法によるソマリア沖派遣護衛艦の毎月の活動を書いています。(防衛省、国土交通省海事局発表資料、ソマリア沖EU部隊、NATO部隊資料、海上自衛隊情報、ジブチ情報その他資料による)

*平成24年3月の海賊対処法による船舶護衛実績(335回護衛~343回護衛の9回)
   護衛艦(第11次派遣部隊) 101むらさめ  102はるさめ     
 
護衛した船舶   日本籍船 0隻 
            日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船    6隻
                   合計6隻  1回平均0.66隻
           
              外国籍船 55隻  1回平均6.1隻 

護衛回(日程)                  日本籍船  日本関係外国籍船   外国籍船
335 (2/29-3/2)    西行き       0         1            6 
336 (3/3-5)        東行き        0         0             11
337 (3/5-7)       西行き       0           0             1
(3/7-3/10) ジブチ基地にて補給、休養   
338 (3/10-13)      東行き     0            1             6
339 (3/13-15)      西行き      0           1            10                               
340 (3/15-18)     東行き     0          0               6   
341 (3/18-20)      西行き     0           1            10
(3/20-3/24) ジブチ基地にて補給、休養 
342 (3/24-26)     東行き        0            1              1
343 (3/26-28)      西行き      0            1           4

合計                            0                                          55

「海賊対処のために派遣された水上部隊の護衛実績」を公表している防衛省・自衛隊そして国土交通省海事局では、この護衛対象船舶のあまりに少ない実数について、問題になっていないとは思えないのですが。
担当者の会話に
「このままでは、派遣自体が問題視されるようになるぞ、少し水増しするか」ぐらいの話が出ていてもおかしくないと思うのです。
表をみてお分かりいただけると思いますが、今年になってなんとか
1船団に平均1隻を維持してきた日本関係船舶が、またもや9回の護衛航海で6隻と平均0.66隻となりました。

9回編成された護衛船団に日本関係船舶が1隻も参加していない状況が3回もあります。
そのうちの一回、第337回護衛船団では、外国籍船の参加も無く、中国のタンカー1隻のみという状況なのです。
2隻の護衛艦に前後を守られて航行する1隻の中国タンカーというのは、やはり異常です。

外国籍船の護衛については、海賊対処行動による護衛艦派遣時に、年間2000隻の日本関係船舶で手一杯だが、護衛船団に余裕があれば、調整して参加を認めるはずでした。
しかし、いまや我国の貿易とは関係ない、中国などのタンカー、貨物船が護衛船舶の9割を占めています。
それ自体は国際協力、国際貢献と理解しても良いのですが、日本関係船舶の少なさについて、何度もしつっこく書きますが、何故、想定の10%と当初の数値とかように開きが出てしまったのか、ぜひとも検証が必要でしょう。
ソマリア沖に派遣される海上自衛隊の護衛艦2隻(約420人の海上自衛隊員乗船)は、3ヶ月ごとに交代します。そして日本からの往復約2ヶ月の航海とあわせて5ヶ月間は海賊対処活動に従事します。
海賊対処活動に係わる年間予算が約150億円
ちなみにこれには昨年完成したジブチ基地(拠点)の建設費47億円は含まれません。

ところで、昨年10月から今年3月までの半年間の日本関係船舶護衛数はわずか45隻です。
少し乱暴な計算ですが、日本関係船舶の2日間の護衛にかかる経費は、1隻あたり、なんと約1億6千万円になります。
もちろん外国籍船も護衛しているわけですが、こちらはいてもいなくても、日本関係船舶のために護衛船団が組まれますので、おまけのように後ろに付いて来ると考えて経費計算から除外します。
それと、それで無くとも数少ない日本関係船舶なのですが、その実状は日本の海運業者が運航する外国籍船ばかりで、残念ながら護衛船団の船舶の99パーセントは日本籍船ではありません。
ですから、護衛艦から見える船舶に掲げられているのは、外国国旗ばかりで、日の丸は見えないのです。

岡崎研究所理事の金田秀昭理事(元海上自衛隊護衛艦隊司令官)の言う、「戦後半世紀を経て、日章旗(商船)と旭日旗(護衛艦)の渾然一体の場面が実現する」といったお気軽な状況ではなく、書けば長くなりますが日本の海運業全体にかかわる大きな問題があるのです。
「日本船主協会様」
 護衛艦や哨戒機、そして人員の増強、補給艦の派遣、武装隊員の乗船要求などを叫ぶ前に、消えた?いや、はじめからあなた方の唱えていた年間運航船舶2000隻は存在しなかった?。これら日本関係船舶について釈明が必要なのではありませんか。消えたというか、いないというか、護衛船団になぜか日本関係船舶の貨物船が加わらない不思議については、ソマリア沖船舶護衛その28(2012年4月)で書きます。

護衛艦2隻が往復2ヶ月もの航海を経て、ソマリア沖で3ヶ月にわたる活動を行い、その後の護衛艦交代のためには、約2ヶ月の重複期間が生じます。
別の2隻の護衛艦がソマリア沖に向け、また任務を終えた2隻が日本に向けてて航行するので、計4隻の護衛艦が同時に海賊対処活動に従事することになるわけです。
これとは別に哨戒機2機もジブチ基地を拠点に活動しているので、護衛艦と併せて総員約580人程度が海賊対処活動のために常時派遣されています。
月間、約5~10隻の海上貿易輸送に従事する日本関係船舶の護衛のために、年間約150億円という莫大な経費と、艦艇やりくりの苦しい海上自衛隊艦隊の中から割かれる4隻の護衛艦、それと任務に赴く自衛官の数から考えて、この作戦行動は、経費対効果らみて、「活動をいかに効率的かつ効果的」にするか、再検証する必要がありませんか。それが戦略というものでしょう。
曖昧なシーレーン防衛論など100年早いと、憎まれ口をたたいておきます。

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