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2012年5月22日 (火)

ソマリア沖海賊対処・対策---海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その28(2012年4月) タンカー以外の日本関係船舶は何処へ消えた

インド洋給油活動の時と同じように、派遣前には、あれほど大騒ぎしたマスコミが、その後の状況をまったく報じなくなった、海賊対処法によるソマリア沖派遣護衛艦の毎月の活動を書いています。(防衛省、国土交通省海事局発表資料、ソマリア沖EU部隊、NATO部隊資料、海上自衛隊情報、ジブチ情報その他資料による)

*平成24年4月の海賊対処法による船舶護衛実績(344回護衛~351回護衛の8回)
   護衛艦(第11次派遣部隊) 101 むらさめ  102 はるさめ     
 
 護衛した船舶  日本籍船 0隻 
            日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船     7隻
                   合計7隻  1回平均0.87隻
           
               外国籍船 41隻  1回平均5.1隻 

護衛回(日程)                   日本籍船  日本関係外国籍船   外国籍船
(3/28-4/1) ジブチ基地にて補給、休養   
344 (4/1-2)      東行き       0         0            3 
(4/2-5)    洋上待機なのか行動発表されず
345 (4/5-7)        西行き        0          3             6
(4/7-4/11) ジブチ基地にて補給、休養    
346 (4/11-14)     東行き       0           0              3
347 (4/14-16)      西行き     0           0             4
348 (4/17-19)      東行き      0           1            8                               
349 (4/19-21)     西行き     0          1            11   
4/21-24) ジブチ基地にて補給、休養
350 (4/24-26)      東行き     0           0            4
351 (4/27-29)      西行き       0          2              2   

合計                            0                 7                      41

3月報告(その27)でも、あまりにも少なすぎる日本関係船舶と書きましたが、4月も僅か7隻の護衛に留まりました。
4月は全8回と何故か少ない護衛でしたが、表を見てもわかるように、そのうち半数の4回に日本関係船舶が1隻も参加していません。(
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防衛省並びに国土交通省海事局海賊対策連絡調整室が発表している護衛対象の船舶の種類は次のとおりです。
1.タンカー
2.コンテナ船
3.LPG船
4.一般貨物船
5.専用貨物船
6.自動車運搬船
7.旅客船

それでは、ここ半年の日本関係船舶の種類を見てみましょう。
3月の報告で、昨年10月から今年3月までの半年間に護衛された日本関係船舶はわずか45隻だったと書きました。
その45隻の内訳ですが、タンカーが44隻、コンテナ船が1隻と、なんと殆どがタンカーなのです。
以前には、一般貨物船、専用貨物船、LPG船、コンテナ船、自動車専用船などもあったのですが、ここのところ、護衛船団に加わるのはタンカーばかりと発表されています。
もちろん4月も日本関係船舶7隻が全てタンカーです。

前には、自動車専用船ばかりが目立つので、日本の生命線確保などと言っても、自動車専用船は有事には運航されるとは思えないなどとと悪口を書いた事がありましたが、いったいタンカー以外の商船はどこに消えたのでしょう。
まさか、シーレーン防衛論などと結びつけるために、他の種類の船舶も全てタンカーとして発表しておいたほうが良いと考えた!。しかしこれはありえないでしょう。
各船舶の船足の違いから、護衛船団に加われないとしたら、外国籍船は、タンカーは全体の三分の一程度で、一般貨物船、専用貨物船、LPG船も参加していますから、日本関係船舶の不参加理由にはならないでしょう。
考えられるとしたら、日程調整などのある護衛船団に加わらず単独で航行している。
または、護衛対象船舶年間2000隻などは、誰かさんの作文でソマリア沖を航行する日本関係船舶ははるかに少数だったかのどちらかでしょう。
このあたり、中国、韓国の海賊対処護衛活動の動きや関連性なども調べて、後日報告します。
Dd107ikazuchi_320
(写真左上、第12次派遣部隊として5月11日横須賀港を出港した「護衛艦107いかづち」。3ヶ月の護衛活動任務のために、往復約50日かけて、ジブチ基地へと向う。6月に第11次派遣部隊と交代する)

(写真左下、同じく5月12日佐世保港を出港した「護衛艦157さわぎり」)

一回の任務期間が約3ヶ月、90日間の護衛活動ですが、そのうち約15~20日間ぐらいは、ジブチDd157sawagiri_320基地での上陸休養が含まれますので、実際の活動時間は75日前後と考えると、任地に向う往復50日の航海は作戦行動としていかにも長すぎます
ジブチ基地の確保なども絡めて、先が見えないというより、かなり長期に継続する意思をもった海賊対処活動ですから、先の展望を考える必要があるでしょう。
酷暑の厳しい勤務だぞ、素人がなにを言うかとお叱りを受けそうですが、護衛艦全体の配備計画、運用なども考えると、効率的には、今後1クール4ヶ月ないし4ヶ月半または護衛活動の空白期間が生じる現在の2隻の護衛艦の同時行動方式の変更もあり得るのではないかと思います。
または以前にも書きましたが、デンマーク、イギリス、フランス海軍などの一部行っている乗組隊員の現地入れ替え、すなわち艦はそのままで、乗艦する隊員が空路ジブチに飛び総員入れ替わるシステムも考えられると思います。
その点、何度か取り上げましたが艦長ごと入れ替わるデンマーク海軍の「多目的支援艦アブサロン」などは、護衛艦とはくらべものにならない良好な艦内環境で、乗組員の過酷な勤務状況をを和らげています。今後、このタイプの艦艇が必要になる状況が増えるかも知れません。
今後の少子化進行により、それでなくとも艦はあっても隊員がいない海上自衛隊の実状が、ますます厳しいものとなる事は確実です。
中国に先を越されるなと、長期展望の無いまま突っ走った海賊対処活動が海上自衛隊に与える重い負担をどう打開するか、最近の護衛船団に加わる日本関係船舶の少なさからも、ジブチ基地が確保できた、シーレーン防衛の展望も開けそうだと、喜んでばかりはいられない状況が生まれつつあります。

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