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2012年3月29日 (木)

震災がれきを日本中に拡散する事に反対です

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 「放射能の知見もなければ、がれき全体の汚染状況も調べていない」
「環境省は廃棄物やがれきの処理は担当するが、放射能に関しては技術的知見を持ち合わせていない」


がれきの広域処理に反対する市民団体にたいして環境省の担当者がこう述べたと、東京新聞が報道しています。(2012年3月27日朝刊-上の写真記事)クリックすると拡大します。
詳しくは、読んでいただきたいのですが、環境省職員の言葉とは思えません
環境省設置の基本理念として、環境省設置法第3条に次のように書かれていることを、忘却しています。
「地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全(良好な環境の創出を含む。)を図ることを任務とする(環境省設置法第3条)」

「震災がれき」を、日本全国に運び処理する事に、僕は反対です。
現地のがれきの処理状況、現地の意見などがほとんど広報されぬまま、がれき処理に協力しないのは日本人にあるまじき態度と言った論調がまかり通り、広告会社博報堂に莫大な金をだして広域処理の宣伝をさせるなどを行っているのを見ると、政府の言う事を信用していない僕は、がぜん反抗的になります。
大体がして、なぜ広域処理をする必要があるのか、どのようにして全国の自治体で焼却してもらう段取りになったのか国民は良く理解していないのではないでしょうか。

震災がれきについては、主にセシュウムなどの放射性物質による汚染が言われており、自治体などの対応も放射能汚染に集中されがちの状況ですが、実際には震災がれきはもっと広い意味で危険な要素を含んでいるのです。
海水に流された、ありとあらゆる場所のがれきの集合体ですから、アスベストなどの有害物質はもちろん、重油や薬品などから発生する危険な化学物質などが含まれたり、付着している可能性が強いのです。放射性物質はセシュムだけではありません。測定し難いプルトニュームやストロンチュームなどの核物質の恐れもあります。
阪神大震災時のがれきと総量的には、変わらなくても、内容物は異なります。
もちろん、市区町村の焼却場で焼却する通常の可燃ごみとは根本的に別物なのです。

これら震災がれきを数十万台のトラックで、日本全国に運ぶ事の危険性(放射能汚染に偏りがちですが)については、多くの方が意見を述べられており、僕も共感しておりますので、ここでは省略しますが、最近読んだものでは
「きっこのブログ」が良くまとめられていると思いました。

多くの方が読まれているブログですが、参考までに記事をお知らせします。
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2012/03/post-1f6b.html 
きっこのブログ(がれきの広域処理で得する人たち)

この「きっこのブログ」にも書かれていますが、県民の投書に対する徳島県庁の対応は、わかりやすく納得できます。http://www.pref.tokushima.jp/governor/opinion/form/652 
徳島県庁HP(ようこそ知事室へ-目安箱)

以下転載させていただきます。

環境整備課からの回答
 貴重なご意見ありがとうございます。せっかくの機会でございますので、徳島県としての見解を述べさせていただきます。
 
 このたびの東日本大震災では,想定をはるかに超える大津波により膨大な量の災害廃棄物が発生しており,被災自治体だけでは処理しきれない量と考えられます。

 こうしたことから,徳島県や県内のいくつかの市町村は,協力できる部分は協力したいという思いで,国に対し協力する姿勢を表明しておりました。

 しかしながら,現行の法体制で想定していなかった放射能を帯びた震災がれきも発生していることから,その処理について,国においては1kgあたり8000ベクレルまでは全国において埋立処分できるといたしました。
(なお,徳島県においては,放射能を帯びた震災がれきは,国の責任で,国において処理すべきであると政策提言しております。)

 放射性物質については、封じ込め、拡散させないことが原則であり、その観点から、東日本大震災前は、IAEAの国際的な基準に基づき、放射性セシウム濃度が1kgあたり100ベクレルを超える場合は、特別な管理下に置かれ、低レベル放射性廃棄物処分場に封じ込めてきました。(クリアランス制度)

 ところが、国においては、東日本大震災後、当初、福島県内限定の基準として出された8,000ベクレル(従来の基準の80倍)を、その十分な説明も根拠の明示もないまま、広域処理の基準にも転用いたしました。
(したがって、現在、原子力発電所の事業所内から出た廃棄物は、100ベクレルを超えれば、低レベル放射性廃棄物処分場で厳格に管理されているのに、事業所の外では、8000ベクレルまで、東京都をはじめとする東日本では埋立処分されております。)

 ひとつ、お考えいただきたいのは、この8000ベクレルという水準は国際的には低レベル放射性廃棄物として、厳格に管理されているということです。

 例えばフランスやドイツでは、低レベル放射性廃棄物処分場は、国内に1カ所だけであり、しかも鉱山の跡地など、放射性セシウム等が水に溶出して外部にでないように、地下水と接触しないように、注意深く保管されています。

 また、群馬県伊勢崎市の処分場では1キロ当たり1800ベクレルという国の基準より、大幅に低い焼却灰を埋め立てていたにもかかわらず、大雨により放射性セシウムが水に溶け出し、排水基準を超えたという報道がございました。

 徳島県としては、県民の安心・安全を何より重視しなければならないことから、一度、生活環境上に流出すれば、大きな影響のある放射性物質を含むがれきについて、十分な検討もなく受け入れることは難しいと考えております。

 もちろん、放射能に汚染されていない廃棄物など、安全性が確認された廃棄物まで受け入れないということではありません。安全な瓦礫については協力したいという思いはございます。

 ただ、瓦礫を処理する施設を県は保有していないため、受け入れについては、施設を有する各市町村及び県民の理解と同意が不可欠です。
われわれとしては国に対し、上記のような事柄に対する丁寧で明確な説明を求めているところであり、県民の理解が進めば、協力できる部分は協力していきたいと考えております。

転載終わり

多くの市区町村でも、現状のままでの受入れには、批判的な見解を発表していますが、受入れの賛成を伝える報道に押されて、あまり知られていませんので、それらの中からこの札幌市長の見解も参照して見てください。http://www.city.sapporo.jp/kinkyu/20120323mayor.html

「東日本大震災により発生したがれきの受入れについて」 札幌市長

以下転載させていただきます
 東日本大震災から一年が過ぎました。地震と津波による死者・行方不明者が18,997人という未曽有の大災害は、福島第一原子力発電所の大事故とともに、今なお人々の心と生活に大きな影を落としています。
改めて被災者の皆さま方に心からお見舞い申し上げ、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

震災から一年後となる、今年の3月11日前後、テレビの画面に繰り返し映し出されたのは、膨大ながれきの山と、その前に呆然と立ちすくむ被災者の姿でした。
これを視聴した多くの人々の心には、「何とか自分達の町でもこのがれき処理を引き受けて早期処理に協力できないか」という、同胞としての優しい思いと共感が生まれたものと思います。

政府は、岩手県・宮城県の震災がれき約2,045万トンのうち、20%に相当する約401万トンを被災地以外の広域で処理するという方針を出し、今、その受入れの是非に関する各自治体の判断が、連日のように新聞紙上等をにぎわせています。
私は、これまで、「放射性物質が付着しないがれきについては、当然のことながら受け入れに協力をする。しかし、放射性物質で汚染され安全性を確認できないがれきについては、受入れはできない。」と、市長としての考えを述べさせていただきました。

「放射性廃棄物は、基本的には拡散させない」ことが原則というべきで、不幸にして汚染された場合には、なるべくその近くに抑え込み、国の責任において、市民の生活環境に放射性物質が漏れ出ないよう、集中的かつ長期間の管理を継続することが必要であると私は考えています。
非常時であっても、国民の健康と生活環境そして日本の未来を守り、国内外からの信頼を得るためには、その基本を守ることが重要だと思います。
国は、震災がれきの80%を被災地内で処理し、残りの20%のがれきを広域で処理することとし、今後2年間での処理完了を目指しています。
これに対し、「現地に仮設処理施設を設置し精力的に焼却処理することで、全量がれき処理が可能であり、また輸送コストもかからず、被災地における雇用確保のためにも良い」という意見も、被災県から述べられ始めています。

また放射性物質についてですが、震災以前は「放射性セシウム濃度が、廃棄物1kgあたり100ベクレル以下であれば放射性物質として扱わなくてもよいレベル」だとされてきました。しかし現在では、「焼却後8,000ベクレル/kg以下であれば埋立て可能な基準」だとされています。
「この数値は果たして、安全性の確証が得られるのか」というのが、多くの市民が抱く素朴な疑問です。全国、幾つかの自治体で、独自基準を設けて引き受ける事例が報道され始めていますが、その独自基準についても本当に安全なのか、科学的根拠を示すことはできてはいないようです。

低レベルの放射線被ばくによる健康被害は、人体の外部から放射線を浴びる場合だけではなく、長期間にわたり放射性物質を管理する経過の中で、人体の内部に取り入れられる可能性のある内部被ばくをも想定しなければならないといわれています。
チェルノブイリで放射線障害を受けた子ども達の治療活動にあたった日本人医師(長野県松本市長など)をはじめ、多くの学者がこの内部被ばくの深刻さを語っています。
放射性物質は核種によっても違いますが、概ね人間の寿命より、はるかに長い時間放射能を持ち続けるという性質があります。
そして誰にも「確定的に絶対安全だとは言えない」というのが現状だと思います。

札幌市の各清掃工場では、一般ごみ焼却後の灰からの放射性物質の濃度は、不検出あるいは1キログラム当たり13~18ベクレルという極めて低い数値しか出ておりません。
私たちの住む北海道は日本有数の食糧庫であり、これから先も日本中に安全でおいしい食糧を供給し続けていかなくてはなりません。
そしてそれが私たち道民にできる最大の貢献であり支援でもあると考えます。

私も昨年4月、被災地を視察してきました。目の前には灰色の荒涼たる街並みがどこまでも続き、その爪痕は、あまりにも悲しく、そしてあまりにも辛い光景で、今も私のまぶたに焼き付いています。
また私は、若い時に福島に1年半ほど生活していたことがあり、友人も沢山います。
福島は、桃やリンゴなどの優れた農作物で知られており、それらを丹精こめて生産されている人々が、愛着のある家や畑から離れなければならない、その不条理と無念さに、私は今も胸を締めつけられるような思いでいます。

札幌市はこれまで、心やさしい市民の皆様方とともに、さまざまな支援を行ってまいりました。今なお札幌では、1,400人を超える被災者を受け入れており、あるいは一定期間子どもたちを招いて放射線から守る活動などにも積極的に取り組んできたところです。
そのほか、山元町への長期派遣をはじめとした、延べ1,077人に及ぶ被災地への職員派遣、等々。
今までも、そしてこれからも、札幌にできる最大限の支援を継続していく決意に変わりはありません。

またこのところ、震災がれきの受け入れについて、電話やファクス、電子メールなどで札幌市民はもとより、道内外の多くの方々から、賛同・批判それぞれの声をお寄せいただき、厳しい批判も多数拝見しています。
ご意見をお寄せいただいた方々に感謝を申し上げます。
これらのご意見を踏まえ、何度も自問自答を繰り返しながら、私は、「市長として判断する際に、最も大事にすべきこと、それは市民の健康と安全な生活の場を保全することだ」という、いわば「原点」にたどり着きました。

私自身が不安を払拭できないでいるこの問題について、市民に受入れをお願いすることはできません。
市民にとって「絶対に安全」であることが担保されるまで、引き続き慎重に検討していきたいと思っています。

                    2012年3月23日  札幌市長 上田文雄

以上転載終わり

今日の最後に、がれきの広域処理に問題がある事を、環境総合研究所、副所長の池田こみちさんが語っている動画をお知らせします。


「放射性廃棄物メディア等3/28 がれき広域処理の本質的問題(要約版) 池田こみち氏に聞く」
http://www.youtube.com/watch?v=ncCbPfMNsx8&feature=player_embedded

       

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コメント

●下にあるアドレスは、「市民と科学者の内部被曝問題研究会」の公式回答です
●この中で、(4)が特に重要で、上記のコメントには無い科学的根拠に基づく視点です。
●セシウムの沸点が28.4度、融点が678度、ゴミ焼却場の燃焼温度がダイオキシンを考慮して800度だから、セシウムは全て気体となり、バグフィルターの通貨温度200度でも、一部気体となって、その蒸気圧が1000分の1気圧である。この中で、「市民」と「科学者のはしくれと自称する方々」と「内部被曝問題研究会の発起人の先生」とで数日何十通にも及ぶメールのやり取りもあった。
●会員になることによって、メーリングリストに加入すると、意見交換が公開され、その過程で、私たちも、ゴミ焼却施設が「主灰よりも、飛灰の方にはるかに放射性廃棄物が混じっていると公表しているデーター」を観ることもできた。
●それとは別に、かつて、神戸大学の山内知也教授が、東京のごみ焼却場の施設近辺の母親たちに依頼され、周りの公園や、ごみ焼却場の中もデータをとってテレビに出たことがある。明らかに高かった。
●実証データーも、理論的根拠も共に科学的根拠を持って反対できる市民を育てる。そして後世へ、命を最優先にする世へと、「市民と科学者の内部被曝問題研究会」の先生方が立ち上がって下さった。日本を、起点に、世界にもつながっている。連携も展望も持って動いておられる。是非、ホームページも見てください。ここまでの文責、小松梨津子
http://blog.acsir.org/

2012.04.12 Thursday放射性物質汚染対処特措法施行規則改正案に対する意見(パブコメに補足しました).0

「放射性物質汚染対処特措法施行規則改正案に対する意見」

環境省の改正案:「事業活動に伴い生じた廃棄物については、対策地域内廃棄物から除外し、当該廃棄物を排出した事業者が、事業系一般廃棄物又は産業廃棄物として、自ら処理を行うこととする。」

●意見の要約 :
本改正案は、全国の住民に無用な放射線被曝を強制する人権無視の法案である。特に子どもや胎児の健やかな成長を第一に考えるべき国の本来の政策の対極にあり、絶対に容認できない。
●意見及び理由 :
<意見> 警戒区域・計画的避難区域内の放射能汚染度の低い残留物や廃棄物であってもこれらを一般廃棄物あるいは産業廃棄物として処理してよいことにする規則改正は、絶対に容認できない。
<理由> この改正案には、以下のような問題がある。

(1) (放射能物質処理の一般原則)
放射性物質は、封じ込め、拡散させないことが国際的な原則である。放射性微粒子による内部被曝は少量といえども大きな危険が存在することは常識となっている。従って、放射能に汚染された物は「拡散してはならない、燃やしてはならない。」これが人間の命と環境を保護する鉄則である。

1)放射能汚染された廃棄物を汚染地域外に持ち出すことは、いのちに危害を及ぼす放射性物質の存在地域を広げることであり、持ち出しはしてはならないのである。放射性物質を原発では「封じ込める」ことに務めていたはずが、いったん爆発して外に出ると「拡散させる」は如何に不見識で乱暴な行為であることかを、法治国家として認識すべきである。

2)放射能汚染度が高いところに野積みにされたりした廃棄物には放射能汚染があることは言うまでも無い。本特措法はこれら高度の放射性汚染物質を汚染の低いところに持ち出すことであり、行ってはならないことを「法」の名を持って、実施させることであり、かかる規則改正は行ってはならない。

3)廃棄処分される多くの場合いったん焼却される。焼却処理すると2次被害を作り出す。瓦礫に放射性物質が付いているままでも、大気、地下水、漂流水、海水、土を介して自然生活環境を汚染するので、汚染物と自然生活環境は遮断しなければならない。しかしこれを燃やすと、さらに厄介な健康障害の原因物質が生み出される。吸い込んだり食べたりできる姿に変えてしまうのである。放射性微粒子が空気中に広がったり、残灰が一般ごみと同じ処理をされて、再利用されて生活の場を被曝させる状態に持ち込むことは、厳禁である。生活の場近くに再利用されたり、田畑にまかれたりすることはさらに被曝を住民にもたらすこととなる。焼却という2次被曝の操作だけでなく、一般ごみと同様に処理することは、焼却と同様な2次被害を及ぼすこととなり、放射能汚染物質の処理の原則に反する。

いのちと環境を守るための鉄則を破り、国や行政が決して行ってはならない「市民の健康を傷つける可能性」を開き強制する本特措法案は、誠意と配慮に欠けた最悪の法案である。

(2) (つじつまの合わないダブルスタンダード)
我が国の現状は、事業所(原子力発電所)内から排出される放射性セシウム(Cs-137 )が100ベクレル/キログラム以下(「原子炉等規制法」)の低レベル放射性廃棄物は、ナベやフライパンなどの台所用品や公園のベンチなどに
リサイクルすることが認められている(クリアランス制度)。この点は、去る3月26日衆議院第一議員会館で開催された環境省交渉でも、厳しく追及されたきわめて重大な問題点である。ヨーロッパでは、1997年クリアランス法がEU議会に提出されようとしたとき、低レベル放射性物資による内部被曝の危険性に留意して、放射性物質の拡散を容認する同法案は阻止されたという経緯がある。クリアランス制度は国際的にも厳しく批判されている制度である。本来、日本政府も、本「放射性物質汚染対処特措法」はもとより、放射性物質のクリアランス制度も廃棄するべきである。

ところが、政府は、昨年6月、事業所外では放射性セシウムが8000ベクレル/キログラム以下の廃棄物について、一般廃棄物最終処分場(管理型最終処分場)での埋め立て最終処分を認め、8月には8000ベクレル以上、10万ベクレル以下の焼却灰などまで一定の条件下の管理型最終処分場(ビニールシートなどによって地下水への移行が遮断されるというが、ビニールシートなどの劣化は早く、地下水は早晩放射性物質によって汚染されると考えなければならない)への最終処分を認めた。さらに12月には、管理保管できる遮断型処分場の場合は10万ベクレルを超えるものまで処分できるようにした。遮断材であるコンクリートの寿命はたかだか数十年であることを考えれば、このような措置は市民の健康と環境保護の視点に欠ける。

そもそも、わが国の現状は、原子力施設外の市民生活の場における汚染許容基準が原子力施設内の80倍から1000倍以上という、完全に転倒したダブルスタンダード(二重基準)が野放し状態になっており、決して容認できるものではない。

(3) (住民の健康と環境こそ守るべき本体)
放射能汚染度が極度に高いために設定された警戒区域・計画的避難区域から出る廃棄物を、「事業系一般廃棄物又は産業廃棄物」として処理することは法理に反するものである。

そもそも政府は憲法25条に基づき、国民の文化的で健康に生きる生存権を保護し、その忠実な実施に徹すべきであるが、上記のような措置は、国民の命と環境保全をあまりにも軽視するものである。

一般市民が「事故が起こったから放射線に対する抵抗力が20倍になる」はずはないが、政府は事故直後、公衆に対する被曝限度値を1ミリシーベルト/年から20ミリシーベルト/年に引き上げた。この特措法はそれらと同様、法の視点から国民保護を捨て去ったものであり、許されるものではない。

(4) (特に焼却処理について)
現時点での放射性物質の主成分は放射性セシウムである。セシウムの沸点は他の多くの金属類と比較して低く、678℃ほどであり、融点は28.4℃である。(融点以上ではセシウムは液体であり、沸点以上では気体となる。)一般焼却炉ではダイオキシン発生を避けるために燃焼温度を800℃くらいに保つ定温燃焼をしている。しかし、800℃では放射性セシウムは完全に気体状態になる。とくに問題なのは蒸気圧の高さである。蒸気圧とは、例えば、水は100℃で沸騰し、それ以下では液体であるが、100℃以下でも空気中に気体状態の水分が含まれている。通常空気中に含まれる水分を“湿度”と呼び日常生活に溶け込んでいる。これと同様に、バグフィルターの通過ガス温度約200℃でも放射性セシウムは100パスカル(1000分の1気圧)ほどの蒸気圧があり、これら気体状態の放射性セシウムはバグフィルターに捕獲されることはない。

さらに、融点が28℃近辺と低いことは放射性セシウムの原子としての結合力が低いことを意味し、200℃ほどのバグフィルター通過温度では、仮に放射性セシウムが単体であるとした場合は液体であり、固体微粒子となる他の物質に比べて極めて通過しやすい。他の原子などと結合して、微粒子になるとしても原子の結合力が他の大方の金属等に比べて弱いために、大きい微粒子は形成しにくい傾向にある。一般のごみ処理用に設計されているバグフィルターでは、かなり大量に空気中に漏れていくことが予想される。

加えて、セシウムに比べ骨や歯への蓄積性はるかに高いストロンチウム90や極めて毒性の強いプルトニウム239を無視した現行の対応は、決して容認できるものではない。

以上のように一般ごみと同様に焼却する場合には、セシウムの漏洩は大量であることが予測され、放射性がれきの汚染ゴミも一般焼却炉では処理してはならない。従って、本法案が前提としている「一般ごみ同様に」処理する方法には大きな問題がある。もし、焼却する場合の鉄則は専用炉で行わなければならない。依って本施行規則改正案は認められない。
                                                 以上


                                              2012年4月9日
                                    市民と科学者の内部被曝問題研究会
                                        (略称 内部被曝問題研)
                                            代表 澤田 昭二     


投稿: | 2012年4月20日 (金) 03時45分

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