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2012年1月18日 (水)

海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その24(2011年12月) タンカー以外は護衛無しで航行?

インド洋給油活動の時と同じように、派遣前には、あれほど大騒ぎしたマスコミが、その後の状況をまったく報じなくなった、海賊対処法によるソマリア沖派遣護衛艦の毎月の活動を書いています。(防衛省、国土交通省海事局発表資料、ソマリア沖EU部隊、NATO部隊資料、海上自衛隊情報、ジブチ情報その他資料による)

*平成23年12月の海賊対処法による船舶護衛実績(306回護衛~315回護衛の10回)
 護衛艦(第10次派遣部隊) 110たかなみ 111おおなみ
     
 
 護衛した船舶  日本籍船 1隻 
            日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船   10隻
                   合計11隻  1回平均1.1隻
           
               外国籍船 59隻  1回平均5.9隻  

護衛回(日程)                  日本籍船  日本関係外国籍船   外国籍船
(11/29-12/3) ジブチ基地にて補給、休養
306 (12/ 3- 5)    東行き       0          1           11 
307 (12/7-9)       西行き        0           0             2
308 (12/10-11)    東行き       1            0            7
309 (12/11-13)     西行き      0            0           4
(12/13-16) ジブチ基地にて補給、休養
310 (12/16-18)     東行き      0           2           9      
311 (12/18-20)    西行き      0          1            3   
312 (12/20-22)     東行き      0           1           5
313 (12/22-24)     西行き       0           3           5
(12/24-27) ジブチ基地にて補給、休養
314 (12/27-29)     東行き       0           2           7
315 (12/29-31)     西行き       0           0           6

合計                             1                10                       59

12月の海上自衛隊護衛艦による船舶護衛回数は10回でした。
日本貿易関係船舶すなわち日本籍船、及び日本関係外国籍船の護衛数は
11隻でした。
11月の9回の護衛船団の実績の
4隻よりは増えましたが、それでも派遣前の想定の10%にも当たりません
この状況であれば、当然、護衛艦2隻では、とても手が回らないと言う理由付けの、哨戒機2機の派遣などありえなかったのです。
しかし、国民にどんな嘘をついてでも、実行してしまえばあとはこちらのもの、いまやジブチに47
億(公称)の費用で、自衛隊初の海外拠点(基地)を設けて、仏軍も驚く立派な格納庫や宿舎、食堂、厚生施設まで持つまでになっています。http://www.news24.jp/articles/2011/07/08/10186005.html 「海外初の本格拠点“目玉”は哨戒機の格納庫」
<日テレニュース 2011年7月8日>

護衛船舶が少なければ、日本関係船舶の4倍近い外国船の護衛や、哨戒活動が国際貢献と当初の派遣目的をすりかえてしまいます。
護衛している外国船は、中国を筆頭にシンガポール、ギリシャ、トルコ、ドイツ、デンマーク、インド、韓国などの諸国であり、これについては国際貢献を認めるのですが、派遣当初は日本船舶を守るの一辺倒だったではありませんか。
海賊対処に派遣されている米国やEU艦隊、NATO艦隊の削減がありうる経済的状況下で、もっと素直に、海賊対処の実情やEU諸国との協力、補給、休養の基地の必要性を国民に説明しなければ、いくら
日本船主協会、経団連に援護射撃させても密かに狙っている護衛艦の増強などは、なかなか理解されないでしょう。
それにしても、補給艦派遣の話がでたり、なにやら水面下での怪しい動きが気になるこの頃です。

1月21日には第11次派遣部隊の護衛艦
「101むらさめ」「102はるさめ」横須賀基地を出港する予定です。
ちなみに「はるさめ」は第2次(2009年7月出港)「むらさめ」は第5次(2010年5月出港)で派遣されており、今回はどちらも2回目の派遣になります。
船舶護衛任務に当たるのは、2隻の護衛艦でも、交代艦が遠いジブチに到着するのに約25日かかり、実質4隻の護衛艦が必要になります。
3ヶ月ごとの任務のために往復約2ヶ月の航海が必要なのです。
海上自衛隊の幹部が、いみじくも
「インド洋給油活動が継続されていたらたいへんな状況だった」と護衛艦配備のやりくりを語ったのもうなずける厳しい状況です。

収束の見えない海賊対処の船舶護衛ですが、現在行っている船団方式の護衛だけに特化すれば、デンマーク海軍のような快適な船内生活が送れる補給兼用艦を使い、3ヶ月ごとに乗組員を空路入れ替える方法も考えられるでしょう。
しかしジブチ拠点(基地)の永久確保、海洋覇権、戦略、そして世界の海路を守る国際貢献などが複雑に絡んで、2隻の護衛艦による日本貿易関係船舶の護衛数が僅か平均1隻足らずと言う実情でも、護衛艦増強、補給艦派遣などにしか展望が描けない困った状況なのです。


ところで、11月の4隻、12月の11隻と
日本関係船舶は全てタンカーです。
外国船は110隻中
41隻が中国、シンガポールなどのタンカーでした。
日本関係船舶の
一般貨物船、専用貨物船、コンテナ船、LPG船、自動車専用船などは、どこに消えたのでしょう。
船足の遅いタンカー以外は護衛船団に加わらないのでしょうか。しかし、外国船は貨物船などが加わっているのです。このあたり、少し調べてみます。

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コメント

インド洋での海上保安庁の巡視船による警備が行わる。これはソマリアの海賊がインド洋にまで手を広げている事が原因のようだ。インドの沿岸警備隊との連携とのことだが、何故、日本の沿岸警備隊がインド洋まで警備に出かけるのか。

対海賊の警戒海域がソマリア沖からインド洋域までに広がったのでは、護衛艦2隻では手が回らないのだろう。しかし、筋論から言えば、海外派遣は海上自衛隊の護衛艦の任務だろう。金はかかるが嘗ての地方隊の護衛艦を整備して新たに2個護衛艦隊群を作り、6個護衛艦隊群制にすれば、運用にも余裕が持てる。
平時だ、高度に訓練された艦隊群が全て海外に派遣させることは無い。沿岸警備の用も足せる。

海上保安庁の巡視船の派遣海域は近海区分に限定した方が納得がいく。それでも、日本海、黄海、東シナ海、南シナ海、西太平洋、オホーツク海と相当な広範囲になる。巡視船が警備すべき日本の排他的経済水域はこの近海区分よりも遥かに狭い。

投稿: むむ~ | 2012年1月28日 (土) 13時05分

>むむ~さま
海上保安庁とインド沿岸警備隊の合意事項の詳細についてはまだ不勉強ですが、海上保安庁のマラッカ海峡などにおける各国との長年の連携、その指導的役割による海賊対処活動の延長戦上にあるのではと考えています。
海自の海賊対処活動の拡大を望む向きも多いのですが、ソマリア沖派遣との戦略的違い、世界不況の様相でのEU、NATO艦隊と同じように、海自の今後の海賊対処活動予算の制限、また海自自体が海賊対処活動の拡大を望んでいない事、そして展望なき絶対的な隊員不足など、難題山積とみます。

投稿: Souroku | 2012年1月28日 (土) 23時16分

スレッド主さま:

自衛隊が海賊退治、紛争地帯へに国連派遣、大規模災害救助を嫌うようでは、平時の存在意味が無いでしょう。

現在では戦争は数十年の1度、もしくは何百年かに1度かも知れません。その備えのためにGDPの1%負担は国民には大きすぎます。平時の軍隊は対処できない案件を率先して取り組み機関として、国民は多額の税金を投入することを納得しています。日本の海上警察、海上救助も兼ねる海上保安庁とは異なります。

自衛隊は好嫌で任務を選ぶものではありません。
と思います。ちょっと主旨がずれて仕舞いましたが。

投稿: むむ~ | 2012年1月29日 (日) 12時15分

>むむ~さま
海上自衛隊がインド洋給油の継続に懐疑的であった事、海賊対処活動の範囲拡大と派遣部隊の増強を望まない事、ソマリア沖派遣の各国艦隊の中で、最も高齢隊員の多い事や隊員の応募は有っても人材が少なく隊員不足が心配で10年後の展望が見えないなどは、全て直接聞いた話です。(石原都知事の持論である、高卒後の2年間ほどは、自衛隊に入隊義務などが夢で無くなる日が来たらな、とも)
ジブチ拠点(基地)の継続的確保の一環として、補給艦の定期派遣(海上航路化)には、色気もあるようです。
しかし、紛争地帯への国連派遣、大規模災害救助を嫌うなどは、私は聞いておりません。
現在所有し、かつ建造中のヘリコプター空母を「災害時緊急支援艦」として、民間人の避難宿泊場所(約2000人ほど収容可能)、その移動、病院船の役割を担う事が出来るよう提案しています。
また、地震災害の緊急度が増しているとしたら、建造予定の3隻めのヘリコプター空母を早急に大型病院船に変更建造し、国内は勿論、積極的に外国災害支援に赴くべきとの考えを持っています。

投稿: Souroku | 2012年2月 4日 (土) 10時07分

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