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2011年11月14日 (月)

海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その22(2011年9月、10月) 月間護衛船舶数が5隻とは!

「昨日の記事の、追記、編集がなぜか出来にくい状況になっているので、一度削除して今日(11月14日)新たに書きなおすことにしました。」

インド洋給油活動の時と同じように、派遣前には、あれほど大騒ぎしたマスコミが、その後の状況をまったく報じなくなった、海賊対処法によるソマリア沖派遣護衛艦の毎月の活動を書いています。(防衛省、国土交通省海事局発表資料、ソマリア沖EU部隊、NATO部隊資料、海上自衛隊情報、ジブチ情報その他資料による)

*平成23年9月の海賊対処法による船舶護衛実績(280回護衛~287回護衛の8回)
 護衛艦(第9次派遣部隊) 106さみだれ 158うみぎり
 
 護衛した船舶  日本籍船 0隻 
            日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船  15隻
                   合計15隻  1回平均1.9隻
           
               外国籍船 56隻  1回平均7隻  

護衛回(日程)                 日本籍船  日本関係外国籍船   外国籍船
 (8/31-9/1) ジブチ基地にて補給、休養
280 (9/ 2- 4)    東行き        0          3           1 
(9/5-7行動不明)
281 (9/ 8-10)      西行き        0           6             5
282 (9/10-12)     東行き       0            0            7
283 (9/12-15)     西行き      0            2            8
  (9/15-18) ジブチ基地にて補給、休養
284 (9/19-21)     東行き      0           1            9      
285 (9/21-23)    西行き      0          1            10
286 (9/24-26)     東行き      0           0            6
287 (9/26-28)     西行き       0           2           10
  (9/28-30) ジブチ基地にて補給、休養

合計                            0                 15                     56

*平成23年10月の海賊対処法による船舶護衛実績(288回護衛~296回護衛の9回)
 護衛艦(第9次派遣部隊) 106さみだれ 158うみぎり
 
 護衛した船舶  
日本籍船 0隻 
            日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船  5隻
                   
合計5隻  1回平均0.6隻
           
                外国籍船 46隻  1回平均5.1隻

護衛回(日程)                 
日本籍船  日本関係外国籍船  外国籍船
(9/28-30) ジブチ基地にて補給、休養
288 (10/1-4)    東行き       0         1             4 
289 (10/4-6)      西行き       0            0             12 
290 (10/7-9)      東行き      0             2            10
291( 10/9-11)    西行き      0              0             6   

(10/11-15) ジブチ基地にて補給、休養
292 (10/16-18)   東行き      0            1            4      
293 (10/18-20)  西行き      0          0               2
294 (10/20-23)   東行き      0           0              3
295 (10/23-25)   西行き      0            0              3
296 (10/29-30)   東行き      0            1             2

合計                            0                    5                        46

Dd110_32010月の海上自衛隊護衛艦による船舶護衛回数は9回。
そのうち日本関係船舶すなわち日本籍船、及び日本関係外国籍船の護衛数は
僅か5隻でした。
9回の護衛航海のうち、5回は
日本関係船舶が0隻で、すべて中国など外国の運航事業者が運航する外国船舶への護衛活動です。
これについては何度も書いていますが、海賊対処のために護衛艦を派遣する際の、
月間150隻の日本関係船舶を護衛するという想定とは、あまりにもかけ離れた実績となっています。
2隻の護衛艦では不足だと、(4隻は出す必要があると叫んでいた自民党議員もいたのです)哨戒機2機を追加し、韓国からの協力要請を自国船舶護衛だけで手一杯だからと断った事など、嘘のようです。

ちなみに現在は韓国の船舶運航会社の船も海上自衛隊護衛船団に加わっています。
その数は海賊対処法に基づく護衛開始以来10月までに74隻と、護衛された外国船舶中の8位の位置にあります。
勿論、圧倒的に多いのは
1位の中国で、234隻にものぼります。
参考までに書くと、2位はシンガポール(191隻)、3位はギリシャ(173隻)、4位はトルコ(160隻)、5位はドイツ(150隻)、6位はデンマーク(120隻)7位はインド(112隻)などです。

この数字を挙げると、合わせてお伝えしなければならないのは、自国籍船の数です。
日本は、護衛された日本貿易関係全船舶
476隻のうち、日本籍船は僅か13隻しかありません。
中国籍船舶は198隻、韓国も運航会社の運航した船舶74隻中、韓国籍船は32隻を占めるのです。
ドイツでさえ、運航した船舶150隻中約1割はしっかりと自国のドイツ籍船を確保しています。
後で書きますが、
戦略無き日本の姿の一端を現す数字です。
はっきり言えば、日本が巻き込まれるような有事の際に、動いてくれる船舶が、多分、いやまず無いという事です。
勿論、日本人船員にいたっては、今や壊滅状態なのです。
これも、海賊対処法に基づく護衛開始以来、船舶の乗組員
合計50,669人中、僅か435人、全体の0.86パーセントしかいないのです。中国人船員は5756人と多いですが、韓国でも1977人の船員が乗船しています。

護衛された日本貿易関係船舶が9月、10月が特に少なかったという事ではなく、最近半年間の実績を見ても明らかです。
5月(12隻)、6月(13隻)、7月(9隻)、8月(11隻)、9月(15隻)、10月(5隻)です。
僕が嘆くのは、海賊対処の護衛艦派遣の是非ではなく、アデン湾を航行する日本関係船舶2000隻(年間)が危険に晒されているとか、護衛はEU頼みとかの論調に押され、検証も無く護衛艦と哨戒機派遣の道筋をつけることだけを急いだ日本政府の対応にあります。
護衛船舶が想定の1割にも満たなくても、現在の検証を全く行わず、外国船舶を護衛している事は国際貢献とすり替える、まさに戦略的思考なき姿が、いまのTPP交渉参加問題にも浮かび上がっていることなのです。
護衛艦派遣は日本のシーレーン防衛といわれますが、1000kmの海域を警戒する現状の海賊対処の厳しい状況からみても、いつ、どこで、どこの国から、どのような状況で長い航路を防衛するかの道筋を考えることなく、一本の線を描くだけのような安易なシーレーン防衛論にはついていけません。
海賊対処については、書くと長くなりますので、今回はこのへんにして、僅か月間10隻ほどの日本関係船舶を護衛するために、ソマリア沖までの往復50日以上の長い航海と熱暑の中、過酷にして単調な護衛任務をを繰り返す4隻の護衛艦に関係する、海上自衛官不足について追記したいと思います。

Dd111_320_3写真左上、11月4日に第9次隊より任務を引継ぎ交代した派遣海賊対処行動水上部隊10次隊の護衛艦DD-110たかなみ)

(写真左下、同、護衛艦DD-111おおなみ) 
----続く

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コメント

It is great that people can take the loans and that opens new possibilities.

投稿: Larsen29Gabriela | 2011年12月 1日 (木) 06時42分

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