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2011年2月 3日 (木)

日本にも氷河が存在?---嬉しい研究のやさしい解説記事

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Dscn5704_320 2010年8月30日の夕方、ツェルマット駅の斜め前にあるゴルナーグラード登山電車駅からゴルナーグラード展望台を目指しました。
日中はとても混雑しますが、時間帯をずらすと、登山電車はご覧のように乗客がほとんどいません。貸し切り状態です(写真左)

車窓からの眺望を楽しみながら、約30分の乗車で終点のゴルナーグラード駅に到着します。
電車を降りると、スイスNO.1の展望台といわれる圧巻の景色が目の前に広がります。
モンテローザ(4634m)やマッターホルン(4478m)そしてドーム(4545m)の山容も素晴らしいのですが、感激するのは、そうか、これが氷河なんだと圧倒的迫力を見せる幾つもの氷河です(写真上)

ヒマラヤや欧州アルプスなどの高い山や極地に近い場所に存在するこのような氷河が、日本にも現存する可能性があるとの研究を続けている研究員の方がおられます。
山好きにとってはなんとも嬉しい研究の成果を発表をしてくれたのが、立山カルデラ砂防博物館学芸員の福井幸太郎さんです。
Gozensawa

立山連峰にある御前沢雪渓(写真左)を調査した研究の成果は、2009年ごろから発表されてきましたが、昨年(2010年)の夏の実地調査により、氷河存在の確実性が高まったようです
この事は多くの報道がなされていますが、今年(2011年)2月1日の東京新聞に、学童向けにやさしく解説された記事が掲載されました。最新の情報です。

「以下、転載します」


「日本にも「氷河」が存在?」

2011年2月1日

ヒマラヤなどの高い山や極地に近いとても寒い所にしかない「氷河」。
これまで日本にはないとされてきましたが、富山県の立山連峰にある雪渓が氷河である可能性が高いことが分かりました。
確認されれば初めてとなり、日本の多様な自然をあらためて感じさせる発見となりそうです。

<調べたら>厚さは十分 動きも確認
 
 氷河は、積もった雪がその重みで押しつぶされ厚い氷となり、低い方へいつも流れている状態を指します。
流れるスピードは年間数メートルから200メートルほど。氷河と似ているものに、夏も溶けない「雪渓」や一年中残る「万年雪」がありますが、これらの氷は薄く、動きません。

 氷河である可能性が高まったのは、立山連峰にある「御前沢(ごぜんざわ)雪渓」。
立山の雄山(3,003m)、大汝山(3,015m)の東側2800~2500メートル地点にあり、氷の大きさは長さ700メートル、幅200メートル。周りは険しい崖で、簡単には近寄れません。

 立山カルデラ砂防博物館学芸員の福井幸太郎さんは2009年9月に特殊なレーダーで御前沢を調べ、これまで10メートル以下とされてきた氷の厚みが30メートルもあることを明らかにしました。
氷が流れるには十分な厚さです。裂け目に水が流れ込んでできる「ムーラン」という氷河独特の穴も多数、確認しました。

 昨年八月には、氷の十一カ所に穴をあけて長さ3メートルのポールを設置。衛星利用測位システム(GPS(ジーピーエス))を使って一カ月後にその位置を調べると、設置したポールのうち四カ所が6~30センチ下方に動いていることが分かりました。

<理由は何> 暖かくても降雪量多い
 
 地球は11万年前から1万年前まで「氷期」と呼ばれる寒い時代でした。
その証拠となるのが氷河の跡です。山腹に氷河ができると、氷によってスプーンですくったように地面がえぐられていきます。
このため氷河が溶けた後は、半円や馬てい形をした「カール」と呼ばれる特徴的なくぼ地が現れます。

 日本では欧米の地理学が取り入れられた明治時代に、北アルプスでカールが発見されました。それ以来中央、南アルプスや北海道の日高山脈でも氷河の跡が多数見つかっています。

 御前沢雪渓はカール内にあり、昭和初期や戦後にも調査されました。しかし、当時の技術では氷の正確な厚みが分からないまま「氷河ではない」とされてきました。
氷河ができるには富士山より高い4千メートル以上の高さが必要と研究者の間で考えられてきたことも影響しています。

 御前沢が氷河と認められると、おそらく世界で最も暖かい場所にある氷河になります。
3千メートル以下なのに氷河が存在できる理由は、世界でも指折りの降雪量にあります。雪渓には風上側から吹き寄せられた分も加わって冬には20メートルもの雪が積もります。この雪が押しつぶされると10メートルの氷になり、夏に溶けてしまう分を補っていると考えられます。

<役割は?> 温暖化など環境の指標
 
 アジアで現在、氷河があるのはカムチャツカ半島など緯度が高い地方とヒマラヤ山脈やチベット高原、ニューギニア島の高山など。
お隣の朝鮮半島や中国東北部にも氷河はありません。

 氷河は、雄大な景色を伴い、世界各地で観光名所になっています。
また、気候により、大きくなったり小さくなったりするため環境の指標としての役割も果たしています。ニューギニア島には20世紀の終わりに消えてしまった氷河があるほか、ヨーロッパやアフリカのケニア山などでも氷河は小さくなる一方で、地球温暖化の影響ではないかと心配されています。
御前沢雪渓も江戸時代にはもっと大きかった可能性があります。

 福井さんは御前沢のほか、立山の「内蔵助」、剱岳(富山県)の「三ノ窓」「小窓」、鹿島槍ケ岳(長野県)の「カクネ里」の四雪渓も氷河の可能性があるとみており、「狭いといわれる日本だが、変化に富み、多様な自然が残っていることを子どもたちには知ってほしい」と話しています。
(記事は小学3年生までが学習していない漢字を中心に振り仮名を付けていますが、転載では外しました)
「転載終わり」


 僕の氷河圏谷(カール)といえば、穂高の涸沢カールにつきます。
春山や夏山合宿での思い出がたくさんあり、大島亮吉さんの名文、「涸沢の岩小屋のある夜のこと」が浮かびま
す。
http://yanasegawa.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_3b77.html  「涸沢の岩小屋のある夜のこと」

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