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2011年1月22日 (土)

海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その16(12月)----消えた貨物船「IZUMI」は国交省、海上自衛隊から見放された?そして衝撃の韓国海軍の対海賊作戦(このニュースは日本で報道される?されない?)

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インド洋給油活動の時と同じように、派遣前には、あれほど大騒ぎしたマスコミが、その後の状況をまったく報じなくなった、海賊対処法によるソマリア沖派遣護衛艦の毎月の活動を書いています。(防衛省、国土交通省海事局発表資料、その他資料による)。

*平成22年12月の海賊対処法による船舶護衛実績(196回護衛~205回護衛の10回)
 護衛した船舶  日本籍船 0隻 
            日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船  17隻
                   合計17隻  1回平均1.7隻
           
                外国籍船 70隻  1回平均7.0隻

護衛回(日程)               日本籍船  日本関係外国籍船  外国籍船
(11/30-12/3)ジプチ基地にて補給、休養
196(12/ 3- 5) 東行き      0         5           7
197(12/ 5- 7) 西行き      0         1           9 
198(12/ 7- 9) 東行き      0         0           7
199(12/ 9-11) 西行き     0         2           10
(12/11-14) ジプチ基地にて補給、休養
200(12/14-17) 東行き     0         1            8  
201(12/17-18) 西行き     0         1            9
202(12/18-20) 東行き     0         1           1
203(12/20-22) 西行き     0         2            9
(12/22-26) ジプチ基地にて補給、休養
204回より第7次派遣部隊の護衛艦「104きりさめ」「103ゆうだち」に交代
204(12/26-28) 東行き     0         2            5
205(12/28-30) 西行き     0         2            5

合計                        0                17                    70

12月も海上自衛隊の護衛艦2隻により護衛された日本籍船は0隻、日本関係外国籍船(我が国の運航事業者が運航する外国籍船)も少なく17隻のみでした。

一昨年、平成21年の7月28日の海賊対処法による護衛活動以前の海上警備行動では、護衛の対象にならなかった外国船籍は70隻と、日本関係船舶の4倍の護衛数です。

外国籍船とは、中国を筆頭に、ドイツ、シンガポール、デンマーク、ギリシャ、トルコ、インド、韓国などの船舶運航会社が運航している船舶で、タンカーが日本の2倍、一般貨物船では10倍にもなり、それらは中国の輸出入関連の船舶が多いのです。

ちなみに、日本籍船がほとんど無いのは、何度も書いていますが、日本の大手海運会社が節税、経費節減の極端な経営方針により、所有船舶を税金や経費の安いパナマ船籍にしてしまったからです。
自国の海外航海用の船舶のほぼ100パーセントを外国籍にした国は、日本以外にはありません。
日本は食糧自給率にも現れていますが、何事にも極端に走りやすい注意すべき国なのです。

正確な統計ではありませんが、ちなみに海上自衛隊の護衛船団に加わっている船舶を見てみましょう。
参加の最も多い中国は国の体制にもよるでしょうが、ほぼ100パーセント自国籍船です。
ドイツは、非常時などを考慮した国策により、自国の国旗掲揚船を20パーセント以上保有していますので、昨年7月からの護衛船団参加でみてもドイツ運航会社船舶の10パーセントはドイツ国籍船です。

シンガポールは58パーセント、韓国でも43パーセントは自国籍船です。
これをみても、ほとんど日本籍船の存在しない異常さが分かると思います。
日本籍船と日本人船員が激減していった背景、要員について、日本の大手海運会社と日本政府がどのような対応をしてきたのかを検証する必要性は、長い間求めれらてきたのに、政府はそれに答えようとはしませんでした。

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(写真左上、第7次派遣部隊の護衛艦103ゆうだち)

(写真左下、同じく護衛艦104あさぎり)

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日本籍船について書いてきましたが、海賊に拉致されたと報じられている日之出郵船の貨物船「IZUMI」(正確にはRO/ROランプウェイ装備多目的重量物船)も便宜置籍船と呼ばれる擬似日本船です。
この船については、その不可解な拉致後の状況について、このブログでも何度も取り上げました。

平成22年10月20日 消えたニュース--海賊に拉致された?貨物船「IZUMI] http://yanasegawa.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/----25f0.html

平成22年11月6日 消えた貨物船「IZUMI]はなぜ報道されないのか?日之出郵船の対応は http://yanasegawa.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/izumi-----31c1.html

平成22年11月9日 「IZUMI」の消息がわかる--奪った日本船で海賊が船舶襲撃と共同通信が配信 http://yanasegawa.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/izumi-----5cbf.html

平成22年11月25日消えた二つのニュース--海賊に拉致された貨物船「IZUMI」 http://yanasegawa.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/----e2d9.html

これらで取り上げてきましたように、拉致されたとされる貨物船「IZUMI」については、昨年(平成22年)10月12日に、馬渕澄夫国土交通相が「非常に緊張した思いで推移を見守っている」と述べた経緯があるのですが、それ以後、国は「IZUMI]の拉致には不可思議とも覚えるほど、何の対応も、情報発信もしないのです。

今年になっても、時折新聞、テレビなどで報道されるのは、日本の貨物船「IZUMI」が拉致されているといった海賊脅威の広報的な取り上げ方で、日本政府の対応など何も知らされません。
実際には、何の対応もしていないのではないかと勘ぐっています。

それが証拠には、海賊対処法で派遣されている護衛艦が全くといってよいほど何の行動も起こしていません。
IZUMIの拉致報道の後も、いったい海上自衛隊はどんな対処を見せるのかと見守っていたのですが、ただ、2隻の護衛艦が前後を守った形の船団を作り、ジプチ基地と1200.km離れた海域へのピストン護衛を繰り返しているだけです。
あまりのことに、IZUMIは本当に拉致されているのだろうかと疑った事もありました。

国土交通省、防衛省、海上自衛隊、海上保安庁も、この拉致に関する情報発信は一切ありません。
船舶運航会社である日之出郵船、その親会社日本郵船が事件発生直後に
「海賊に拉致されたようだ」との発表をしたきりで、その後の状況を何も伝えないなどといったことがあり得るのでしょうか。
事件後の「日本郵船ニュース」で、「なお、今後詳細情報を入手次第ご連絡いたします」書いて、問い合わせ担当まで知らせたのです。
せめてホームページに、その後調査中くらいの更新はしても良いのではないかと思います。担当窓口には、その後の情報についてメールで問い合わせましたが、返信はありませんでした。

いくら日本人乗組員が乗船していない船だからといって、日本の海運のために従事してくれる外国人船員たちをどう思っているのでしょうか。

共同通信、産経新聞などが、ソマリアの海賊が、10月にケニア・モンバサ沖で乗っ取った東京の日之出郵船運航の貨物船「IZUMI」を、ほかの船舶への襲撃に使っていることが分かった。ソマリア近海で海賊対策を行っている欧州連合(EU)部隊が8日、共同通信に明らかにした。」
同じように、数日前のNHKテレビの夜7時のニュースでも「IZUMI」がEU部隊からの情報として、海賊への補給船として使われているなどといったニュースを流していましたが、僕の調べる限り海賊対処EU艦隊のホームページからは、「IZUMI」に関するいかなる情報も得る事が出来ません。

たとえ日之出郵船側(船主はフェア フィールドシッピング)が高額の身代金を要求され、難しい対応を迫られて、今も微妙な状況におかれているとしても、これらの事はあまりにも理解できない状況だと言わざるを得ません。
果たして「IZUMI]の真実はどこにあるのでしょうか?。今後も追い続けていきます。

そんななか、今日驚くべきニュースが飛び込んできました

「完成近いジプチ基地の事や、想定の10%の実績しかあげていない日本関係船舶の護衛の実績などを、あまり国民に知らせたくない政府が(国交省、防衛省)、はたしてこの報道をメディアが流すでしょうか。」

「アデン湾黎明」作戦…清海部隊が人質全員を救出
中央日報日本語版 1月22日(土)9時30分配信

 
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船員救出の瞬間[国防部提供] (写真転載できず)

韓国海軍所属の清海部隊が21日未明、アデン湾の公海上でソマリアの海賊に乗っ取られた三湖(サムホ)ジュエリー号(1万1000トン級)と韓国人8人を含む船員21人を軍事作戦で救出した。

合同参謀本部は「この日午前4時58分(日本時間、午前9時58分)から作戦名‘アデン湾黎明’を電撃的に断行、4時間58分で21人の船員を全員救出し、海賊13人を制圧した」と明らかにした。

この過程でソク・ヘギュン船長(57)が銃で負傷したが、命に別状はないと合同参謀は明らかにした。
韓国軍が公海上で軍事作戦を行ったのは今回が初めて。
韓国の船が行き来する公海上の海上交通路(sea lane)を韓国の海軍力で守ったという点で意味が大きい。

清海部隊の特殊戦旅団(UDT/SEAL)作戦チームはこの日、艦砲射撃とリンクスヘリコプターの援護射撃のもと、三湖ジュエリー号を奇襲し、5分間で船橋を掌握した後、海賊8人を射殺し、5人を捕まえた

李明博(イ・ミョンバク)大統領は談話で「誇らしい清海部隊がついにやり遂げた」とし「大韓民国国民の安全と生命を脅かすいかなる行為も容認しない」と強調した。

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「さて、日本の拉致貨物船「IZUMI」への日本政府の対応とも比べられることは必然で、なんと捉えたらよいのか頭の整理がつかないこの驚くべき展開を見せたニュースに関して、もう少し情報を収集してから、書き続けたいと思いますので、時間をいただきます。
韓国では大きく報道され、国民が大きな関心をもって見守ったようで、今後ますますフィーバーしそうな雰囲気となりました。
今のところ、韓国人船長の沈着冷静な行動が賞賛され、韓国中が喜びにあふれているようですが、韓国政府と軍の取った強行策に、賛否両論が出る事でしょう。ただ、日本のマスコミが、この事件を報道するかについては、先に書いたような事情がありますので、ちょっと疑問視しています。」
今日はここまで---

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