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2011年1月19日 (水)

COSMOS(JR東日本)のトラブルとウイルス「スタックスネット」

 昨日(2011年1月17日)の朝8時23分頃から、JR東日本の新幹線運行を管理するシステム、COSMOSに障害が発生し、東北、上越、長野、山形、秋田の各新幹線の全線で一時運転を見合わせた為、約5万3千人の乗客に影響が出た事が報じられました。

 障害が発生したCOSMOSは、JR東日本が新幹線の運行管理から、保守作業までを統括するシステムです。(システム作成はジェイアール東日本情報システムと日立製作所の共同開発です。)
 障害は、新幹線運行本部総合司令室のダイヤ管理の一部列車ダイヤを画面に表示する部分に不具合を生じ(JR東日本発表)、安全のため全ての新幹線を全て止め、しばらくして画面表示が正常に戻り、システムが正常に動いている事も確認できたので、全線の運転が再開されました。

 JR東日本発表した画面の不具合とは、このシステムの22台あるモニター画面の全てで、表示の一部が点滅した、あるいは画面表示が出たり出なかったりしたなどとの情報がありますが、自然に復旧したので、その障害原因は不明との事です。

 今回のトラブルに、JR東電気ネットワーク部の入夏(いりなつ)仁美次長は「表示がついたり消えたり……。我々も初めて見る現象」と語っています。

しかし、システムの一部、あるいは全体が作動しないとか、明らかに故障と分かるトラブルが発生したなら、原因追及と修復、またはシステムの更新などが短時間で出来る可能性があるでしょうが、伝えられるようなコンピューター画面の表示の不具合などが起こり、それがいつの間にか復旧するなどという、巷でわれわれが使用しているWindows使用のパソコンで起こりそうな現象は、かえってどこを、どういじって良いものか、保守に当たる熟練のシステムエンジニアーといえども難しいのではないかと同情してしまいます。
しいて考えるなら、12月に開通した東北新幹線の新青森駅開通によるシステム更新が原因などかと考えてしますのですが、たんなる画面の不具合とはどうも結びつきそうもありません。

と、ここまで書いていたら、JR東日本から今回のシステムトラブルについて次のような原因であったと発表されました。
実はこの不具合を別の視点から考察して書いてみようと思っていたので、この以外に早いトラブル原因の判明と発表にちょっと驚いた次第です。別の視点は、全くの外れということになりますが。

「JR東日本の五つの新幹線で17日に起きた運行トラブルの原因について、同社は18日、運行データの変更を行った際、変更した数がシステムの容量を超えたためと発表した。
JRによると、17日午前7時に新白河駅、7時43分に福島駅でポイント故障が発生。このため8時ごろから、列車が駅と駅の間で止まらないように、新幹線の運行を一元的に管理しているシステム「COSMOS」(コスモス)で、計24本の列車に対し駅で止まるよう指示を出した。
その指示が多すぎたため、一時的に容量をオーバーし、午前8時23分にコンピューターの画面表示が消えた。」

なんだ、そんなに簡単なシステム運用ミス、いやシステムの作成側と運用側との認識ミスだったかと思う反面、これがトラブルの本当の原因なのかなという思いもあります。
国土交通省からは強くお叱りを受けるし、原因不明のまま放置出来ない状況でもありますから。
もし、この原因が本当のことであれば、本来発表するのも恥ずかしいような、それほど、このトラブル原因はお粗末過ぎる結末です。今後どうすればよいかは明白で、運営組織全体が官僚組織のような硬直化したものでないならば、担当部署に数人の優秀な人材を補強する事で解決できる問題かと思います。

実はコンピュータシステムの障害に関連する、と言っても全く別次元のような話で、COSMOSとは関係ないのですが、同じ昨日の東京新聞朝刊、「イラン核施設のウイルス 米・イスラエル開発か」との見出しで次のような記事が掲載されました。
以下、記事転載

「ニューヨーク=加藤美喜」
イランのウラン濃縮施設のコンピュータに感染し、同国の核開発を二、三年遅らせたとみられるウイルス「スタックスネット」について、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は十五日、米国とイスラエルが共同開発した可能性が極めて高いと報じた。
複数の情報、軍事専門家の話としている。
同紙によると、イスラエルはネゲブ砂漠の厳重に警備された核施設に、イラン中部ナタンズのウラン濃縮施設と同じ遠心分離機を設置。
米国と共同で二年以上にわたり、
スタックスネットの効果をテストしてきた。
このウイルスに感染すると、
遠心分離機は制御不能となるが、表面上は正常に作動しているように見えるという

米国の核情報専門家は「ウイルスを開発するには機械のことを知らなければならない。スタックスネットが効果的だったのはイスラエルがテストしたためだ」と指摘している。
ナタンズのウラン濃縮施設のコンピュータシステムを妨害する計画は、米国のブッシュ前大統領が退任直前に承認し、オバマ大統領が計画を加速したという。
イスラエル対外特務機関のダガン前長官は今月六日、イランの核開発は遅れており、核爆弾の保有は二〇一五年以降になると発言、クリントン米国務長官も十日、「イランは技術的な問題を抱えているため、核兵器開発のスケジュールが遅れている」と認めていた。
 
以上、転載終わり

 この「スタックスネット」なるウイルスは、我々の使用するパソコンがインターネット接続で感染させられるコンピューターウイルスなどとは全くの別物の、途方もない強力な性能を持つものだそうです。
国家レベルの体勢で、莫大な経費と労力を費やして開発されたと思われ、外部と遮断されているコンピューターシステムに侵入する方法としてUSB経由で感染させるとの事です。
ウイルスは極めて大規模で巧妙かつ暗号化されており正体がつかめない代物です。
目的が、核開発、原子力発電所、航空管制、交通管制、通信システムの制御を不能にするために開発された攻撃兵器のようなウイルスです。
昨年あたりから、話題になっていましたが、米国の一流紙が記事にするのは始めてではないでしょうか。
僕は他国のコンピューターシステムに、国家レベルでこんな妨害工作が許されるものだろうかというのが、正直な感想です。
当然、イラン側からの報復のサイバー攻撃が考えられるし、それがイスラエルや米国の国防システムだけならまだしも、民間の交通、通信システムへの攻撃であれば、世界中の市民生活に大きな影響と危険さえももたらすでしょう。
ちょっとした画面表示のトラブルでさえ、あれほど乗客に影響がでる日本の新幹線の運行システムなどが、手痛いダメージを受ける事など、考えただけでも恐ろしい事態です。

日本ではCOSMOSのシステム修復に徹夜で頑張るシステムエンジニア(追記:どうも今回は徹夜で頑張る必要もなかったようですが)がおり、片や核開発のシステムを制御不能にするべく、闇の裏世界で日夜努力する、さぞや優秀であろうエンジニア達。
コンピューターシステムに関する考えさせられる新聞報道が同じ日に重なりましたので、頭の整理にまとめてみました。

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