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2010年12月25日 (土)

「これで我家の地震注意報は解除---父島沖でM7.4発生」その2

22日(水)「これで我家の地震注意報は解除---父島沖でM7.4発生」の続き(地震予知研究にも触れて)

 多くの方が研究していながら、本来の地震学による研究から外れていると非主流扱いされている、「力学的手法に頼らない地震予知研究」についてを語ることはよしとしても、それを地震予知と結びつけて、ブログなどに書いて広く知らせることは問題もありますので詳しくは書きません。
あくまで、宏観異常現象などの地震予知研究に興味ある本人が、判断に幅のありすぎる現象をどう捉えて、そのデーターをどう活用するか、自分なりの地震予知を考察して、それを自身の地震対策に結びつければよい事だと考えています。

国が地震予知研究計画を策定したのは、もう45年も前の1965年です。以後今日まで、約三千数百億の税金を投入して予知研究に当たってきました。
その予算のほとんどは、危険が迫っているとされる東海地震を想定して、地震の発生する仕組みを、地殻の破壊を視点に、それを力学的に解明する基礎研究に費やされてきました。
観測網の整備や長期的な地震活動の解明などに実績は認められるのですが、その莫大な税金の使途や研究状況などはほとんど知らされずに、いや、知らせる努力をせずに、力学的な解明こそ地震学の王道として研究する事のみの姿勢に終始した感があります。
地震活動は、地殻の破壊で起こる力学現象であり、その活動度や地殻変動、そして位地、深度などを考慮して設置した歪計のデーターの精密観測から予測するしかないというのが、地震予知の基本的概念とされてきたのです。

 本来、地震予知とは、新潟地震などの被害を教訓として、来るべき大地震に備えて、それをいかに予測して解明する、そして短期予知に結びつけるかが問われたと思うのです。
しかし「地震予知」そのものをどう解釈して、どう捉えるか、研究の成果を長期的予報と短期的予報にどう活かすのかなどの論議に至る前に、国の公的機関は地震予知は学問的に解明の段階にはないとして、短期予知を含む実用的な公的予知は放棄されてしまいました。

しいて短期的予知につながるものとして、東海地方で発生が予測されるM8級の巨大地震には、精密な観測網の設置によるデーターの異常から、予知の3要素(規模、場所、時刻)には届かなくとも、なんらかの前兆は捉えられる確信は持つに至ったようです。
これは、あくまで観測網が整備された東海地方の巨大地震に対してであり、それ以外の地域で発生する地震には当てはまりません。想定される東海地震よりも、首都圏に大きな被害をもたらす地震に警告を発している研究者もいます。
ましてや、阪神大震災や中越地震のような直下型地震に対する予知は、不可能といわれています。

それに対して、ここ15年ほどの間で、地震解明の基礎的な力学的手法に頼らずに、地震の前に発生ないし知覚される異常現象を捉えて地震発生の短期的予知を試みる研究が多く知られるようになりました。
実際には、それ以前、いや随分昔から行われてきた事なのですが、パソコン使用によるインターネットの普及で、さまざまな現象を捉える研究の成果の発表が飛躍的に増えてきたのです。
観測機器も入手しやすくなり、高性能のパソコンがデーター整理、発表に威力を発揮しています。

それらの力学的な手法に頼らない異常現象について書き始めると、とても長くなりますので、後日に譲るとして、22日の「これで我家の地震注意報は解除---父島沖でM7.4発生」に書いた地震予知関連の観測異常と、該当地震の合致については、勿論公的な地震予知ではなく、学問的には非主流扱いされる「力学的な手法に頼らない」分野の研究によるものです。

今でこそ「火山活動」が地震活動と関係することは周知されていますが、つい20年前には、地震研究者には否定的な見解をもたれていたのです。
このあたりの事は、1987年に発行された当時琉球大学助教授(現琉球大学名誉教授)だった木村政昭氏がその著書「日本列島が危ない」で述べられています。
 以下その一部転載

「地震予知と噴火予知が切り離されている日本」より
日本では地震予知と火山の噴火予知を区別して、それぞれ地震予知連絡会と火山噴火予知連絡会の二つの団体に分かれている。
噴火と地震とは別物と割り切っているようにみえる。
それぞれが、独自に地震なら地震だけ、噴火なら噴火だけを研究していれば良いという考え方が基本線なのだろう。
わが国の場合、これまで火山の噴火は化学現象と考えられてきた傾向がある。
マグマの化学変化で」見ようという発想だ。
こうしたことから、私が唱えているように、地殻の応力が加わって噴火するとすることは
重要と思われていないようである。噴火予知に関して、基本的な発想の違いがあるようだ。
また、噴火と同じように、
「構造地震は火山と関係ない」と多くの研究者が決めつけている。
火山に関係する地震は噴火の振動だけで、プレートどうしがこすれあったりして発生する構造地震は火山との因果関係はないとしている。
つまり、噴火を研究している人は地震といえば火山性地震のことであり、地震を研究している人は構造地震は火山活動とは関係がないという考えかたが強いのだ。
そこに、私がプレートテクトニクス理論を導入した独自の予知方法を展開した。しかし、噴火も地震も、地殻の応力によって引き起こされ、その原理によって地震が予知されるとする私の理論は、従来の研究者にはなかなか理解してもらえなかったのである。

 以上、転載終わり

同じように現在でも、月齢、電磁波、ラドン観測、大気イオン、地電流、植物生体観測などの「力学的手法に頼らない観測」には、原因や地震との関係は証明されていないと、地震学者からは否定的な見解が多いのです。
しかし、科学として認められる途上の未科学であっても、地震予知に貢献し、地震被害を減ずることが出来ればと、個人であるいは組織で日夜研究に取り組んでいる人達も多く、論文の発表や、研究会の開催なども頻繁に行われるようになり、徐々に実績も上がっている分野もあります。
また、出来る限りのデーター集積で仮説を証明する努力を続ける事を表明している研究グループもあります。

しかし、「地震が地殻の破壊で起こる力学現象である以上、予知も力学的な従来の手法で取り組むのが正攻法。地震の位置と規模については一定の成果も出ている」
「充分な科学的検証を経ない予知は、社会の見方を間違った方向に持っていく危険がある」---山岡耕春東京大学教授---
のような意見が、現在の地震学者に共通した認識だろうと思います。

未科学分野での地震研究が負の影響を与える事を危惧する論調のなかで、ここまで敵視するのかと驚かされたのが今から3年ほど前の2007年当時のフリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」「宏観異常現象」項目です。大学系のエリート意識を持つ若い地震学者が書いたと思われます。はっきり云って、ひどい論旨です。

一部ですが、以下に転載します。

宏観異常現象「概要」
地質学現象としては(主に大規模な有感地震などの前後に)地鳴りや地下水・温泉の水位変動などとして現れる事が知られている。
また生物的現象としては「ナマズが騒ぐと地震が起きる」といったことわざが伝えられている。
 「ナマズが地震を起こす」となると単なる迷信であるが、地震の前に動物などが騒いだり奇妙な行動を取るなどとされる言い伝えには、例えば微振動や地鳴り、低周波の振動などを敏感な動物が感知して騒ぐといった機序も、可能性としては考えることができる。
あるいは地電流の」異常やそれに伴う地磁気の変動なども観測されうるといった主張もある。
ただし、これらの仮説や主張の妥当性や、「地震予知」の根拠・方法として実際に役立てられる可能性などについては、いずれも全く別の問題である。
また、これらの現象と有感地震との因果関係についても今なお定説として論じられる状況にはなく、少なくとも自然科学の世界において学術的な合意を得られる段階には無い。

本来これらは民俗学や広義の社会科学(人文科学)における伝承や迷信として分類されるものであり、これらの原則を逸脱して感覚的に論じることは厳しく戒められなければならない。
宏観異常を論じる際には、これらの多くには何らの科学的な根拠や裏づけ、信頼性などが認められている訳でないという点を、まず理解しておく必要がある。

「宏観異常現象をとりまく諸問題」
宏観異常現象とされる主張の中には、科学の版図に組み込まれていないものの、その周辺分野(周辺科学や未科学などと呼ばれる領域)として実際に研究が行われているものも存在する。
ただし、未科学(プロトサイエンス)と、擬似科学やオカルトまがいの「研究」の違いを、それらの知見を持たない者が区別するには一般的に困難であるため、そこに漬け込んだ様々な主張や活動が営利・非営利を問わず実際に多く行われている点は、憂慮してなお余りある。

例えば、東海大学地震予知研究センターでは「ナマズの行動と刺激要素に関する研究」を行っている。
また最近では、FM波の異常伝播などといった、(擬似科学やオカルトの「業界」では)比較的目新しい説も存在する。
これらの研究に対し、詳細な観測・研究により証明がなされれば地震予知の一助となる可能性もあり今後の展開が望まれる、などと主張する声も少なくないが、少なくともこれらの研究の「周囲で主張を行う人々」はほぼ例外なく基礎的な科学的知見すら持ち得ておらず、彼らの主張や擁護には何らの根拠や説得力も持たないという事実には、十分に留意する必要がある。

中には、地震雲のように、因果関係や機序の説明もデタラメなものまでが広義の宏観異常現象に含まれるとする主張・解釈もあり、これら宏観異常とされる現象の出現様式と検出に定量性や再現性を要求することは困難であるなど、科学的検証以前に統計としての信頼性は低く、少なくとも自然科学の俎上で論じられる段階には無いと言わざるを得ない。

反面、これらの俗説や主張は昔から広く民間に知られている面があり、口コミやマスコミ、インターネット上の掲示板やホームページ、ブログ等で無責任に取り扱われ、(再)流布することも少なくない。

以下、「宏観異常現象とされるもの」として個々の項目について説明し、そのほとんど全てに否定的見解を書き、とくに「電磁波」については次のように書いています。

また、電磁波が発生する機序や仮説そのモデルなども諸説入り乱れており、いずれも定説を導ける段階には程遠い。
しかしながら、地震の種類、震源地点(地点といっても広域なわけだが)の地質差などがある中で仮に一つしか定説がないとなるとそれはそれで不自然でもある。
科学的な物としてなんら証明されていない現在においては、すべては読み手や考える者の固定観念の上に成り立つものである。

気象学という歴とした学問があり、スーパーコンピューターという人類の英知を駆使しても、明日の天気予報もろくに当たらないのに、非常に大規模で、様々な分野にクロスオーバーしており、しかも人間にとって不可視の事象について証明することは到底大それた事でもあることは言うまでもない。

観測の対象も、地電流を測定するギリシャのVAN法、「東海アマチュア無線地震予知研究会」のアマチュア無線の周波数帯監視、また「八ヶ岳南麓天文台」の串田嘉男などによる方法では、既存のFM放送の電波を用いて電離層の変節を観測しているなど、その手法や観測対象もまちまちであり、定見や定説といったものには程遠く、占いやまじないの域を脱する段階には無い

以上、転載終わり

読んでいて胸くそが悪くなります。
何たる傲慢さ。自分たちの力学的手法で取り組む研究だけが真実そのものであり、それ以外の研究には批判と蔑視しか持ち合わせない狭量な精神。

これを読んだ時、3千億円以上の莫大な経費を使いながら、予知に成功した事が皆無であり、予知そのものに白旗をあげた政府機関や研究者達よりも、経費も人員もかけられないなかで、研究を続ける非主流の人達を応援する気持ちがそれまで以上に大きくなったのです。
僕は、宏観異常現象の解明から地震直前予知の手がかりを掴もうとしている人達を支持します。
そんななかで、科学では分からない「未科学」の部分を解き明かそうとしている「関西サイエンス・フォーラム」などの活動が始まったのは、嬉しいことです。
こういった、組織的取り組みなどについても、後日続編をまた書きます。
今日は長くなりましたので、書きたい事は沢山あるのですが、ここまでとします。


   

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コメント

地震予知関連予算は、東海地震利権とも云われて、かなりあやしげな闇の部分がありますよ。先生たちは、地震閥学者め、予算の無駄遣いばかりして、少しはこちらの研究にまわせとやっかんでいます。

投稿: sinzirou | 2010年12月27日 (月) 03時55分

>sinzirouさま
地震研究の予算は大事ですが、その10分の1でも、未科学といわれる分野の地震研究に当ててくれたらとおもいます。
総合的なセンターでも設立されたら素晴らしいですね。それと国は火山研究にも目を向けて欲しいと思います。

投稿: Souroku | 2010年12月30日 (木) 00時16分

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