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2010年12月15日 (水)

海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その15(11月)----求められる船舶自己防衛

Water

柳瀬川通信:報道部 担当作山記者
インド洋給油活動の時と同じように、派遣前には、あれほど大騒ぎしたマスコミが、こんな筈ではと思わせる護衛船舶数のあまりの少なさに、その後の状況をまったく報じなくなった、海賊対処法によるソマリア沖派遣護衛艦の毎月の活動を書いています。(防衛省、国土交通省海事局発表資料、その他資料による)。
   

*平成22年11月の海賊対処法による船舶護衛実績(188回護衛~195回護衛の8回)
 護衛した船舶 日本籍船 0隻 
           日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船  13隻
                   合計13隻  1回平均1.6隻
           
               外国籍船 60隻  1回平均7.5隻

護衛回 日本籍船 日本関係外国籍船 外国籍船
188     0       2           4
189     0       2          10 
190     0       3           9
191     0       3           9
192     0       0            5  
193     0       0           12
194     0       1           7
195     0       2            4
合計     0              13                        60

 11月も海上自衛隊の護衛艦2隻により護衛された日本関係船舶は13隻のみでした。
ジプチ沖のA点より約900kmを東航してB点に至り、反転してまたA点に戻るまでを護衛1往復といいます。
それを繰り返しているのですが、その間、補給や自衛官の休養のためにジプチ港に戻る事もあります。このジプチには現在、自衛隊初の海外基地が建設中です。

 10月末にジプチに戻り、11月では1往復した189回の後、それから2往復して193回の後、また1往復して195回の後と、活動報告から算定してみると約10日ぐらい毎にジプチに戻っているようです。
護衛艦は1隻ずつの護衛でローテーションを組んでいるのではなく、海上自衛隊の場合は常に2隻の護衛艦が船団の前後につく方式なので、護衛艦がジプチに戻っている間は、護衛船団は形成されないのです。

 このあたりの、集合地点に集まる日程上の問題から護衛船団に加わらない船舶も有るようです。
それにしても1ヶ月4往復の護衛で、日本関係の海上輸送船舶がわずか13隻というのは、少なすぎます。
ソマリア沖の船舶護衛を、いつまで継続するのか、全く見通しが立たない状況ですが、欧米の海軍からは、多額の経費負担に耐えかねて、商船の自己防衛を求める声もあがっています。

日本もソマリア沖3日間の船舶護衛に、1隻あたり8000万以上の護衛経費が必要とされています。
今後、ソマリア沖で護衛すべき日本関係船舶数の把握、護衛艦のローテーション、P3C哨戒機の活動状況などを総合的に再検証して、海上輸送路の安全問題を考えなおす必要があるでしょう。

写真は、海賊対処活動に従事するEU艦隊が啓蒙する商船の自己防御対策の例です。
海賊から逃れる方法として危険海域の24時間体制の監視、襲われたら高速でジグザグに操船するなどと共に、電流有刺鉄線や、高圧シャワーを装備する事により、海賊被害から逃れられると教えています。

今年の7月にホルムズ海峡で、爆発事故があった商船三井の大型タンカー「エム・スター」や、10月に海賊に拉致されたと伝えられた日之出郵船の貨物船「IZUMI」などの写真を見ると、こういった防御装備を見つけることが出来ません。
海賊が、港で係留中とか、まして海中から襲う事などありえない話で、必ず海上から小型船で襲ってくることがはっきりしている以上、もはや仮設的な設備でなく、船体構造と一体化した対海賊襲撃撃退用の設備を設置することを義務付ける事も考えてよいのではないでしょうか。
「日本船主協会」に物申します。
自らが税金逃れにあの手この手と策を練るくせに、多額の国税を使う事になる「国に対して護衛体制の強化要請」ばかりするのではなく、協会としての船舶の自己責任、自己防衛への対応も急務でしょう。大手船会社の船舶1隻に、年間数億円(データー準備中)もの税金が使われている事が、国民にはあまり知らされていないのですから。

もっと、はっきり言えば、これは「なさけの女」東京国税局査察部 松平松子さんの受け売りですが、「税金を払わない船は、ソマリア沖防衛海域を走るな!」
Image1

(写真いちばん上、船体からのシャワー放水で海賊が船に近づき難くする)

(写真左1枚目、電流有刺鉄線施設作業)

(写真左2枚目、船体を囲むように設けられた電流有刺鉄線装備)

(写真左3枚目、同じく電流有刺鉄線)

(写真左4枚目、5枚目、高圧シャワー設備) 写真は全て、海賊対処EU艦隊ホームImage2ページよりコピーしました。

Image3

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Image6

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