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2010年11月14日 (日)

海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その14(10月)---中国籍船の減少

インド洋給油活動の時と同じように、派遣前には、あれほど大騒ぎしたマスコミが、その後まったく報じなくなった、海賊対処法によるソマリア沖派遣護衛艦の毎月の活動を書いています。(防衛省、国土交通省海事局発表資料、その他資料による)。
   

*平成22年10月の海賊対処法による船舶護衛実績(180回護衛~187回護衛の8回)
 護衛した船舶 日本籍船 0隻 
           日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船  12隻
                   合計12隻  1回平均1.5隻
           
               外国籍船 64隻  1回平均8隻

護衛回 日本籍船 日本関係外国籍船 外国籍船
180     0       1           6
181     0       6           6
182     0       1           9
183     0       1           9
184     0       0           11
185     0       2           4
186     0       0           8
187     0       1           11
合計     0              12                        64

10月に護衛された日本関係船舶は僅か12隻しかありませんでした。
これは昨年(平成21年)の7月28日より始まった海賊対処法に基づく護衛活動開始以来、1ヶ月でもっとも少ない護衛数です。
何度も書いているので、またかと思われる方も少なくないと思いますが、海賊対処のために護衛艦派遣が論議され、派遣の前提となった護衛すべき日本関係船舶は1ヶ月約170隻と想定されていたのです。
それゆえ護衛艦2隻では対処しきれないとの判断から、護衛活動を補完するためにP3C哨戒機も派遣する事になった経過があります。
(派遣開始時、自民党議員から2隻では駄目だ、4隻必要との発言や、韓国からの護衛協力要請を、日本関係船舶だけで、手一杯だと断ったことなどがありました。もちろん現在は護衛している外国籍船に韓国関係船舶も加わっています)

しかし、日本関係の護衛船舶数が想定の2割にも満たない状況とは裏腹に、いまや航空自衛隊、陸上自衛隊、海上自衛隊が駐留するジプチには、42億円をかけて、防衛省で言う活動拠点、陸上自衛隊で言えば宿営地なる施設が建設中です。

 防衛省によると、「事務所及び駐機場の設置」、「大型倉庫」という名の格納庫、「航空機を離着陸させるのに必要な施設」と「必要な附帯設備」などとなっていますが、素直に読み解けば自衛隊初の海外基地が正解でしょう。
事実、海上自衛隊の関係者は建設中の建物群がかなり恒久的な立派な施設である事、隊員の行動状況からジプチ政府との地位協定などの話の中で、なんのこだわりも無くジプチ基地の名称を使っていました。

*参考資料
 自衛隊は現在、ジブチ国際空港隣の米軍基地の一部を使用していますが、米軍の要請、協力もありジプチ共和国政府と賃貸契約を結び、
(賃貸料、賃貸期限については、柳瀬川通信:報道部が調査中)今年(2010年)7月以降、空港北西地区に下記施設を建設しています。
  借用敷地面積 約12ヘクタール(東京ドーム46,755㎡の2.6倍程度)
  建設建物 宿舎、格納庫、事務所など24棟 (プレハブ造、一部は鉄骨またはコンクリートブロック造)(ほとんど1階建てで、電源棟などが一部2階建て)
  *宿舎7棟(収容人員約280人)
  *整備格納庫1棟(収容機1機)
  *食堂等厚生施設2棟
  *事務所2棟
  *電源室等の関連施設12棟
  *駐機場(収容機3機)
  施設完成予定 2011年3月末

ジプチについては、書き始めると長くなるので、基地を共用するフランス軍、米軍などの事情や、日本政府との地位協定などを、後日書いてみたいと思います。
しかし、ひとたび海外に自衛隊基地ができれば、なし崩し的に航空自衛隊の輸送機も飛ぶようになるだろうし、海上自衛隊は、護衛艦以外に何らかの理由をつけて、補給艦を常駐させる意向をみせると思われます。

 海賊対処活動において、護衛船団の航路を東方へ200km延長した決定や、NATO軍から給油艦の派遣要請があったとの報道などは、海上自衛隊の補給艦の派遣実施の伏線のような感もするのです。
もっとうがった見方をすると、商船三井の大型タンカー爆発事故、日之出郵船の貨物船拉致報道なども何らかの意図が隠されているのではないかと疑っています。

ところで、10月に護衛された外国籍船で、いつも最も多い中国籍の船舶数が、例月と比較して非常に少なくなっているのは、9月にもその傾向がありましたので、尖閣諸島問題との関連、すなわち日本の護衛船団に加わるのは問題ありの判断があったと思われます。
もちろん中国の船舶運航事業者が運航している船舶が減じても、中国貿易関連の船舶が少なくなることではなく、10月に護衛された外国籍船64隻の半数以上は中国関連輸送船舶とみて良いでしょう。
この問題、来月も様子を見ましょう。
Eukyuyu_320

(写真上、海賊対処活動における、風の強い海上でのEU艦隊のドイツ海軍給油艦 FGS RHOEN 「A1443」からイタリア海軍フリゲート艦 LIBECCIO「F572」への海上給油)

(写真下、同じく、中国の補給艦 微山湖「887」からミサイル駆逐艦 海口「171」への海上給油。短時間で作業を終了とある。)

Politi1_320

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コメント

ジプチ基地に関するジプチ共和国と日本政府との地位協定は、外務省のHPから読むことが可能です。米国との地位協定で、沖縄県民がどれほど苦しんでいるか身をもって体験している国が、それ以上に自国に有利な、逆にいえばジプチ国民にとって許しがたい地位協定を押し付ける愚を平気で行う事が出来ることに戦慄します。ジプチ政府高官への裏工作に、どれほどの金が使われたのでしょうか。

投稿: gensan | 2010年11月14日 (日) 13時34分

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