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2010年10月 9日 (土)

海賊対処法によるソマリア沖船舶護衛その13(9月)---大型タンカー損傷と、その原因仮説

 インド洋給油活動の時と同じように、派遣前には、あれほど大騒ぎしたマスコミが、その後まったく報じなくなった、海賊対処法によるソマリア沖派遣護衛艦の毎月の活動を書いています。(防衛省、国土交通省海事局発表資料、その他資料による)。
   

*平成22年9月の海賊対処法による船舶護衛実績(170回護衛~179回護衛の10回)
 護衛した船舶 日本籍船 0隻 
           日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船  13隻
                   合計13隻  1回平均1.3隻
           
               外国籍船 75隻  1回平均7.5隻

 護衛回 日本籍船 日本関係外国籍船 外国籍船
 170     0       4           8
 171     0       1           6
 172     0       0           7
 173     0       1           5
 174     0       1           11
 175     0       3           4
 176     0       1           8
 177     0       0           8
 178     0       1           8 
 179     0       1           10  
  合計               13                       75

 9月も日本関係船舶の護衛数は僅か13隻であり、最近の護衛船団1航海あたりの護衛船舶数は、平均して2隻を割る状況が続いています。
海賊対処のため、ソマリア沖に護衛艦の派遣が決まったときには、1回の船団護衛に10隻程度の日本関係船舶が加わるとの事で、護衛艦2隻でも対応が難しいとの想定でした。
何ゆえに、かような状況が続くのか、毎月同じ事を書いていますが、こういった戦略的な誤りを正さなければ、いつまでも同じ過ちを繰り返すだけです。

 この問題は海上輸送路防衛の増強をうたう政党が、国会で取り上げられてもよいと思うのですが、何故か逃げの姿勢です。
マスコミも、当時盛んに危機感をあおり、護衛艦だ、P3C輸送機だと、派遣推進を後押しした事など、忘れたかのように沈黙しています。
派遣の是非には大騒ぎするくせに、その後の検証と反省がこの国には欠けています。

日本籍船が0隻なのは、日本の大手海運会社が、その税金対策から所有する船舶をほとんどパナマ籍に移し、日本人乗組員も賃金、待遇面から、使い難いと減らしに減らし、いまや外国航路に乗る日本人船員を壊滅状態にしてしまったからです。
これまでに護衛した船舶の乗組員総数約27,000人のうち、日本人船員は350名程度と2%にも満たない現実があります。
長きにわたった自民党政権は、自国の食料自給率の減少だけでなく、輸入に必要な海上輸送力も自国では賄えなくしてしまったのです。

日本関係船舶にしても、9月の合計では13隻ですが、表をみてもお分かりいただけるように、0隻が2回(172,177回)、たった1隻が6回(171,173,174,176,178,179回)もあるのです。
日本船舶の少なさをカバーするかのように、護衛船団には外国船舶の参加が多く、いまや国際護衛船団の様相です。
中国を筆頭に、ドイツ、シンガポール、デンマーク、トルコ、インド、韓国などの船舶が、日本船舶の5倍ほどになっています。
これらは、経済の躍進著しい中国貿易関連の船舶が多いようです。
ただし、9月に限っては、中国の運行船舶が僅か6隻と、例月よりかなり少なく、これが尖閣諸島の中国船拿捕との関連によるものなのかは不明ですので、10月の結果をみましょう。

Photo
 Photo_2
さて、話題を変えてホルムズ海峡での商船三井の大型原油タンカー「M.STAR」損傷事故の件です。
事件後、損傷したまま日本に寄港していた「M.STAR]も、修理のためにすでに出国してしまい、事故原因は事故原因調査委員会で究明するとの報道を最後に、その後の情報がありません。

事故調の詳細な調査により、いかなる原因によるものかが明らかにされると思うのですが、その前に今まで得られた情報と発表された写真から、思い切って事故原因の仮説を立ててみました。
船舶の損傷原因の究明などには、全く無縁な素人ですが、いろいろと考えておくと、事故原因が究明されたときに、それをより興味深く読めるからです。

まず、タンカー「M.STAR」の損傷が他の物体(原子力潜水艦や船舶など)と衝突した、爆薬を積んだ小型船舶による自爆攻撃を受けた、または小型船舶に乗った武装グループからの攻撃を(ロケット弾など)を受けたとの原因説を全て排除します
排除した理由については、長くなるので、ここでは省略します。
Boto_320
さて、タンカー損傷原因の仮説」ですが、救命ボート内部(多分船首側)かその付近に仕掛けられた時限装置つきの手製爆弾の爆発によるものとします。爆弾の威力はそれほど大きなものではなかったのでしょう。(写真上)
現地時間の7月28日午前零時にセットされた爆弾の爆発により、救命ボートは吊り下げられた架台から外れ、船体外側(海側)に落下します。
一気に海中に飛ばされずに、懸垂ロープが絡まった状態で船外に落ちて、船体に激突します。
船は進んでいるので、救命ボート懸架台よりやや船尾よりの外板に大きな凹みを残し、海中でも引きずられるように喫水線下の船腹に傷跡を残した後、海中に没します。
UAE沿岸警備隊の関係者が、船体のへこみから手製爆薬の痕跡が見つかったと語ったと伝えられましたが、それが本当であれば、ボートの爆発時の爆薬によるものでしょう。
懸架台上のボートの爆発により、ボート懸架台とほぼ同じ高さの船室の扉や窓がとくに破壊され、その爆風で内部もかなり損傷したというわけです。(写真下2枚)
「この仮説の弱点は、救命ボートの堅牢性がわからず、船腹に激突して、船体鋼板にあれだけの損傷が出来るかが疑問視されることです。」


誰が、何のために爆発物を仕掛けたのか?その答えは皆さんの推理にお任せします。
8月4日にドバイからのロイター発で報じられた「アブドラ・アッザム旅団」なるものが出した犯行声明は、爆発物を仕掛けた組織から、金銭授受で依頼され、あまり詳しい事もわからずに発表したもので、偽情報と睨んでいます。
Naibu1_320
Naibu2_320

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