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2010年10月20日 (水)

消えたニュース---海賊に拉致された?貨物船「IZUMI」の安否

 柳瀬川通信:報道部 担当作山記者
1 0月10日にケニア モンバサ沖で海賊に拉致されたようだと報じられた日之出郵船運航の貨物船「IZUMI」ですが、その後の様子が全く報道されません。
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2765823/6316989 「IZUMI」の写真

貨物船の運航会社である日之出郵船(株)は日本郵船(株)の子会社です。
その日之出郵船のホームページに日本郵船と連名で次のようなお知らせが発表されています。
http://www.nyk-hinode.com/日之出郵船HP
http://www.nyk-hinode.com/20101011.pdf 消息不明を知らせる日本郵船ニュース

毎月、日本の海賊対処の定期情報を書いているので、この「IZUMI」の安否が気になり、毎日このHPを見ているのですが、その後の状況発表が全くありません。
政府も、事件が報道された時は、次のような対応を見せました。しかし、その後は何を考えてどう対処しているのか、全く情報がありません
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101012/plc1010121038003-n1.htmmsnニュース

「以下、記事転載」
ケニア沖海賊で馬淵国交相「緊張した思いで推移見守る」ーMSNニュース
2010.10.12 10:36
 アフリカ東部のケニア・モンバサ沖を航行していた日之出郵船(東京)の多目的船「IZUMI」(パナマ船籍)が海賊に乗っ取られたとみられる問題について、馬淵澄夫国土交通相は12日午前の記者会見で「非常に緊張した思いで推移を見守っている。IMO(国際海事機関)と協力しながら、今後の対応を考えていきたい」と述べた。

 馬淵氏は「われわれとしてできることは、再発防止を含めどう対応できるかということ。省を挙げて取り組んでいる」と述べた。

 同船はフィリピン人20人が乗り組み、鉄鋼製品を積んで君津港(千葉県)からモンバサへ向かっていたが、10日午後2時53分(現地時間10日午前8時53分)ごろ、緊急通報を発した後に連絡が途絶え、11日正午ころ、デンマークの艦船から「IZUMIが海賊に乗り込まれた」との情報が入った。国交省によると、12日午前0時の段階で、同船はソマリア沿岸を北上しており、周辺で海賊警備に当たっていた海外の艦船が追尾しているという。
  「転載終わり」

日本の船会社が運航していると言っても、船籍はパナマであり、日本郵船から船主として発表されているフェア フィールド シッピング株式会社なるものは、ネット上で検索しても見つけることが出来ません。(国籍など調査中 --報道部)
それに、乗組員も船長以下20人全員がフィリピン人だから、海賊に拉致されても、日本では関心がもたれないのでしょうか。
これが、
乗組員が日本人だったら、大騒ぎになるのでしょうか
そう、軍事区域に侵入したとして中国政府に拘束された日本の建設会社社員4人のように。

しかし、海賊対処のために、ソマリア沖で日本の護衛艦が船団を組んで護衛している日本関係船舶には、日本籍船は3%しかありません。
もっとはっきり書くと、海賊対処法により、護衛された日本関係船舶の合計は昨年7月より今年9月末まで293隻ですが、そのうちに日本籍船は僅か9隻なのです。
他の284隻はすべて、日本の大手船会社のが運航する外国籍船、それもほとんどパナマ船籍です。
大手船会社の経営方針で、船舶を自社の所有にはせず、税金や経費の安いパナマ船籍にしてしまったのです。船には日本国旗は掲げられません。
ホルムズ海峡で原因不明の損傷を受けた商船三井の大型原油タンカーも、勿論、事故当時日本国旗は掲揚していませんので、海上で日本船とはわからなかったはずです。
ちなみに自国の海外航路用船舶のほぼ100%を、外国籍、ほとんどパナマ籍にしてしまっている国は日本以外に見当たりません

護衛船団に加わっている船舶運航国のうち、もっとも多い中国はほぼ100%自国籍船です。
これは国の事情による特殊例としても、中国についで多いドイツは、ドイツ籍でドイツ国旗掲揚船を20%以上保有しています。
自国の海運業に対する施策と船主との連携が、無策の日本とは比較にならないくらいしっかりしているのです。

「IZUMI」の実際の所有会社がどこか発表されていませんが、かような状況下で、日之出郵船の「IZUMI」は、拉致されたのです。
日本の船会社の所有でありながら、パナマ船籍で登録され、乗組員も全員外国人といった船舶が海賊に拉致されたときに、日本政府がどのような対応をするのか、いや対応したらよいのかははっきりしていません。

乗組員の救助は?、身代金の支払いは?など、具体的な対応が多分決められていないのかもしれません。

それゆえ、海賊対処のためにソマリア沖に派遣されている海上自衛隊の護衛艦も、拉致されたと思われる「IZUMI」にたいして、柳瀬川通信:報道部の調査する限り、何の対応も見せていません。
「IZUMI」からの連絡が取れなくなり、海賊に拉致された疑いが発生したのは10月10日です。
しかし10日から12日と12日から15日にかけて、海賊対処行動の141回、142回の護衛船団が何事も無かったかのように、通常の船団護衛についている事が防衛省から報告されています。
141回、142回とも護衛艦2隻によって護衛されたのは、外国籍船を除けば、それぞれ僅か1隻の日本関係船舶です。
嫌味な言い方になりますが、護衛艦2隻に商船1隻、手厚い護衛です。
護衛には1隻あたり3日間の護衛に5000万円以上の経費(税金)が投入されています。5000万円というのは、1年以上前の国会での質疑で明らかになった金額ですから、それよりも護衛船舶が少なくなり、かつ護衛距離が伸ばされた現在は8000万円以上かもしれません。
この2回の護衛船団に加わった外国籍船は計18隻あります。そのなかでもっとも多いのが中国の船舶運航会社による中国貿易関連船舶というのも、最近の中国との複雑な事情からして、割り切れない感もあります。
かように、海上自衛隊の護衛船団からしっかり護衛されている船舶と、「IZUMI」のような拉致されてしまうとなにか見放されたような船との落差の大きさに驚いてしまうのです。
もしも、
日本人乗組員が乗船していないから、対応が後手にまわるのだとしたら、それは多いに問題があります。
いまや、日本の海上輸送のほとんどが、
外国人船員の力で成り立っています。
日本政府、及び大手海運会社の施策で、日本人の乗組員は壊滅状態です。
海賊対処法により護衛された
日本関係船舶の293隻の乗組員数7、281人中、日本人船員は341人しかいないのです。

なにか事あるとき、我が日本国には
運航する船舶無し、乗船できる日本人船員無しの状況が目に見えています。
そのなかで運航してくれる船舶、そして、もしもとしか言えませんが、危険を冒しても乗船してくれる外国人乗組員を確保するためにも、日本政府、船舶運航会社の対応は極めて大切です。
今、日本政府、国土交通省、防衛省、海上保安庁は、10日間も何の報道もなされなくなった「IZUMI」の状況を
、「粛々と見守っている」だけなのでしょうか。
起死回生の朗報を発表すべく、官民挙げての対応を成し遂げつつあるのでしょうか。
それにしては、
「関係者からの話」が漏れ聞こえてきません。

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