« 酷暑とセミの大発生 | トップページ | 非純正品を使う----お薦めはしませんが »

2010年8月20日 (金)

大型原油タンカー爆発損傷事故---その報道より

Photo
_320

「柳瀬川通信:報道部」
 中東のペルシャ湾とアラビア海を結ぶホルムズ海峡。
そのホルムズ海峡の、オマーンの沿岸から約18キロ沖合を航行中の商船三井の原油タンカーが損傷を受けた事件の原因につき、いろいろと報道されていますので、このへんで少しまとめておきます。
(写真上、わかりやすいイラストなので、今後の事件の報道を理解するうえで、参考になると思います。読売新聞WEBサイトより転載しました)

 *事件が起こったのは現地時間7月28日午前零時(日本時間同日午前5時)。
最初の報道では、タンカー「エム・スター」(M・STAR)(マーシャル諸島船籍:16万292トン)の乗組員が爆発があったと報告した。
乗組員1人が負傷したものの、タンカーからの原油流出はなく、海上輸送の要衝である同海峡の船舶の航行にもその後影響は出ていない。
 (柳瀬川通信:報道部注 事故当時フィリピン人乗組員16人、インド人乗組員15人が乗船していた。乗組員に負傷者は無しという報道もあった)

*7月29日 タンカーを運航する商船三井は29日、タンカーの右舷後部に約9メートル四方のへこみがあり、右舷甲板に設置されていた救命ボートがなくなっていることを明らかにした。
(報道部注 この救命ボートがどのような状況で、海中に落下してしまったのかが、こんどの事件を解く重要な鍵のひとつとみます。)

 同社によると、エム・スターは28日夜、爆発があったとされる現場から近いアラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ港に入港。29日から同社関連会社社員のほか、米、英両国の海軍担当官も加わり、船体の調査に着手した。
同社によると、爆発があったとされるのは、船体の右舷後部のエンジンルーム付近。同社は損傷した船内がぬれていないことなどを根拠に、UAEの一部報道が伝えている「地震に伴う強力な波による被害」との見解を否定した。
 一方、同社はこの日、船橋2階部分にある船室などの写真を公表。
 ドアや壁、天井がはがれたり、食堂の窓枠が外れ、ガラスが割れている様子が確認できる。
 海賊の襲撃などの可能性も指摘されているが、同社は「あらゆる可能性を想定して調査中」としている。

*7月29日 [AFP] 中東のホルムズ海峡(Strait of Hormuz)を航行していた大型原油タンカー「M. Star」の船体後部が28日に損傷を受けた問題で、同船を運航する商船三井(Mitsui OSK Lines)は29日に記者会見を開き、強力な波による損傷という一部報道を否定した。

 都内で会見した同社の日比野雅彦(Masahiko Hibino)タンカー安全管理室長は、オマーンの沿岸から約18キロ沖合を航行していた28日午前零時(日本時間同日午前5時)すぎに乗組員が光を目撃し、爆発音を聞いたと述べた。当時は天候もよく、現場海域には波浪警報も出ていなかったという。米地質調査所(US Geological Survey、USGS)によると、当時この地域で大きな地震などは観測されていない。
同社では原因についてまだ結論を出しておらず、外部から攻撃された疑いも含めて調査中だと語った。29日には米海軍や英海軍商船隊司令部(Maritime Trade Operations)も加わって調査が行われた。

*8月4日 [ドバイ 4日 ロイター] ホルムズ海峡を航行中の商船三井の原油タンカーが損傷を受けた事件について、アルカイダと関連があるとみられる武装グループが4日、メンバーによる自爆攻撃だったとする犯行声明を発表した。
   ただ、アナリストの間からは声明の真偽を疑う声が上がっている。
 事件が起こったのは現地時間7月28日深夜。タンカー「M・STAR」の乗組員が爆発があったと報告した。
乗組員1人が負傷したものの、タンカーからの原油流出はなく、海上輸送の要衝である同海峡の船舶の航行にもその後影響は出ていない。
 この事件の原因をめぐっては、米国の原子力潜水艦との衝突も取りざたされていた。
 犯行声明を出したのは「アブドラ・アッザム旅団」と称するグループで、イスラム過激派系ウェブサイトに犯行声明を掲載した。
同グループが自爆攻撃を行ったとする人物の写真も、声明と共に掲載されている。
  声明は「殉教を求める英雄のアイユーブ・アル・タイシャンが、日本のタンカー『M・STAR』で自爆した」としている。

(:報道部注 タンカーは船尾に船籍のあるマーシャル諸島の国旗を掲げて航行しており、このタンカーを日本船と認識することは困難だったと見られるとの情報あり。
なお、攻撃の際の状況について、船長は海が暗くて周囲に船舶は見られなかったと語ったと伝えられている。)

*8月6日 商船三井所属の大型原油タンカー「M・STAR」(16万トン)が中東のホルムズ海峡で損傷したことについて、アラブ首長国連邦(UAE)の国営首長国通信は6日、当局が爆発物の痕跡を船体から発見し、「テロ攻撃を受けた」とみていると報じた。
 UAE沿岸警備隊の「責任ある関係者」は同通信に対し、タンカーの右舷後部の喫水線上で見つかった船体のへこみから、手製爆薬の痕が見つかったことを明らかにし、「爆発物を満載したボートによるテロ攻撃」との見方を示した。
 タンカー損傷をめぐっては、国際テロ組織アルカイダ系の「アブドラ・アッザム旅団」を名乗るグループが3日、「自爆攻撃を行った」との声明を発表していた。

*8月19日    現地時間先月28日に中東・ホルムズ海峡で「商船三井」の原油タンカーが損傷を受けた問題を受け、国交省の事故原因調査委員会が18日に開かれ、専門家のほか、警察庁や防衛省など関係省庁の担当者らが出席した。

 国交省によると、事故が起こる前、タンカーの右700メートルまで近づいていた船があり、この船がタンカーの航路を横切ったり、針路上に戻ったりと不審な動きをしていたことが、これまでのレーダー解析から判明した。

衝撃の瞬間について、甲板にいた乗組員は「大きな振動と音がして、右舷側で何か赤い物体が上から下へよぎるのを感じた」と証言。「ズーン」という音がしたという。航海データ記録装置(VDR)の船室の音声記録では、「シャー」という高周波の音が約3秒間続いていた。ほぼ同時に船橋の頂上に設置されていたレーダーが衝撃を受けて6分間にわたってダウン。何も記録されていなかった。

さらに、船体のへこみは水面下にもあって、水面上のへこみにつながる形で高さ16メートル、幅23メートルあることもわかった。
 国交省は、現場で採取したサンプルに爆発物の残留物があるかなどを調べていて、タンカーが日本に戻った後に詳しく調査することにしている。
Boto_320

  
* 8月10日
 
前原誠司国土交通相は10日、中東のホルムズ海峡で損傷した商船三井の大型原油タンカーから採取した付着物を、警察庁科学警察研究所(科警研)で分析することを明らかにした。

 付着物は、損傷した居住区の外板に付いていたすす状のもので、9日夕に科警研に依頼、科警研で爆発物の成分が含まれているかなどを分析する。
中井洽国家公安委員長は10日の会見で「警察には証拠品を分析する専門家、装置もあるので、収集した証拠を少し渡してもらい手伝いをしたい」と述べた。

 また、船速、船首の方位や船橋での音声などが記録されている航海データ記録装置(VDR)も持ち帰り、運輸安全委員会と海上技術安全研究所(東京都三鷹市)で分析しているという
一方、爆発の直前に乗組員が水平線上で光が走るのを見た、との当初の発表について、同社の日比野雅彦・タンカー安全管理室長は「甲板手が左舷側の居住区から出た際に右舷側で爆発があり、その先で何かが光るのを見た、と話している」と修正した。
(:報道部注 負傷した乗組員の証言が無いこと、また、この乗組員の証言も、最初の証言(水平線上で光が上から下に走るのを見たと違いすぎるし、会社側の発表はあまり信頼はおけないとみます。それまでの証言では、ボートへの隕石落下説が出たのもうなずけるからです。)

*8月19日 「政府/商船三井タンカー事故調査委に防衛省参加」
政府は8月18日、第1回ホルムズ海峡タンカー事故原因調査委員会を開いた。

関係省庁として、内閣官房はじめ国土交通省、同省傘下の運輸安全委員会、警察庁、外務省、防衛省、海上保安庁が出席した。各省の出席者は課長クラスとなった模様だ。
国土交通省は、防衛省が出席した理由について明言を避けたが、安全保障上の問題であると判断した場合には、政府全体で対応する考えを示した。海賊対策などの法案を立案する可能性についても言及した。
Naibu1_320

Naibu2_320

|

« 酷暑とセミの大発生 | トップページ | 非純正品を使う----お薦めはしませんが »

コメント

戦慄します。
危険が明確に形になって現れだしました。
とてもテレビ観て笑っては居られない。
日本のマスコミは、なぜ?真実を言わない!

信じられない・・・危険なのに。

転載賜りました。
一人でも多くの人が知ってくださいますように。礼。
http://blogs.yahoo.co.jp/jyajya368/18533909.html

投稿: じゃじゃまる | 2010年8月22日 (日) 13時13分

事故直後、レーダーが6分間、使用不能という発表を信ずる人は少ないんじゃないかな。そう思うよ。

投稿: gennzirou | 2010年8月22日 (日) 22時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 酷暑とセミの大発生 | トップページ | 非純正品を使う----お薦めはしませんが »