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2010年2月23日 (火)

海賊対処法による船舶護衛その5----中国関係船舶の護衛が増加

マスコミが報じない「海賊対処法」によるソマリア沖派遣護衛艦の毎月の活動報告「その5」です。

*平成22年1月の海賊対処法による船舶護衛実績(93回護衛~102回護衛の10回)

 護衛した船舶 日本籍船 1隻 
           日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船  18隻
                   合計19隻  1回平均1.9隻
           
               外国籍船 63隻  1回平均6.3隻

参考までに、海上警備行動による護衛から、海賊対処法に変わった平成21年7月28日~22年1月末までのデーターを書いておきます。(42回護衛~102回護衛の61回)

 護衛した船舶 日本籍船 4隻 
           日本の船舶運航事業者が運航している外国籍船 140隻
                   合計144隻  1回平均2.4隻
            
               外国籍船 318隻  1回平均5.2隻

昨年12月には、護衛活動開始以来始めて、護衛船団に日本関係船舶が0隻(第86回)、すなわち護衛する船舶が無いという、派遣開始時には想定もしなかった事態が発生しましたが、その後も日本関係船舶の数は増えません。
逆に増えているのが、外国船籍の船です。

 1月は日本関係船舶の3.3倍の63隻にものぼります。
海上自衛隊の護衛船団に、日本関係船舶が派遣時の想定の2割しか集まらず、外国船舶の護衛を受けいれる余裕があるのです。

これは連載の次回報告にて触れますが、2月になってもその状況は変わらず、またも日本関係船舶は0隻なのに(第107回、109回)、中国関係船舶などが18隻といった護衛船団構成が報告されています

ちなみに外国の船舶運航会社のトップは中国で、62隻が護衛されています。
日本の144隻と比較しても、その占める割合は大きく、なお増加の傾向です。
中国の次にドイツ42隻、デンマーク40隻が続きます。

中国がソマリア沖に海軍を派遣すると知って、「海上警備行動」に基ずく護衛艦派遣を急いだ時には、韓国海軍の協力要請打診を、次のように、不可能な実情と論じていたのが嘘のような状況です。

朝日新聞記事(2009年2月9日)記事より

「韓国国防省によれば、ソマリア沖で護衛が必要な韓国の関係船舶は年間150~160隻。
韓国側が韓国人乗組員のいる日本の関係船舶を護衛する代わりに、海自に韓国船の護衛を期待する声もある。

しかし、海自が派遣する護衛艦は2隻で、保護対象に想定している日本関係船舶は少なくとも年間2300隻以上。
新法
(柳瀬川通信:報道部注--海賊対処法)が成立して日本と無関係の外国商船を保護できるようになっても、日本船の護衛で手いっぱいなのが実情だ。」
(牧野愛博=ソウル、石松恒)  <以上朝日新聞より>


「この連載報告は、海上自衛隊の護衛艦が外国の船舶を護衛する事に異議を称えているのではありません。
中止したインド洋給油活動が、多大な国際貢献を謳ったわりには、米軍の後方支援的要素が強かったことに比べたら、護衛活動を評価します。
しかし、P3C哨戒機部隊の派遣については、派遣の前提に疑義があり、そのあたりのことはこの連載中に書くことにします
 


 なぜ、ことさら日本関係船舶の護衛数の少なさを取り上げるかといえば、当初の想定とこうまで違った結果になっている事態に、なんらの検証も無く、なお護衛艦の増派要求が取り上げられる事態を、派遣を急がせ、あれほど大騒ぎしたマスコミ(特に読売、産経、日経新聞等)が沈黙を守っている事に、納得できない思いがあるからです。

 マスコミはインド洋給油でもみられた、最初は煽っておいて、その後の実情を国民に報道しない状況を、このソマリア沖護衛でも繰り返しています。

参照記事
「ソマリア護衛希望2600隻…登録が殺到、調整困難か - (2009年3月14日14時36分 読売新聞)」

「アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、海上警備行動の発令を受けて現地で活動を開始する海上自衛隊の護衛艦による警護を希望する船舶は、約2600隻に上ることがわかった。

 隊列を組んだ船舶の前後を、海上自衛隊の護衛艦2隻が警備にあたる「船団護衛」では、1回あたり何隻まで隊列に加えることができるか現時点ではまだ不明(柳瀬川通信:報道部注 海上自衛隊複数関係者の話では、こんなお粗末なことはありえない。記者の誤解か、無知だとのことです)で、武器使用の問題だけでなく、どれだけの数の船舶を守りきれるのか不安を抱えたままの出発となる。

 護衛艦をソマリア沖に派遣することが決まった今年1月以降、国土交通省海事局に新設された「海賊対策連絡調整室」が、国内の船舶運航事業者や船舶管理会社との調整にあたり、護衛を希望する船舶の登録を求めた結果、2595隻もの登録があった。

 今回の護衛艦による警護の対象となるのは、〈1〉日本籍船〈2〉日本の事業者が運航する船〈3〉日本人が乗船している外国船――の「日本関係船」で、登録のあった隻数のうち、日本関係船は2200隻に上る。

 調整室では、護衛艦が、海賊の警戒にあたるソマリア沖のアデン湾を航行する日程と、警護対象の船舶との待ち合わせ地点の連絡を防衛省から受けたうえで、改めて警護を申請してもらうとしている。

 今回、警護を希望した船舶は、アデン湾を航行する日本関係船の年間隻数にほぼ匹敵する。
単純計算では1日あたり5隻以上が航行することになり、約900キロにも及ぶ海域を警護しながら航行するには、1回あたり2日間かかる見込み。

 警護する隻数は検討中だが、1回に10隻を護衛した場合、往復5日間で計20隻を警護し、4か月間とされる活動期間中に護衛できる商船は約480隻にとどまる。

 調整室の担当者は「ここまで登録が殺到するとは思わなかった。
船舶会社にとって深刻な問題だと改めて思い知らされた」と語り、海自幹部は「大きさも速度も異なる商船団を護衛するのは大変なオペレーション。
細部の調整が必要だ」と話している。」  <以上、読売新聞より>

護衛船団の護衛がこの状況で、次のような護衛艦増加要求の報道記事がありますが、日本船主協会」については、最初から大いなる疑義もありますので、これについてはまた、別途書くことにします。

護衛活動の頻度増加を要望=ソマリア沖海賊対策で前原国交相に-船主協会
2010年1月15日20時16分配信 時事通信

「アフリカ・ソマリア沖の海賊問題で、日本船主協会の宮原耕治会長(日本郵船会長)は15日、前原誠司国土交通相に、現在海上自衛隊の護衛艦などがアデン湾周辺で行っている商船護衛の頻度増加などを要望した。
 
 船主協会によると、護衛は現在、アデン湾内の約900キロを片道2日かけて2隻の護衛艦で守る形で実施されている。
 しかし、最近では、ソマリア東方沖など、アデン湾以外の海域で商船が襲われる事態も急増。
また、各国海軍による警備活動が今後減少する可能性(柳瀬川通信:報道部注 ?? この情報は調べてみましたが、現在のところまったく得られておりません)もあり、季節風がやみ海賊の活動が活発化する3月を前に要望したという。」 

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