« 湯西川温泉へ---5年で100湯は厳しい状況 | トップページ | 初冬の大菩薩峠へ »

2009年11月30日 (月)

湯西川ダム建設現場を見て思う

 土曜日に訪れた湯西川温泉へは、野岩鉄道の湯西川温泉駅からバスで向いました。
バスは湯西川渓谷沿いの、まさにダム工事の現場を抜けて行くといった道を走ります。
渓谷は、幾つもの個所で無残にえぐられ、このダム工事は絶対に中止させないぞという意思表示のように、工事用車両や重機がせわしなく動いていました。

 そうです。この湯西川ダムも八ツ場ダムと同じように、中止の判断もあり得る建設見直しダムなのです。
ダム建設の賛否両論のなか、当初建設予算880億円が1894億円に膨れ上がり、なお不足するのではないかと言われています。
http://www.ktr.mlit.go.jp/yunishi/09daminformation/hituyo/index.htm 湯西川ダムの必要性を述べた国交省湯西川ダム工事事務所のホームページ。(この論旨には、ダム建設反対の立場から、反論も出ている)

全国で行なわれているダムの、建設推進は易いことですが、中止の判断は非常に難しい。
しかし、どこかで従来の路線の流れを変えなければいけないことは、確かです。
この湯西川ダムも、その必要性の再検証が、厳格に行なわれてくれればよいと願うのです。
僕は渓流釣りの愛好者として、美しい湯西川の渓流がダム湖の底に沈むのを良しとしません。
ダム湖が、長期的な観光地になる事の難しさは、幾つもの先例があります。
しかし、湯西川温泉に立つ大きく立派な小、中学校や保育園を見ると、この町がダム建設に依存した財政運営がすでに行なわれている事がわかります。
湯西川温泉の存続と、ダム建設の是非がどういう決着をみるのか、必要性の再検証にはもはや限られた時間しかありません。

 ダム建設にいかに多額の税金が投入されているかを、今、話題になっている保育園の待機児童の問題と対比して考えてみました。
今後の児童数の減少などの長期的展望や、立地条件などを無視して、きわめて単純に考えるとして、今、問題とされる全国の保育園の待機児童が24000人、もし一つの保育園に官民問わず建設費と運営費を含めて5億円を当てるとします。

 湯西川ダム1個所だけの予算でも1900億円ですから、1900億円÷5億円=380ヵ所の保育園が出来る計算になります。
これを待機児童数24000人に割り当てると24000人÷380個所=63人。すなわち63人収容の保育所を380ヵ所が作れるという計算も成り立ちます。
まさに、極論ですが、かように比較すれば、1箇所といえども、ダム建設はいかに膨大な税金の投入を必要とするかという考察です。
湯西川温泉へのバスの車窓から、景色を見ながらでも、こんなことを考えるてしまうのは、困った性格ですが。

 ここまで書いてしまったので少し脱線しますが、同じ事が、国の事業仕分けにも当てはまります。
仕分けのメスが入らない大きな予算計上が、幾つもが上げられます。

なかでも自衛隊の3隻目のヘリコプター空母(2隻目を建設中)が約1200億円過去6000億円以上使ったとされる情報収集衛星(偵察衛星)に毎年600億円以上などが目立ちます。

 国家財政の危機
に及んで、もう一度どんな長期戦略で、なんの為に必要かを論じてもよい大型予算です。

 僕が何度か再考を要すると書いた、海上自衛隊のヘリコプター空母(ヘリコプター搭載型護衛艦)は、現在1隻が就航しており、2隻目が建造中で、2011年には配備されます。ともかく、この2隻で当面運用し、そのうえで3隻目の建造計画を練のが妥当と考えるのです。

いや、このヘリコプター空母予算は、他の歳出を切り詰めてひねり出したもので、災害時や、今後より必要とされる国際協力に欠かせないというという反論があっても、国民の目線で検討している仕分けでは、凍結とされる厳しさが、今の仕分けでの現実です。
反論、反発が多多あろうとも、まず議論の対象にすることが、従来の予算作成と異なるところです。
ヘリコプター空母と言えども、聖域ではないのです。

 予算が潤沢であれば構わないのですが、国の歳入が50兆円を切るかも知れない状況が、好転する長期展望が見られません。
50兆円の歳入のうち、20兆円強は借金(国債等)の返済、利払いに当てられています。残っているのは30兆円しかないのです。なのに歳出は60兆円あります。
これが理解されていない現状を憂えるのです。
現在の防衛予算が、多いか少ないかの論議は、絶対に白黒のつかない並行線だと確信しています。
しかし、何らかの要員で結論を出すとすれば、現在使える歳入の16%を占める防衛予算を切り詰める為には、ヘリコプター空母が遡上にあがるのも仕方ないと考えるのです。

 防衛予算だけではないのですが、このへんの事を書くためには膨大な下調べが必要です。柳瀬川通信:報道部」の超美仁記者が頑張っていますので、そのうち掲載されるでしょう。
Hyuga_320 (写真左、ヘリコプター搭載型護衛艦 (16DDH)「ひゅうが」)
全長200mの大型艦で、現在2番艦「いせ」も建造中で、2011年に就航が予定されている)

|

« 湯西川温泉へ---5年で100湯は厳しい状況 | トップページ | 初冬の大菩薩峠へ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 湯西川温泉へ---5年で100湯は厳しい状況 | トップページ | 初冬の大菩薩峠へ »