« 民主党、インド洋給油継続方針----その(3)派遣期間の考察。何故、第7次派遣部隊は出港しない。(その2) | トップページ | 不帰岳Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ峰----八方尾根に遊ぶ »

2009年7月28日 (火)

民主党、インド洋給油継続方針----その(3)派遣期間の考察。何故、第7次派遣部隊は出港しない。(その3)

その(2)の続き、最終回です。

「柳瀬川通信:報道部」
 会議は続きます

デスク「その根拠とやらは良くわかった。超美仁クン、よく調べたね。地道な資料調べの積み重ねが大事な事を、あらためて思い知らされたよ。」

超美仁記者「ありがとうございます。でも、今、男川さん(男川記者)が調べているソマリア沖海賊対処の護衛船舶調べはもっとすごいですよ。
防衛省から発表されている護衛している船舶の数と船籍から、日本人乗組員の数まで割り出していますよ。」

作山記者「給油問題からちょっと話しが外れますが、その海賊対処ですけれど、男川くんの調べでは、4月1日から7月22日までの112日間で41回、121隻の海上警備行動による船舶護衛が行われましたが、その護衛した船舶のうち日本国籍船は旅客船飛鳥Ⅱを含めて僅か6隻でした。

デスク「日本籍船と日本人船員が激減していった背景など、今度、特集を組みたいと思っているよ。

作山記者「そうですね。海上輸送の安全確保、いわゆるシーレーン問題も含めて、ちょっと大変ですが、男川くんもがんばってくれているし、是非実現しましょう。
さて、インド洋給油問題に戻りますが、海上自衛隊は何故、こんな長期の派遣期間を設定しているのか?、ですが。」

デスク「8月の衆院選挙で自民、公明が過半数を取ったとしても、今までのような衆院3分の2での法案の再可決は無理だ。
しかし、もし期限切れで給油活動が中止となった場合、政府は給油継続に反対した民主などの野党を非難して、大切な国際貢献の場を失ったと声高に叫ぶだろう。
派遣部隊は任務半ばにして戻らざるを得なかったとマスコミが取上げる。海上自衛隊にとっては、わざわざ派遣期間の調整などしないで、第7次部隊を引き上げる事で、面目は立つわけだ。

超美仁記者「これで10月になったら、インド洋給油第7次派遣部隊出動命令下るなどになったら
私は完敗、面目丸潰れです。」

作山記者「そうならないのではないかという推測ですが、超美仁クンとこう考えました。

 海上自衛隊上層部は、一部の反対意見もあるが、来年1月15日の法案期限切れを、インド洋給油撤退の潮時としたいと考えているからこそ、こういった派遣ローテーションを組んでいる。
この意向は、我国の海上防衛の根幹にも影響するとして、自民党、公明党には勿論、民主党に根回しを始めたと推測しています。
何らかの兆候がみられるのも近いのではないかと、超美仁クンとも意見が一致しました。

第1は、給油継続、中止の議論で、給油活動の現状をみると、町のタンクローリー車30台分程度になっている給油量の減少と、パキスタン艦艇ばかりが目立つという事実がある。
以前、新テロ対策特措法成立を前に、親米保守派の代表的論客、同志社大学教授、村田晃嗣氏「給油継続が国際社会の要請」だという次ぎのような論旨を書いていますが(毎日新聞2007年8月31日)、これなども今読むとちょっと首を傾げたくなる感がいなめない。
この辺の事情は、海自上層部も、充分掴んでいます。

「インド洋では7ヶ国が海上自衛隊による給油に依存している。海上自衛隊が撤退すれば、パキスタンの艦艇は活動できなくなるという(注:これは最初からおかしな論旨です)

「海上自衛隊が洋上での給油を止めれば、アメリカをはじめ給油を受けている諸国の海軍は、およそ4割の活動低下に陥ると推定されている。それだけではない。米海軍が近隣の港湾に給油に向えば、そこでテロ攻撃の対象となる可能性も少なくない。」

第2は、給油がパキスタン以外は他に1カ国艦艇だけという状況を意識して、昨年9月頃から給油活動を「海上交通の安全確保」の方向に意識づけしようとしていた。まだ、ソマリア沖海賊対処の派遣が、決まらない時です。
今日のブログトップの写真は、昨年10月に発表された海上自衛隊の「テロとの闘いと日本の補給支援活動---インド洋の海上交通の安全→石油の安定供給の確保」と題されたパンフレットの一部です。」

超美仁記者「なるほど、そっちに向いてきたかという感じがよく現われていますね。日本までずらりと並んだタンカーの絵を見て、男川さん(男川記者)が苦笑いして、海賊対処の船舶護衛の現状に照らして、その問題点を、さあ書くぞと張りきっていましたよ。」

作山記者「麻生総理などもシーレーン防衛などに関連付けた発言をして、官邸スタッフから、やばい事は言わないでくださいと注意されていましたね。

 そのシーレーン防衛的方向付けが、ソマリア沖に急遽派遣することになった護衛艦が民間船舶の護衛をするようになり、「海上交通の安全を確保」のより具体的な行動がアピールできるようになったことで、給油活動艦艇の存在意義が薄れてきたのです

 6月5日から7日にかけ、海上自衛隊はインド洋及びアデン湾東部の海域において、報道公開を行いました。
当然、海上護衛活動が公開されると思ったのですが、ソマリア沖海賊対処の護衛艦2隻に、インド洋対テロ海上阻止活動の給油艦から給油するデモンストレーションでした。
国際貢献を謳った補給活動の影が薄くなったとより強く思いました。」

超美仁記者第3は、実はこれが一番問題なのではないかと作山さんとも話したのです。

海上自衛隊にとってインド洋とソマリア沖に派遣している3隻の護衛艦の実働負担が重くのしかかってきている。
デスクもご存知のように、今や海上自衛隊の隊員不足はかなり深刻です。
艦はあっても人出がないという状況が生まれつつあります。
3隻と言っても、インド洋まで往復40日の航海があり、交代の為6隻が動く事もあります。」

作山記者「その3隻の負担、今、超クンがいった乗組み自衛官の不足に併せて、全護衛艦の総合的戦略と訓練の片寄りなど、どれも無視できなくなってきた事情がある。」

デスク「海自幹部からこんな話しを聞いたよ。
海賊対処の護衛船舶数が、年間2000隻を越えるから、護衛艦は最低4隻くらい必要だろう。
出せるかとの話しが自民党のほうからあって、予備援軍的にもう1隻増やして3隻を派遣する案もでたそうだ。
結局、空自のP3C哨戒期が加わる事で、2隻に落ちついたそうだが、今考えると3隻出していたらその後が大変な事になったと言っていた。」

作山記者「話しが外れますが、海賊対処護衛船舶数については、僕が言うより今年4月19日の東京新聞記事から、引用しましょう。」

<東京新聞記事より>
「対ソマリア沖海賊、海自警護平均3隻。不況で運航減、日程も合わず」という記事で護衛した船舶数が予定の3割だったとして、次ぎのように書いている

「政府は、アデン湾を航行する日本関係船舶は年間ニ千隻、1日平均して五隻が通過すると説明していた。説明通りなら、警護対象の船舶は四日かけた一往復で二十隻に上り、往路、復路で分けると船団にはそれぞれ十隻の船舶が加わる計算になる。

だが、実際にはその半数にも達していない。日本船主協会によると、昨年、アデン湾を通過した船舶は、コンテナ船と自動車専用船で約千五百隻を占めた。しかし、世界不況の影響で自動車専用船の運航が半減するなど激減した。」

作山記者「海賊対処の活動状況については、全てのマスコミが報道を自粛しているみたいだが、唯一、この東京新聞の記事は鋭い指摘をしている。僕はこの記事を読んで東京新聞を見直したよ。変わったなと思う。

デスク「昔の話だが60年安保闘争の時、国会付近の東京新聞詰所みたいなところにいたんだよ。
友人が連絡員兼給仕のような仕事をしていて、手伝い要員として紛れ込ませてくれたんだ。
国会を埋め尽くすデモの群集の地鳴りのような足音の中で、右よりとと見られていた東京新聞の記者達ががどんな状況だったか、こんどゆっくり話すよ。」

超美仁記者「そうだったんですか。その話し、楽しみにしています。
ところでソマリア沖の海賊対処については、男川さん(男川記者)が、まとめています。鋭い記事になりそうですよ。」

デスク「期待しているよ。さてそろそろ結論を出そうか。」

作山記者結論です。推論ですが海上自衛隊は、防衛省を通じて政府に、第1、第2、第3の観点から、改正新テロ対措法によるインド洋の給油活動は、民主党中心の政権になり、来年1月の期限切れで継続中止になったらそれで良し。批判的な発言は控えて、粛々と活動中止行動をとる。

もし自公政権が続いたとしても、給油活動は中止になるよう、米国との調整を強く働きかける。
自公政権といえども、野党の反対で継続が危ぶまれるわけだが、自民、公明、民主党へは、給油活動に代るアフガニスタン本土での全体的戦略を、米国と本格的に協議して欲しいと伝える。

米国には最大限の配慮をしつつも、海賊対処行動による米国への協力を優先するので、諸事情により、インド洋給油活動は、中止したいと考えている。これは我国の海上防衛の根幹にかかわる問題として、政府筋、民主党にも意向を伝えていると思われる。なんらかの具体的動きが現われるのも近い。以上。」

超美仁記者「大丈夫かな。緊張しますね。」

デスク「おい、おい心細い事を言うなよ。大丈夫だ。推論を組みたてる中で真実が見えてくる事もある。もし、このような方向に向かず、全く違う展開になったとしたら、それはそれ、もう一度考えよう。
何度も言うが、我が柳瀬川通信:報道部は、なにが、どの方向に、どのように進んでいるか、その真実を、わかりやすく読者に伝える事を天命とする。間違ったら隠さず報告して訂正しよう。
まあ、がんばってやろう。頼むよ。この特集、よくやったよ。お疲れさん。今晩は慰労会だ。」

「インド洋給油については、少し視野が狭くなっているようなので、7月の給油実績が発表される8月10日頃にまで、多分書くのを休むことになるでしょう。」

|

« 民主党、インド洋給油継続方針----その(3)派遣期間の考察。何故、第7次派遣部隊は出港しない。(その2) | トップページ | 不帰岳Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ峰----八方尾根に遊ぶ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/170544/45768674

この記事へのトラックバック一覧です: 民主党、インド洋給油継続方針----その(3)派遣期間の考察。何故、第7次派遣部隊は出港しない。(その3):

« 民主党、インド洋給油継続方針----その(3)派遣期間の考察。何故、第7次派遣部隊は出港しない。(その2) | トップページ | 不帰岳Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ峰----八方尾根に遊ぶ »