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2009年7月24日 (金)

民主党、インド洋給油継続方針----その(2)給油活動の現状

423_320 一昨日、インド洋給油が曲がり角に来ている事の実証をあげると書きました。
その続きです。
(写真は、現在インド洋で給油活動中の補給艦ときわ)

実証その1「給油量」

マスコミはインド洋給油について、常々、「米艦船などへの給油、給水活動」と言った表現をしますが、これは現状に当てはまりません。

かってイラク戦争直前、直後の給油量は、2002年12月19日~2003年3月23日までの3ヵ月で44,000KL、1ヶ月平均約15,000KLもの給油量がありました。(防衛庁資料)
現在の約15倍です。昨年の給油活動再開以来の月平均の給油量が約1300KLですから、いかに多量の給油量だったかがわかります。
この時は、どんなに国際貢献を謳っても実質、90%以上が米国艦船への給油だったのです。
後にイラク戦争の戦闘艦船への「転用疑惑」などが問題になりましたが、あれは疑惑ではなく真実です。
政府や、防衛省が説明責任を果たさないだけで、給油量の過小報告、航海日誌の破棄などの詳細を隠そうとしただけです。
僕も、このインド洋給油シリーズを書いていて、情報源は諸外国の海軍やその関連サイトHPから得る事が多いのです。
転用問題も、発端は米国海軍関連HPで、イラク作戦に従事した空母艦長が海上自衛隊の補給艦に世話になったと報告していたからです。

話しがそれましたが、現在の給油はどうでしょう。
昨年2月21日の給油再開から今年の6月30日までの補給支援活動の実績を見てみましょう。
「駆逐艦、フリゲート艦、多目的支援艦、補給艦などへの給油量」

パキスタン     48回    (6680KL)
 フランス     22回    (3615KL) 
 ドイツ             11回     (1845KL)
 カナダ       8回    (1915KL)
 米国        8回     ( 4380KL)
 英国        8回     ( 1230KL)
 ニュージーランド 1回      (310KL)
 デンマーク     4回     (1130KL)   
        合計     110回    (21105KL)

米艦船などへの給油と言われますが、米国艦艇へは、僅か8回、それも今年になっては、1月と3月の2回、駆逐艦への給油だけです。
ニュージーランドは昨年5月の1回だけ、その後の活動については参加している実績が見つかりません。

カナダ、デンマークは、昨年CTF-150の指揮権国に任命された活動時期の給油で、その後はありません。

デンマークの指揮艦であった多目的支援艦アブサロン(AbsalonL16)は、その後ソマリア沖の海賊対策を行うCTF-151の活動に参加して、3ヶ月ごとに艦長以下、全乗組員が交代する交代勤務としてマスコミにも取上げられ、読売新聞記者がよくわからない同乗記事を、それも1面トップに書いたので、僕のブログでも臨場感なしの提灯記事と、少しけなして取上げました。
(余談ですが、この記者は、乗船した艦を、デンマーク海軍の多目的支援艦と正しく書いたのに、それではインパクトが無い、少し勇ましくしようと本社サイドで、フリゲート艦と修正したという話しを聞きました)

ドイツはデンマークから指揮権を委譲され活動していた時期のもので、この4ヶ月ほどは給油を受けておりません。

現在のCTF-150の指揮権はフランスで、給油量が多いのはその為です。
おそらく8月には指揮権国が交代すると思うのですが、比較的情報が得やすい米国海軍HPなどには、その記事はまだ見当たりません。

もう、皆さんお気づきでしょうが、圧倒的に多いのがパキスタンです。
回数は43%、給油量にして31%を占めます。最近の給油は、常連パキスタン以外は、指揮権国のみといった状況が続いているので、パキスタン艦艇への給油量は40%を越します。
パキスタン艦艇は地理的に、自国の海軍基地へ2日で戻れる範囲で活動し、よく帰港しているようなのですが、週に一度は給油を受けにきます。
しかしインターネットでは、その海上阻止活動がいかなる状況なのか見つけられません。

水の補給にいたっては、海自補給艦からの全51回の給水のうち、48回、3,075tがパキスタン艦艇へのものです。日本の補給艦の飲料水は、日本の美味しい水だとかかれたブログをみた事がありますが、そんなことはありません。現地調達飲料水です。)

逆に云えばパキスタン以外への水補給はカナダに1回、英国に2回のみです。

 ただ、パキスタンは、米国の恫喝とも思われる協力要請で、対テロ対策の海上輸送阻止活動にも従事しています。
国民の総意が得られているわけではありません。どちらかと言えば、反米感情のほうが強い中での苦渋の選択です。
米国はイスラム主義国唯一の参加が意味あるものとしていますので、日本にたいして面倒を見ろよとの暗黙の指示があるのでしょう。

はるばる12000km、20日以上もの航海をして灼熱のインド洋に出向き、過酷な勤務についている海上自衛隊の補給艦とその護衛艦が、パキスタン海軍と、もう1ヶ国の艦艇だけへの補給活動では士気にも影響するでしょうし、費用対効果の面でも疑問符がつきます。(ソマリア沖海賊対処の派遣海自艦に対する補給については、問題が多々あるので別に書きます)

 補給支援活動による外国艦船への譲与燃料の経費は1ヵ月あたり約1億6千万円と発表されています。(防衛省資料による)(計算してみると、艦船用重油の単価は1Lあたり120円で計上されていました。)

「防衛省は調達重油単価などもなかなか発表しないのですが、広報用情報などで別目的で発表した経費金額などから、その期間の給油量を当てはめると案外単価が割り出されたりします。ただし、これはいやになるほど調査時間のかかる作業です。
柳瀬川通信:報道部は、スタッフが多いかに見えますが、皆早替わりです。ザ・ニュースペーパーと同じです。
国会議員は、公金でスタッフが雇えるのですから、偽メールなどに躍らされる馬鹿はやらずに、もっと、もっと資料収集に寝る間を惜しみなさい。」

パキスタンには、1ヵ月あたり約5600万円の経費がかかっている計算になります。
自国海軍基地に近いパキスタン艦艇に対して、海上給油以外の方策も考えられると思います。
もし給油量の40%を占めるパキスタンを、別の形の援助に変える事が出来たら、残る指揮権国艦艇については、海上給油中止の話し合いが充分可能ではないかと思うのです。

例えば、6月の給油はパキスタン以外はフランス艦艇のみ、5月もパキスタン以外はフランスと英国駆逐艦に1回の補給でした。

特に5月に2回の給油を受けた指揮権国であるフランス海軍フリゲート艦アコニット(F713Aconit)は、インターネットで調べると、5月には補給のために寄港しているようで、多分そこでは給油せずに、海上給油を受ける段取りが組まれたとみます。
海上給油の目的である、なるべく長期間、寄港せずに海上阻止活動を続けるための海上自衛隊補給艦からの給油が、実際は補給活動継続の為とも思える給油の為の給油では困ります。
以上、まず給油国、給油量の考察から、給油活動は曲がり角とする、「実証その1」とします。

このブログを書いている昨日あたりから、麻生首相や官僚などから、インド洋給油、海賊対処に対して民主党の主張のぶれを攻撃する発言が目立ちます。

民主党よ、多いにぶれなさい。野党の立場と政権を取った場合とでは、諸外国との関係が著しく変わります。主張する「対等な日米関係」にも難問が立ちはだかります。
短期、長期の政策を練り、いやらしいほど、柔軟に、粘り強く事に当りなさい。
二枚腰を使いなさい。開き直りなさい。
その基本は、国民の為の政治であり、イラク戦争、インド洋給油、海賊対処などで自公政権に見られた民意を問わない、説明しない、隠す、ごまかすなどがなければ、国民は理解します。
「国民説明報道官」が新設されるとよいですね。

ところで、民主党の次ぎの内閣(影の内閣)で防衛大臣であった、浅尾慶一郎参議院議員が、離党して神奈川4区から出馬うんぬんの報道がされています。
選挙後には、すぐにインド洋給油、海賊対処などの防衛問題、そして日米関係など問題山積です。選挙中と言えども民主党はその対策をおろそかには出来ない筈です。

一昨日、その(1)でこう書きました。

「この問題に対処できる、自民、公明政権には存在しなかった、幅広い資料収集と情勢を分析し判断、決断できる政治家の出現を期待します。」

民主党よ、先を読みなさい。海賊対処は少し後でもよいから、インド洋給油問題特別チームを組みなさい。
インド洋給油活動のの歴史と現状、問題点、海賊対処、シーレーン防衛などとの怪しげな結び付きなどを充分把握しなさい。
素人が見ていてこの問題に対する言動が、はらはらするようでは、先がとても心配です。

次ぎは民主党、インド洋給油継続方針----その(3)第6次派遣補給艦、いまだ出港せず(給油活動曲がり角の実証その2)第5次派遣艦隊が残業!。何故?。
 
(なんだか新聞のテレビ欄の番組紹介風になってしまいましたね。視聴率じゃないブログアクセス数を増やそうとの意図がみえみえです。反省します。)

 

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