« ジャガイモとパセリ----あれま、密林です | トップページ | これが夜祭りの傘鉾と屋台---秩父まつり会館へ »

2009年5月13日 (水)

海上自衛隊インド洋給油その15(4月)---CTF-150指揮権はフランス海軍へ

海上自衛隊発表の平成21年4月1日から4月30日までの給油量です。

パキスタンフリゲート艦     2回 (42)  380KL  (5655KL)
  フランス駆逐艦       2回 (18)  240KL  (1875KL) 
  フランス補給艦       0回 ( 1)    0KL  ( 450KL) 
  ドイツ駆逐艦                  0回 (11)    0KL   (1845KL)
  カナダ駆逐艦        0回 (8)     0KL  (1915KL)
  米国駆逐艦         0回 (8)     0KL   ( 4380KL)
  英国駆逐艦         1回 (7)   225KL   ( 1020KL)
  ニュージーランド駆逐艦  0回 (1)     0KL  (310KL)
  デンマーク艦         0回 (4)     0KL   (1130KL)   
                                                   合計  845KL  (18580KL)

F713_1_320先月に予想したとおり、CTF-150の指揮権は、4月9日にドイツ海軍のフリゲート艦 F-218Mecklenburg-Vorpommern(艦長:Rainer Brinkmann少将)から、フランスの旗艦(FS)であるデュランス級補給艦 Marne(艦長:Alain Hinden少将)に委譲されたようです。

昨年2月21日の給油再開以来、ちょうど100回目の記念すべき給油として、4月に防衛庁が発表したフランス海軍フリゲート艦の艦名はアコニットMarne_320(F713Aconit)でした。
フランス海軍の場合、4月15日に次ぎの報道がされたことから、海賊対策用に別のフリゲート艦が参加しているようなので、AconitはCTF-150だけへの参加となるようです?。(疑問符はつきますが。)
 
「仏国防省によると、仏海軍のフリゲート艦ニボーズ(F732Nivose)が、14日夕方にリベリア船籍の船舶の襲撃に失敗した海賊の「母船」を発見、追跡し、ケニア沖500カイリの場所で15日未明に捕捉した。「母船」は全長10メートルで、2隻の攻撃用小型モーターボートを積んでいたという。海賊は現在、ニボーズ艦上で拘束されている。」

F732NivoseにしろF713Aconitにしろ、CTF150の行動中に海賊と対応する事になれば、本来の対テロ対措法による日本の補給艦からの給油は受けられません
しかし、今やこんな事を論じても空しい事は何度も書いてきたとおりです。
それはイラク戦争当時の米国艦艇に対して、現在の20倍もの給油量がありながら、目的外への給油は無かったと言い張った政府答弁が物語っています。

厳しく言えば、海上警備行動の拡大解釈で海賊対策にソマリア沖に派遣されている護衛艦への給油も、テロ対措法の予算計上面から論じれば、なし崩しととられてもしかたありません。

自国の旗艦である補給艦と連携して行動しているフランスフリゲート艦が、日本の補給艦から給油を受けるというのも、やはり無料という事が評価されているのでしょうか。
昨年までCTF-150の指揮艦であり、海上自衛隊から4回、1130KLの給油を受け、現在は海賊対策活動に従事しているデンマーク海軍の多目的支援艦アブサロンは、米国海軍補給艦からの給油は有料で受けているようです。(読売新聞記事)

ともかく、給油活動は曲がり角であり、給油量も4月は845KLと先月に続いて1000KLを下回りました。
我国で町を走るタンクローリーの最大積載量は30KLですから、換算すると28台分の給油しかなされなかったわけです。
しかも、その給油の45%が自国の港湾基地に2日で戻れるパキスタン艦艇に対してであり、最近は指揮権国(現在フランス海軍)以外の艦艇への給油がほとんど無く、その活動状況も定かではありません。

はるばる12000km、20日以上もの航海をして灼熱のインド洋に出向き、過酷な勤務についている海上自衛隊の艦艇です。
しかし、マスコミが対テロ活動に従事している米国やNATO加盟国に多大の貢献をしていると報じている現実が、実は様変わりしてきている事が報じられることはありません。

給油活動も国際貢献だが、海上自衛隊の艦艇がその海に存在する事が国益に適うといった論旨や、3ヶ月に1度は、任務に就く、または帰る海上自衛隊艦艇がシーレン上を行き来することがシーレーン確保に有効だとするとっぴな論文(慶応義塾大学大学院SDM研究科特別招聘教授 谷口智彦氏)がまかりとおります。
さすがに、この論文を読んだ海上自衛隊現役士官が、それはこじつけすぎる論旨だと語っていましたが。

 シーレーンについては、右翼系言論人が中東産油国から伸びるシーレーンは、日本にとっての生命線であり、その守りに戦力が必要だと熱く語ることが多いのですが、そのほとんどが抽象的論旨です。
一体どんな状況下で、例えば他国との紛争や交戦、テロ活動、略奪などの現実に、どこの国から、どんな船を、どんな優先順位で、どう守るか、または、そんな交戦状態で産油国からのタンカーや、輸出入の貨物船が航海できるとは、一体いかなる状況なのかがほとんど踏まえられていません。

そういったシーレーン防衛といった論旨からみれば、その断片に過ぎないかもしれませんが、今回のソマリア沖の海賊対処の護衛艦派遣からも、今までになかった、現実の問題点を読み取る事が出来ます。

まず、具体的な戦略無しに先ず艦艇派遣が先行する。
また政府が説明していた警護対象の船舶は、4日かけた一往復で20隻に上る船が船団に加わる筈が、16回の護衛航海で計48隻であり、想定の3割に満たない。
しかも護衛した48隻の船舶のうち日本船籍は僅か2隻日本人乗組員もほとんど乗船していない。
仮に紛争や交戦状態になったとした我国に、外国籍船と外国人乗組員がどのくらい提供されるでしょうか。今後、論議されなければならない問題です。
これが貿易立国を掲げる国の採算重視の海上輸送の現実です。

 また、シーレーン即エネルギー供給の船舶といった論旨にたいして、タンカーは48隻中12隻、最も多い船舶が新車、中古車を運ぶ自動車運搬船の18隻で、それもこの不況で平常時の半分にもみたないということであれば、すこし大袈裟かもしれませんが、護衛する船舶の60%は自動車メーカーがらみであれば、莫大な税金が投入される海上自衛隊の派遣とあわせて、日本船主協会や船舶会社の危険回避の自覚も論議されるでしょう。

太平洋戦争時の、暗い厳しい影を内包する船主側と海上自衛隊との確執、船主側の経営経済優先、政府や防衛省の問題把握と対処の無策、両者の接触の欠如、船舶護衛の為の戦力行使の限界、今まで論議されなかった事への対応が、迫られています

(写真上、100回目の給油として防衛省から発表されたフランス海軍フリゲート艦アコニット(F713Aconit)への給油、右は補給艦ときわ)

(写真下、CTF-150の指揮艦、フランス海軍の補給艦マルヌ(A630Marne))

書きかけーーー続く
  追記


いまやインド

洋、ソマリア沖に派遣されている海上自衛隊の艦艇は補給艦1隻、護衛艦3隻です。
そして、いつまで継続しなければならないのか先がみえないまま、3ヶ月ごとに日本からの交代艦が派遣されます。
デンマークが派遣している多目的支援艦L16Absalonは、3ヶ月ごとに艦長も含めて全員が現地基地で交代しています。
フランス海軍でも2組の乗組員がシフトする艦艇が存在します。
艦艇派遣の是非はおくとして、海上自衛隊も常時、遠隔地での活動となるなら、こういったシステムも考える必要があるのではと思います。

そして、CTF-150への給油活動は、アフガニスタンへの包括的な支援を考えるなかで、最近の給油状況からみて、その費用対効果から再考しても良い時期に来ているのではないかと思います。
即、給油活動の撤退ではなく、給油の有料化なども考えられると思います。

新対テロ対措法は、二度も衆議院での自民、公明両党による3分の2の強行採決で延長されました。しかし、来年もこの議案が採択されるかわからない政治状況となっています。
法の期限切れ間際に、いつものどたばた劇が起きないよう、今、考えなければならないでしょう。

|

« ジャガイモとパセリ----あれま、密林です | トップページ | これが夜祭りの傘鉾と屋台---秩父まつり会館へ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/170544/44995112

この記事へのトラックバック一覧です: 海上自衛隊インド洋給油その15(4月)---CTF-150指揮権はフランス海軍へ:

« ジャガイモとパセリ----あれま、密林です | トップページ | これが夜祭りの傘鉾と屋台---秩父まつり会館へ »