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2009年2月13日 (金)

海上自衛隊インド洋給油その12(1月)----補給活動再開以来最高の給油量

113saz1_320  海上自衛隊発表の平成21年1月1日から1月31日までの給油量です。
昨年2月21日の、給油再開以来、1ヶ月で1975KLは過去最高の給油量となりました。とは云っても米国艦艇への1回の給油が945KLと多かったのが理由です。

常連のパキスタンが、今度も月間4回と、週一回の補給(給油と水)ペースは変わりません。
いくら補給艦が高速巡航が出来るとしても、あの広い海域で、毎週出会う事は、至難の事だと思います。そこから、現在の給油活動は、かなり狭い海域でのみ行われているという推測が成り立ちます。
106sam1_320先月も書きましたが、9月を除くと8、10,11,12月とパキスタン以外はいつも1ヶ国だけの給油状況が続いていましたが、1月はパキスタン以外に、フランス、ドイツ、米国、英国と各国艦艇が給油を受けています。

(写真上、ソマリア沖海賊対策の為に、出動準備命令が出ている護衛艦「DD-113さざなみ」 4650t)
写真下、同、護衛艦「DD-106さみだれ」4550t)

パキスタンフリゲート艦     4回 (37)  540KL  (4760KL)
  フランス駆逐艦       1回 (13)   95KL  (1410KL) 
  フランス補給艦       0回 ( 1)    0KL  ( 450KL) 
  ドイツ駆逐艦                  2回 ( 5)   230KL  ( 960KL)
  カナダ駆逐艦        0回 (8)    0KL  (1915KL)
  米国駆逐艦         1回 (7)   945KL   ( 4230KL)
  英国駆逐艦         1回 (4)   160KL   ( 535KL)
  ニュージーランド駆逐艦  0回 (1)     0KL  (310KL)
  デンマーク艦         0回 (4)     0KL   (1130KL)   
                                                   合計 1975KL (15705KL)
( )内は、給油再開の2月21日からの合計

それでは、全体の給油回数が、多かった原因を考えてみましょう。

1.CTF-150の指揮国がデンマークからドイツに変わったのではないか?

 海上阻止活動に参加する日本の補給艦、護衛艦はCTF-150を支援しています。
CTF-150(第150合同任務部隊  Combined Task Force 150)の指揮権は、参加各国が6ヶ月ごとに交代するとの情報が多いのですが、調べてみると3ヶ月ごとのローテションで交代しています。
 最近ではフランス、カナダ、デンマークと交代し、未確認ですが、昨年末か、今年になってドイツに代ったのではないかと推測しています。(これは情報資料が入手出来ていないので、あくまで推測ですから、間違っているかもしれません。)
2008年2月3 日 -2008年6月 3日  フランス
2008年6月 3日 -2008年9月15日   カナダ
2008年9月15日- 2008年12月?   デンマーク
2008年12月?~           ドイツ

 昨年の9月もそうでしたが、指揮権交代時には、必ず米国艦が現れ、他の参加国も集合するようです。デンマーク艦は任務が終り12月が最後の給油だった可能性があるとみています。
米国は、昨年の9月以来の給油ですが、他の国の艦艇に比べて、いつも1回の給油量が多いのが特徴です。

2.ソマリア沖海賊対策にCTF-151が創設された事と、関連している可能性も考えられます

 アフガニスタンにおけるOEF(不朽の自由作戦)の一環としてインド洋におけるテロリスト及び関連物資の海上移動の阻止、抑止を目的として行われている活動は、総じてOEF-MIOと呼ばれ、次ぎのように担当海域が分かれています。

 CTF- 150 (第150合同任務部隊)- 紅海、アデン湾、オマーン湾、アラビア海北部、インド洋 で武器・弾薬やテロリストの資金源となる麻薬などの海上輸送を阻止する活動を行っている。

 CTF- 152(第152合同任務部隊) - ペルシャ湾中部・南部 で「不朽の自由作戦」及び「イラクの自由作戦」の支援を行っている。

 CTF- 158(第158合同任務部隊 )- ペルシャ湾北部で主にイラクの石油ターミナル周辺の治安維持の任務を行っている。

 これに加えて、新たに今年1月にCTF-151(第151合同任務部隊)が創設されました。ソマリア沖の海賊対策を行う部隊です。

日本は、先に書きましたように、このうちCTF-150の活動に参加しています。(但し、指揮国の指揮下には入らず、日本政府の指揮下にあります。)給油活動は、あくまでテロ対策をしている艦艇にのみ給油が許されます。ややこしいのですが、そういう法律になっているのです。参考までに書いてみます

 「新テロ対策特措法案」
定義
第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
    一  テロ対策海上阻止活動  諸外国の軍隊等が行っているテロ攻撃による脅威の除去に務めることにより国際連合憲章の目的の達成に寄与する活動のうち、
テロリスト、武器等の移動を国際的協調の下に阻止し及び抑止するためインド洋上を航行する船舶に対して検査、確認その他の必要な措置を執る活動をいう。
    ニ  補給支援活動  テロ対策海上阻止活動の円滑かつ効果的な実施に資するため、自衛隊が
テロ対策海上阻止活動に係わる任務に従事する諸外国の軍隊等の艦船に対して実施する自衛隊に属する物品及び役務の提供(艦船若しくは艦船に搭載する回転翼航空機の燃料油の給油又は給水を内容とするものに限る)に係る活動をいう。

わかりやすく云うと、インド洋の海上自衛隊の補給艦(現とわだ)は、CTF-150の参加諸国(米軍を始めイギリス、 オランダ、 デンマーク、 ドイツ、 ニュージーランド、 パキスタン、 フランス 等)で、テロ対策海上阻止を行っている艦船には給油ができますが、テロ対策以外の活動をしている艦船には、たとえCTF-150参加国(上記)であっても給油が出来ない事になっているのです。

 しかし、イラク戦争時に米軍艦艇への転用疑惑が大きな問題になったように、例えばドイツ駆逐艦がテロリスト、武器等の移動を阻止する活動中に、海賊に対処する事になっても、使用中の燃料油が日本の補給艦からの給油だから対応できないという事はあり得ないわけです。
各国の艦艇は、テロ対策を行いながら、併せて海賊対策を行う可能性が高いわけです。
その意味からも1月分の給油回数が多かったからといって、各国の艦艇がCTF-150活動か、いやCTF-151活動であったかなどを詮索しても意味ないことでしょう。

 この辺を、どう対応して行くのか、テロ対策と海賊対策の区分は、非常に難問ではありますが、今後の補給艦の給油回数、量に影響してくるし、しいては海賊対策の為に派遣される予定の海上自衛隊の2隻の護衛艦「DD-113さざなみ」「DD-106さみだれ」の補給問題にも波及してきます。
海賊対策の為に派遣される2隻の護衛艦への補給をどうするつもりかに言及した報道が何故かありませんが、現在、CTF-150の給油活動に従事している海上自衛隊の補給艦から補給を受けることが可能なのか?。
新テロ対措法により、もし補給は不可となるとしたら、同じ日本の海上自衛隊の艦船に、補給できないという矛盾をどう回避できるのか、論議しなくてはなりません。

このあたりの事は、ひげの隊長こと自民党参議院議員の佐藤正久議員(元自衛隊員)も、自分のオフィシャルホームページで書いていますので、参考までにその一部を引用させて頂きます。

「現在、ソマリア沖海賊対策に関しては、EU艦隊の他、中国やインドも艦艇を派遣し、派遣国は15カ国にのぼると言われている。そのため自国の商船護衛や国連機関(WFP等)や他国の商船護衛のためには、多国間での情報交換や調整等が必要になる。そのためにはCGは有効と言える。

 ただ、日本の場合、CG等における多国間調整では、米国等と異なり、特措法に基づく補給支援と、海賊対策の艦船や航空機派遣とは明確に区分しなければならないという特性がある。
これまで、ソマリア沖で海賊対処してきた米艦船は(日本の商船を海賊対策で支援した実績も有り)は、バーレンに所在する第5艦隊に属し、かつ対テロの海上阻止作戦を実施中のCTF-150に属している。日本の船舶を助けた独のエムデンもCTF-150所属艦船だ。

これは、CTF-150の活動地域は、ペルシャ湾、インド洋(教義)、ソマリア沖のアデン湾、そして紅海も含んでいるからである。 

 海自の補給艦は、米軍艦船を含めテロ対策を行っているCTF-150の艦船に油や水を補給はできるが、対象艦船がCTF-150であっても海賊対策に従事している際には補給は法律上出来ない。

 それは法の目的が違うからである。明確に区分しないと、昨年、野党から追及されたイラク作戦への油の転用疑惑と同じ、転用疑惑議論が惹起してしまう。作戦上かつ実態上、非効率的ではあるがこれが、日本の法律の現状である。

当然、作戦の効率上は、紅海、アデン湾、ソマリア沖を担当する第5艦隊が所在するバハレーンにCGを配置するのが適当とは思うが、CTFの多国籍軍は、海域のテロ対応を主に作戦を行いつつ、併せて海賊対策も行う可能性が高いので、その峻別は日本政府にとっては機微であり、かつ重要なものとなる。

 今後、多国間によるCGのような調整・連携会議が続くことになるが、この種会議においては、上記ポイントに留意が必要である。」
(書きかけーーー少し先になりますが、続きを書きます)

 

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コメント

http://usn.blog62.fc2.com/blog-entry-871.html

はじめまして。
コチラに給油実績のグラフが掲載されていました。
回数と給油量が必ずしも一致しないのが一目でわかりますね。

投稿: John Doe | 2009年2月17日 (火) 21時15分

>John Doe さま
ユニークなブログを紹介頂きましてありがとうございます。
今後、参考にさせて頂きます。
給油回数と給油量を表した棒グラフ、個別にはわかり難いかもしれませんが、各月の移りが一目瞭然で見やすいですね。


投稿: Souroku | 2009年2月18日 (水) 22時50分

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