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2009年1月13日 (火)

海上自衛隊インド洋給油その11(12月)--パキスタンばかり

422_320 新テロ対措法が国会で審議されようとした10月に、インド洋の給油実績について、何故か意図的とも思われる情報公開の遅れや、新着情報を隠した海上自衛隊ホームページが、また、同じ事をやっています。
いつもはホームページの「補給支援特措法に基づく自衛隊の活動へ」から入って「補給支援活動の実績」に掲載され、新着ニュースとしても公開されるのですが、今2008111_320月は掲載されていないのです。詳細は明日にでも調べて書きますが、12月の給油実績は勘ぐれば、海上自衛隊として、発表をしたくないと考えるのが理解できる状況です。

1月14日追記

法に基づいて行っている給油ですから国民に隠し立てする必要もないと思うのですが、なぜか発表を躊躇うのです。
給油活動が国際貢献・協力を謳う手前、パキスタン偏向の給油実績では都合が悪いとでも思って、情報公開の決済が遅れるのでしょうか。
さて、12月の実績ですが、指揮権を持つデンマーク艦に1回給油した以外は、常連パキスタン海軍に5回、640KLの給油にとどまり、1ヶ月の総量は850KLとかなり少量です。

 なにしろ、米国艦艇に月に15000~20000KLも補給していた時期もあるのですから、現在の補給艦乗組員の仕事は、当時と比較すると少し楽かなと思ったりしています。
さて、12月1日から31日までの、給油状況です。 ( )内は給油再開の2月21日からの合計
パキスタンフリゲート艦     5回 (33)  640KL  (4220KL)
  フランス駆逐艦       0回 (12)    0KL  (1315KL) 
  フランス補給艦       0回 ( 1)    0KL  ( 450KL) 
  ドイツ駆逐艦                  0回 ( 3)      0KL   ( 730KL)
  カナダ駆逐艦        0回 (8)    0KL  (1915KL)
  米国駆逐艦         0回 (6)    0KL   ( 3280KL)
  英国駆逐艦         0回 (3)    0KL   (  375KL)
  ニュージーランド駆逐艦  0回 (1)    0KL  (310KL)
  デンマーク艦         1回 (4)    210KL   (1130KL)   
                                                   合計 850KL  (13730KL)

このところの給油活動は、10月の新テロ対措法延長の国会審議の成立の為に、なにか給油量に作為を感じた9月の実績以外は、、8月はカナダ、10月はデンマーク、そして11月は米国、そして今回発表の12月は指揮国デンマーク艦艇と、常連のパキスタン以外は常に1ヶ国の艦艇だけです。
そんなわけで、2月の給油再開以来、パキスタン艦艇への給油量が、米国を除くと全給油量の40%を占めています。
パキスタン海軍は、フリゲート艦1隻が、海上阻止活動に従事していると発表されていますが、6日に1回の給油と、フリゲート艦の航続距離との関連も疑問視しています。
2月3日頃には、現在の指揮国デンマークも任期終了の予定です。(次ぎの指揮国は調査中です)

 重箱の隅をつつくような事を言いたくないのですが、国際貢献の大義名分で、はるばる遠くインド洋まで出かけ、熱波のなかで給油活動に従事しているいる海上自衛官の仕事が、補給海域の近くに自国の海軍基地のあるパキスタン艦艇への補給活動が主力任務では、士気にかかわるのではないでしょうか。
毎月、同じ事を書いていますが、このインド洋での海上給油支援は、日本の国際協力活動のなかで、見なおしても良い時期に来ているとみます。最近のパキスタン偏向の給油状況からみてそう考えざるをえません。(海上自衛隊の給油に依存する各国艦艇、同じくNATO諸国の艦艇、7ヶ国の艦艇などと書いて、その貢献を謳ってきた右派系言論人の方々が、給油活動の意義を、日本のシーレーン防衛、海賊対策などに結び付ける論調に変えてきているのは、このへんの事情によるものです。)

 新テロ対措法改正案は、参院の委員会と本会議で否決され、衆院本会議で「3分の2」による再可決で成立しました。
ともかく法案成立ありきで、審議も充分なされたとは言えず、実施事項に国会承認の必要との文言も削除された問題も含んだままです。
 今後のアフガニスタン支援、テロ対策の国際協調など総合的な政策を打ち出せるのは、現麻生政権では無理だと誰もが思っているなかで、ソマリア周辺海域の海賊対策などと絡んで、インド洋給油支援の位置付けも揺らぎはじめています。

写真上は、昨年11月10日に日本を出航し、現在インド洋で給油活動に従事しているとわだ型補給艦「とわだ」。写真下は、呉港出航時の同艦)

 

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コメント

いったい、パキスタンへは、日本の車が何台分になる給油をしたのでしょうか。感覚をつかみ憎いので教えてください。また、お金に換算するといくらになるのですか。日本では、三年後に、消費税を上げると言っています。これが日本に輸送され当面の国内輸送費に使えたら消費税を上げる必要はないのですか。そして、自然エネルギーの設置に使われたらどんなに良いでしょう。イスラエルがガザに空爆する前は、BBCで、インドとパキスタンの間のこぜりあいをよく報道していました。海賊だって、インド洋には、もうあまりいないと、昨年、防衛庁番記者が、現地に飛んだあとの講演会で言っておられました。その時、海上自衛隊がどこに給油したかを聞いたが、九隻がパキスタンで1隻がアメリカだと答えたと。あの時点でも言っていました。そして、一時は、九〇隻いた外国の船も今は、インド洋に海賊が減ったため、あまり来ないと言っていたのです。でも、新聞で報道すると首になるから、書けないと言っていました。これは、防衛庁番記者が見てきて言ったことです。それから、あれよあれよと世界中が不景気。原油高になり。二〇〇七年の七月段階のイギリスのポンドが、二〇〇九年一月段階の対円で見ると半分です。ポンドの価値が半分に下落したのです。国としての国力も、力がなくなったということでしょう。ドルも、すでに三分の二に近づき、アメリカの財政赤字の累積でこれから数年で、もっと、価値が下がっていくと予想する有識者の根拠が信憑性があるように思う。BBCのハードトークという番組でも、司会者が、IMFの方を呼んでこの点をかなり厳しく突っ込んでいました。そして、NHKでは、石油から離れ、自然エネルギーにしないと、ヒマラヤの雪がとけきって干ばつになって、世界中の穀物地帯が不作になり食べられなくなる。二〇二〇年までに80%を自然エネルギーにして、温暖化を止めないといけないとレスターブラウン氏の授業がありました。藤原紀香が対談したのですが、良かったですよね。見ましたか。NHKの報道した番組は、今からでも見れるしくみになりましたから、ぜひ見てください。エネルギー問題の全体像がつかめます。景気が悪くて、自国の民の食いぶちがまず先。そして、自然エネルギーにしないと大損をすると自覚した世界がもうすぐそこだと思いたい。

投稿: 小松梨津子 | 2009年1月22日 (木) 13時46分

>小松梨津子さま
パキスタンは、アメリカの強い圧力によって、海上阻止活動に従事しています。対米追随の日本としては、特に支援に力を入れざるを得ない状況にあるのです。
パキスタン海軍への給油量は、昨年2月の給油再開以後、12月末までに33回の給油で4220KL、それ以前の量は141回、19000KLで、合計23220KLの給油量だと思います。
金額にして約17億円です。
給油量をわかり易く、乗用車(70Lタンク)の台数に換算すると、約34万台分くらいだと思います。
金額的には、消費税論議に加え難い小額です。
そもそも、給油再開以来12月までの総給油量は13730KLと、以前の多い時の1ヶ月の給油量にも及びません。
派遣経費の割りに、効率が悪い貢献かもしれません。

投稿: Souroku | 2009年1月22日 (木) 21時45分

質問です。1、上の自動車への換算数字は間違っていませんか。合わないように思います。また、過去のソウロク様の掲載文で、何の数字を指しているのか明確にとらえられない点があるので、これでよいのでしょうか。2、今まででの給油を自家用車で換算すると800万台とは、驚きました。しかし、数字の根拠はどこで見れますか。全部で800万かける70割る1000で出てくる数字がKL単位と考えてよいのでしょうか。間違いありませんか。すると、パキスタンの総比率は、1割もなく、最近の比率に限るのですね。と言っても、今日パキスタンはアメリカに3か所爆撃されたとBBCで放送されました。オバマ氏になって初めてでした。危惧的中。3.海上自衛隊の派遣費用は、いくらになりますか。特別派兵費用と、食費などの必要経費と、船を動かしている費用や、すべてを含めて、いくらになりますか。どこにも書いてありませんでした。派遣される人数も教えていただけますか。それでは、過去1年くらいの中でのそうろく様の数字を整理させていただきますね。忙しい人でもわかるように大事な数字は、いつも載せてください。
昨年2月からの12月までの全ての国への合計 850KL (13730KL )(乗用車19万7千台)2009年1月13日 (火
パキスタンへの給油量。昨年2月の給油再開以後、12月末までに33回の給油で4220KL(乗用車6万台)、それ以前の量は141回、19000KLで、現在まで合計23220KL(33万1714台)の給油量だと思います2009年1月13日
2003年には、米国の艦艇だけでも年間67回、全体の給油量は78,000KL(1年で乗用車111万4千台)に及びました。月間にすると6,500KL(米国のみ1か月9万3千台)です。現在の6倍の量です。今までに70リットルタンクの乗用車を満タンにして、乗用車800万台分以上の給油をしてきたのですから2008年5月20日
米国政府が、治安が悪化のアフガニスタンの国軍増強の費用として、170億ドル(約1兆7000億円)!!の負担を日本を含む同盟諸国に要求しました。日本はすでに、アフガニスタンには、インド洋での230億以上の給油とは別に、今までに1300億円以上の復興支援を行っています。 (注:2003年1月20日から2月25日の1ヶ月間にアメリカですか?これは?20000KL(乗用車28万4714台)の給油実績があった)2008年11月12日掲載の写真は2008年5月20日海上航海日誌を破棄した事で、名前が知られた艦です。2003年の7月から12月という米軍艦艇への給油がイラク戦争へ転用疑惑されたとされた頃の大事な時期の航海日誌を、故意に破棄したものです。「防衛庁は故意とはいわず、誤まったとしか発表していません」08年11月 12日 。すべて柳瀬川だよりのソウロク様の記述中の記事から抜粋。

投稿: 小松梨津子 | 2009年1月24日 (土) 15時30分

ごめんなさい。最後の文は、柳瀬川だよりではなく、柳瀬川のほとりでした。肝心なところを間違いました。ここのブログの名前を間違ってしまって。訂正します。

投稿: 小松梨津子 | 2009年1月24日 (土) 15時44分

>小松梨津子さま
 パキスタンへの給油量の乗用車換算は、一桁間違っていました。約34万台が正しい数字です。
 
 インド洋での給油が始まって以来の給油量などの数字は、全て防衛庁資料と国会審議の質疑によるものです。これ以外のデーター発表はありませし、調達商社も数字を発表しませんから残念ながら調べようもありません。

最近のパキスタン艦艇への給油の全体に占める割合は多いのですが、給油開始以来のデーターですと、全体に占める割合は4.7%くらいでしょうか。ともかくイラク戦争当時のアメリカ艦艇への給油量が膨大すぎて、比率はあまり意味が無いと思います。しかし給油再開以後は、パキスタン艦艇への補給が主たる活動になっているとみてよいでしょう。全給油回数の46%がパキスタン海軍への給油です。

海上自衛隊の派遣費用の総額や個々の経費の発表はありません。各鑑定はインド洋に派遣されなくても経費がかっているわけで、インド洋派遣だけを取り出しての、別計算は発表してくれません。
派遣人数は、派遣される給油艦、護衛艦名と共に防衛庁ホームページに掲載されますので、想定可能です。丹念に拾って積み上げて行くしかなさそうですが、たいへん時間がとられる作業になります。ともかく、このインド洋給油だけでなく、クラスター爆弾など、探せば資料はあるのですが、個人では限界があり不可能です。ただ、データ集めの積み重ねが大事で、そこから思わぬ情報も得られる事もあるわけですから、是非収集してみて下さい。

 

投稿: Souroku | 2009年1月24日 (土) 18時01分

ありがとうございます。給油活動は、防衛事務次官の名前である「増田好平」で検索し、「国を守る※」の所をクリックすると、動画配信で、説明がされています。ご覧になってください。パキスタンには最も精製された純度の高い石油を日本から運んでいるので、喜ばれていますって語っています。70L5000円で計算されていましたが、これでは、もっと値段がかかっていますね。オバマ氏が大統領になってから、アメリカ軍はアフガニスタン国境沿いのパキスタンを三か所爆撃しました。BBCで報道され、CNNでも昨日対談していました。NHKは、何も取り上げません。
また、東京新聞の編集委員である「半田滋」さんの名前で検索し、「2080426<13>学習会、半田滋」をクリックすると、7番目の下に※があって、「当会で用意した資料」があります。そこをクリックしないと出てきませんが、その資料が少し、役に立つかと思います。陸上自衛隊のサマワへ1年半派遣したときのかかった費用は、援助費を入れないで、722憶円かかったと書いてありました。 
ソウロク様、ついにソマリア沖に行くように国会審議もせずに浜田防衛大臣が麻生総理と指示を出してしまいました。この、半田氏の資料を読まれ、さらに、そこに書かれている「武器使用基準」を読むと、考えさせられます。これは防衛白書でも、この部分は、正確だったでしょうか。ちょっと、うろ覚えです。まだ、ここまでは、至っていないではないでしょうか。憲法があるのですからね。しかし、この国は、憲法に反した自衛隊法や、議員立法が、内閣法制局で、どんどんと成立していきます。日本が、三権分立しておらず、、司法が本当は、ここを正す機関としてあるにも関わらず、「行為統治論」をかかげて、その責務を放棄しておることに日本国民として、どう行動したらいいのだろうかと思っています。

投稿: 小松梨津子 | 2009年1月30日 (金) 19時27分

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