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2009年1月30日 (金)

リーダーの平常心---「周到な準備ーーアムンゼンとスコット」の続き


180pxroaldamundsen完全な準備のあるところに常に勝利がある。ひとはこれを幸運という。不充分な準備しかないところに必ず失敗がある。これが不運と呼ばれるものである」 アムンゼン

1月20日に書いた、「周到な準備ーーアムンゼンとスコット」の続きになります。
本多勝一著「アムンゼンとスコット」は2人の極地探検家を隊長として、南極点到達に賭けた二つの探検隊の物語です。

栄光と悲劇、このあまりにも有名な探検家の名は、ノルウェーのアムンゼンとイギリスのスコット。
2人が隊長として率いた二つの探検隊は、同時期に人類未踏の南極点到達を争い、どちらも南極点に到達したが、全員が帰還と死亡という対極的な結末を迎えてしまいます。
本は、アムンゼン隊とスコット隊の行動の比較をしながら、両隊長のリーダーシップを描いています。
比較論の手法で、この歴史的探検競争の全貌を描いた新鮮さは、探検記として優れた名著だと思います。

 巻末に解説を書いた西堀栄三郎氏は、アムンゼンをスコットより優れたリーダーだとして、リーダーたるものは、各隊員に真剣さと平常心を促す重要な役目を担っていると書いています。

 僕は、本文とこの巻末文を読んだ当時、毎日仕事、仕事に追われ、まとまらない計画にあせり、時間との戦いのような日常を過ごしていました。平常心などについて、考える余裕も無かったのです。この本、とくに西堀栄三郎氏の下記文章は、僕に少なからず心の余裕を与えてくれ記憶に残るものとなりました。
 人生に勇気を与えてくれた何冊もの本、例えば登山関係では、アイガー北壁の登攀記録「白い蜘蛛」、尊敬する登山家へルマン・ブールの「八千米の上と下」等など、探検記録ではこの「アムンゼンとスコット」もその一冊に加わっています。

「それではいったい平常心を失わないためにはいかなる態度でいればよいのだろうか。
それは、楽観的な態度である。自分は神に守られているいるのだという信仰心ようなものが、なにもわからない未来に向う人間を不安から解放して楽観的にし、そこに平常心が生まれる。
平常心は事に当たった時の人間の心を柔軟にする。心が柔軟であれば、その場の事情がありのままに見えてきて、
対処するための名案がつぎつぎと浮かんでくる。これを「神の啓示」という人もある。

 私は、初めて南極に行くとき、出発を前にして不安で不安で仕方がなかった。何か足りないものがあるのではないだろうか、無事に全隊員を日本に連れて帰ることができるのだろうかと、大きな不安におそわれて「宗谷」(南極観測船)の甲板をいったりきたりしていたものである。
しかし、その時、ひとたび「私は神に守られている。だからどんな苦境におちいっても必ず知恵が授かるんだ」と思った途端、気持がすっと落ちついたのを記憶している。
楽観的に構えていれば未来の対する不安は消える。たとえ、失敗したとしてもくよくよ考えないで「過ちは改むるにはばかることなかれ」という態度になれるのである。
そういう自信に満ちた態度こそが平常心を保ち、分岐点での判断を誤まらせないことになるのである。アムンセンはそれを無言のうちに隊員に教えていた。」

皮肉な事に、完全な準備を心掛けたアムンゼンと違い、西堀栄三郎氏は完全なものは無いと次ぎのように語り、そこからリスクを減らすために、ここに書いた平常心に結び付けています。
<完全無欠な準備や計画はありえない>
リスクを減らすためには、準備計画を綿密に立てなければならないのですが、一体準備とか調査というものは、そんなに完全に出来るのでしょうか?私に言わせれば、完全な準備と言うものは絶対に出来ない、としか言いようがありません。なぜかというと、これからやることは、知らない新しいことですから、必ず思いもよらないことが起きるに決まっています。それがリスクの元なのです。ところが、準備とか計画というものは、思いもよっているものしか出来はしないのです。したがって、思いもよらないことに対する処置というのはあらかじめ出来ていない。怖いのは、それが完全無欠であると思っている心です。計画を実行に移してから、思いもよらないことが出てきたとき、一体どうしたらいいのか。ただひとつ、臨機応変の処置をとるほかないのです。

<リスクを減らす秘訣(臨機応変の処置)>
リスクを最小限に減らすためには、全ての人間は沈着でないといけないわけです。沈着になれるということは、あわてふためかないということです。あわてふためかないということが沈着ということです。心が平静だと、ちゃんといい処置が出来ます。人間、心が平静でありさえすれば、どうすればいいかということが自動的に心に浮かんできます。

今日は1月30日。入学試験シーズンの真最中。いかに平常心で試験に臨むかなどが言われますが、今日は、雨天で時間に余裕があったものですから、僕が影響を受けた平常心についてのことを書いてみました。
 (写真はローアル・アムンゼン)

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