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2008年11月 3日 (月)

ああ、こんな論文で賞金300萬円とは!

 自衛隊の田母神(たもがみ)俊雄前航空幕僚長の論文を読んで、よくぞこの程度の粗雑な論文を、最優秀藤誠志に選び、300万円もの賞金を贈るものだと思いました。

少し派手めの女社長が出演していたテレビコマーシャルで知られたマンション販売のアパグループが主催する懸賞論文に、現役の航空自衛隊トップが書いた応募作が最優秀賞に選ばれたのです。

 この応募論文が物議をかもし、田母神俊雄氏は即、航空幕僚長を更迭され、その論文内容は勿論、応募自体が政治問題に発展し、各新聞の社説や多くの識者からも批判されているのは、すでにご存知のとおりです。
 この懸賞の最優秀賞に自分の名前をつけた藤誠志なる人物は、アパグループ代表の元谷外志雄氏(女社長の夫)のペンネームであり、審査委員長は保守派論客といわれる渡部昇一・上智大名誉教授です。他の審査委員の名前は公表されていないようです。
個人がそれぞれの歴史認識を持つ事は自由ですが、2人とも保守右派系の言動、著作が多く、論旨をねじまげたり、自分の都合の良いように解釈することで批判も多い方です。
勿論、田母神氏とは面識、ないしはそれ以上のお付き合いがあります

ここからは、僕の推論です。

 懸賞論文には、230通もの応募があり、田母神氏の他にも現役自衛官が2名ほど応募したとの情報もあります。
「11月10日追記」
 その後の調査で、現役自衛官の応募は94名と発表されています。実際には応募というより、部隊内でレポート提出された原稿を一括、アパグループ宛てに送付したものです。ほとんど、論文と言うレベルではない原稿ばかりで、審査の対象外だったそうです。
中に2通ほど、しっかり書かれたものがあり、佳作候補になったようですが、論文募集の目的が田母神氏の主張を発表させるものだったので、自衛官が多いのもどうかという事から外されたようです。

 
 230通の応募作の中には、もう少しまっとうな論文もあったと思うのですが、始めから最優秀作は現職航空幕僚長の応募作と決められていて、300万円という高額な懸賞金が用意されたのではないでしょうか。
 最優秀作に航空幕僚長の肩書きが欲しかった、それゆえ次点の優秀賞は30万円、佳作1万円と冷遇されています。
 
 ですから、田母神の応募作は事によると、原案ないしは論文そのものも用意されていたのかもしれない、なぜならば以下の内容(論文赤字部分)は、現役自衛官としては、あまりにもお粗末過ぎると思うのです。
 
 いかに事実誤認や歴史解釈の身勝手さが多いといえ、それは個人の信条による歴史認識と解釈しても、氏の論文のこの部分だけは「自衛隊員全員が不快に思うだろう」酷い例えであるからです。

 もし、この論文が本当に田母神の手になるものだったとしたら、朝日新聞社説が書く「空幕長は5万人の航空自衛隊のトップである。陸上、海上の幕僚長とともに制服の自衛官を統括し、防衛相を補佐する。軍事専門家としての能力はむろんのこと、高い人格や識見、バランスのとれた判断力が求められる。 」なる人物像とはかけ離れた人間という事になります。
航空自衛隊に人材無しといわれているようですが、次の幕僚長の人選が心配です。

    日本は侵略国家であったのか
                                   田母神俊雄

アメリカ合衆国軍隊は日米安全保障条約により日本国内に駐留して
いる。これをアメリカによる日本侵略とは言わない。二国間で合意
された条約に基づいているからである。我が国は戦前中国大陸や朝鮮
半島を侵略したと言われるが、実は日本軍のこれらの国に対する駐留
も条約に基づいたものであることは意外に知られていない。日本は19
世紀の後半以降、朝鮮半島や中国大陸に軍を進めることになるが相手
国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない。現在の中国政府
から「日本の侵略」を執拗に追求されるが、我が国は日清戦争、日露
戦争などによって国際法上合法的に中国大陸に権益を得て、これを守
るために条約等に基づいて軍を配置したのである。これに対し、圧力
をかけて条約を無理矢理締結させたのだから条約そのものが無効だと
いう人もいるが、昔も今も多少の圧力を伴わない条約など存在したこ
とがない。


 
この日本軍に対し蒋介石国民党は頻繁にテロ行為を繰り返す。邦人
に対する大規模な暴行、惨殺事件も繰り返し発生する。


これは現在日本に存在する米軍の横田基地や横須賀基地などに自衛隊が
攻撃を仕掛け、米国軍人及びその家族などを暴行、惨殺するようものであり、と
ても許容できるものではない。


これに対し日本政府は辛抱強く和平を追求するが、その都度蒋介石に
裏切られるのである。実は蒋介石はコミンテルンに動かされていた。
1936年の第2次国共合作によりコミンテルンの手先である毛沢東共産党の
ゲリラが国民党内に多数入り込んでいた。
コミンテルンの目的は日本軍と国民党を戦わせ、両者を疲弊
させ、最終的に毛沢東共産党に中国大陸を支配させることであった。
我が国は国民党の度重なる挑発に遂に我慢しきれなくなって1937年
8月15日、日本の近衛文麿内閣は「支那軍の暴戻(ぼうれい)を膺懲
(ようちょう)し以って南京政府の反省を促す為、今や断乎たる措置をとる」
と言う声明を発表した。
我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者なのである。

 
(論文の続きは、下のファイルをクリックすると、アパグループ懸賞の最優秀応募作として、田母神氏の論文全部が読めます。)

    「kensyou.doc」 田母神氏の論文

 今晩のニュースで、田母神俊雄前航空幕僚長の退職が伝えられました。

 天下り先は、防衛大学だけは止めさせてください。
これが、大学校長の書く論文かと、嘆きたくなるような論旨を展開する五百旗頭 真校長以下、教員に「高い人格や識見、バランスのとれた判断力が求められる(朝日新聞社説)人物が少ないのです。
 そこに、また、この方が加わるのは非常にまずいです。

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コメント

アパグループとは例の欠陥マンション、欠陥ホテルの経営者ですね。そして元首相安倍晋三氏のスポンサー。藤誠志=安倍晋三=渡部昇一=田母神俊雄=50人の航空自衛官・・・不気味な黒い糸が見えてきますね。朝日11/06声欄「侵略を知らぬ空幕長の空論」本田立太郎氏の切実な声に同感です。

投稿: appo66 | 2008年11月 6日 (木) 11時47分

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