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2008年10月21日 (火)

海上自衛隊インド洋給油その8(9月) あれ、いつのまに発表していたの?

  インド洋における海上自衛隊の補給支援活動については、毎月10日までには、海上自衛隊のホームページにある「補給支援特措法に基づく自衛隊の行動」欄に新着情報として掲載されていました。

それが今月(10月)はブログでも書きましたが、国会で改正案が審議される大事な時期に会わせたように、いつまでたっても発表されなかったのです。

その、「新テロ対策特別措置法改正案」が衆院本会議で、自民、公明両党の賛成多数で可決された今日の午後、あらためて海上自衛隊のホームページを見ると、意外なところに、いつのまにか10月9日の日付で発表されているのに気づきました。
勿論、新着情報には掲載されず隠されていたのですから、「補給支援活動実績」欄にも載っていません。

なんともややこしいのですが、ホームページの「補給支援特措法に基づく自衛隊の行動」欄の下のほうに小さな字で関連リンク欄があり、そこの「統合幕僚監部補給支援活動特設ページ」なるリンク先をクリックすると、NEWと書かれた9月の実績がPDFで読めるようになっていました。
なぜ、こんな意図的な隠しとも思われる発表の仕方をするのでしょう。

僕は、9月の発表がされなかったのは、8月の給油実績が、パキスタンに代わって指揮権をもったカナダ以外には、海上阻止活動にどれほどかかわっているかが不明なパキスタン艦船に大量給油された事と関係あるのかもしれないと思っていました。
事によると9月もまた、カナダとパキスタン艦艇以外には補給活動の実績が無く、なんとしても法案を可決したい政府自民党への配慮から、すなわち国際貢献を標榜する給油活動の実態が曲がり角に来ていることを知られたくないとの思いから、法案可決まで隠すつもりだと考えたのです。
まだ、活動状況のわからない、デンマーク船への給油見込みも発表するなど苦心している様も見られました。

また、給油活動関連で、アフリカのソマリア周辺海域で頻発する海賊対策に海上自衛隊艦艇を活用する案などを持ち出して、今後、アフガニスタンやパキスタンの政治情勢の激変により、給油活動が停止される事態になっても、海上自衛隊の艦艇派遣のほか、P3C哨戒機による洋上監視等を恒久化させたい念願のシーレーン防衛構想を示したりしました。

 さて、それでは9月のインド洋給油実績です。
僕が考えた、給油量が少なかったのではなく、なんで急に米国と英国の艦艇が現れるの?、といった日本の9月国会に向けた給油実績工作のような数字が並びました。
その量は、2月の給油活動再開以来最大の月間給油量になりました。
7月、8月の実績と比較すると顕著です。
隠したい意図はここにあったのか?。少し工作しすぎた?
給油をうけた艦艇の具体的な海上阻止活動の実態などが追及される事を嫌ったと思われます。
9月の給油は、本当にCTF-150の海上阻止活動の艦艇だけだったのか、またしても転用疑惑などに絡む微妙な問題に発展しかねないからです。特に米国に対しては、転用疑惑、給油量改ざんなど前科があります。
  書きかけーーー続く

10月22日、22時追記

9月1日から30日までの、給油状況です。 ( )内は給油再開の2月21日からの合計
パキスタンフリゲート艦     3回 (21)  400KL (2690KL)
  
フランス駆逐艦       2回 (12)  100KL (1315KL) 
  フランス補給艦       0回 ( 1)    0KL ( 450KL) 
  ドイツ駆逐艦                  0回 (3)       0KL  (  730KL)
  
カナダ駆逐艦        1回 (8)   400KL (1915KL)
  
米国駆逐艦         2回 (4)   910KL  ( 1710KL)
  
英国駆逐艦         1回 (3)    80KL (  375KL)
  ニュージーランド駆逐艦  0回 (1)     0KL (310KL)
                       合計 
1895KL (9500KL)

8月(多分)に、パキスタンに代わり、海上阻止活動の指揮を取るようになったカナダと、一回の給油料量は少ないのですが、毎月定期的に補給に来るフランスは、この際よしとしましょう。

相変わらず、パキスタン艦艇は全給油量の30パーセントと最大給油国です。
以前、日本が給油を止めれば、パキスタン艦船は活動できなくなるというおかしな論旨を展開した
(当時、政府答弁によると、パキスタンはフリゲート艦1隻だけが海上阻止活動に従事していた)同志社大の村田晃嗣教授の云うように、この国に対しては海上阻止活動への支援というより、海軍全体への経済援助状態とみるべきでしょう。

これがテロ対策特措法の定義に反するといえば、厳密にはそうなるのでしょう。
しかし、この点を突き詰めれば、2001年から始まったインド洋での米軍への給油活動の大部分がイラク戦争へ転用されていたとされる転用疑惑や、防衛庁による給油量の改ざん問題なども、真相は解明されず疑惑のまま、埋もれてしまいました。
このパキスタン海軍への援助と同じく、2月の給油再開以来、2月と6月にそれぞれ1回の給油しか受けていなかった米国駆逐艦が9月に2回にわたり
910KLもの給油を受けたのも、多分国会審議にむけて給油継続の実績を得たい日本側の要請もあったと推測します。多分、英国もそうでしょう。

 その米国駆逐艦は、多分海上阻止活動だけでなく、ペルシャ湾中部及び南部において「不朽の自由作戦」や「イラクの自由作戦」支援の
CTF-152、或いはペルシャ湾北部において、主にイラクの石油ターミナル周辺の治安維持の任務を受け持つCTF-158の活動に参加していると見るべきでしょう。
(もし、9月分実績向けに給油する艦船の枠を外したとしたら、箍(たが)を外した事になり、来月以降の給油量は総体的に増える事になります。)
 しかし、このあたりの事(給油範囲)は、テロ対措法の全文を読んでもあいまいで、分かり難いのです。
 防衛省は給油を受けた外国艦船の活動については、一貫して説明責任を明確にする事を拒んでいます。官僚だった友人の話によれば、条文や国会の答弁書作成は、いかに主旨を曖昧にするかの能力を問われるそうですから。
ですから、給油された燃料油の使い道を詮索したところで、不毛の議論の蒸し返しでしかないと思うのです。

 今、議論すべきは
、真にアフガニスタン国民のために役立つ日本の貢献を考えるべきなのです。
それが、まったく為されないまま、このテロ対措法が、海賊対策、シーレーン防衛などに及んでいることに対して、僕はなにか心底穏やかならざるものがあるのです


ところで最後に、何故、今日のような
多分とか推測の多い文を書くのかといえば、政府や防衛省の隠蔽体質や偽装を見逃さない為には、ある程度、多分と書いたり、想定しないと先に進めないからです。
勿論、後でそれが誤まりと分かった事項は、必ず訂正します。

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