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2008年4月15日 (火)

インド洋給油再開その後

政府が異例の越年国会にしてまで、成立にこだわり、425_320 あれほど国会で騒がれたテロ対策特措法によるインド洋給油再開ですが、最近はまったくと言ってよいほど、マスコミに取上げられません。やっているの?といった按配です。

そこで、1月16日のブログの、[補給艦「おうみ」と護衛艦「むらさめ」インド洋へ]の続きを書きます。


現在派遣されている補給艦「おうみ」と護衛艦「むらさめ」に代り、この4月20日には、給油支援第2陣として、補給艦「ましゅう」と護衛艦「いかづち」が、海上自衛隊横須賀、舞鶴両基地より、インド洋に向けて出発しますので、最近の給油活動の実態について書いてみます。

今回の給油再開の、最初の給油は、防衛庁が本当は望んでいなかったパキスタン艦でしたが、次ぎに、できれば最初の給油艦になって欲しかったフランスの駆逐艦1隻で3月は終りました。
4月に入って、パキスタンフリゲート艦に3回、フランス駆逐艦に3回、ドイツ駆逐艦に2回、カナダ駆逐艦に1回と計9回の給油が行なわれました。

以前に比べると3日に1回程度と給油の回数はぐんと減っています。
海上阻止活動本来の任務にやや疑問符がつくパキスタン海軍を除くと、給油は6回だけです。
明かに何らかの変化がおきています。
なにより、以前は給油の60%を占め、6年間の給油回数も450回もあったアメリカの艦艇への補給が無かった事です
これが、なにを意味するのか、まだ給油再開1ヶ月半程度では読み取れないので、もう少し海上自衛隊の広報、アメリカ海軍のホームページなどを参照し、考察したいと思います。
もう一つ云えるのは、パキスタン海軍への給油です。
地図を見てもわかるようにパキスタンは、活動海域のすぐそばです。燃料油の補給以外にも食料、その他の補給もあるでしょうから、港には戻っていると思います。
日本から、はるばるインド洋まで出かける時間、経費を考えるとパキスタン海軍への給油活動はテロ対策海上阻止活動支援と言うより、援助の面が大きいと思われます。
アメリカが、パキスタンに対して阻止活動の支援国に加われと強い圧力をかけている状況と切り離しては考えられません。

今度の給油支援活動の前提である新テロ対策特措法案の「定義」第3条にこう書かれています。
一、テロ対策海上阻止活動  諸外国の軍隊等が行っているテロ攻撃による脅威の除去に務めることにより、国際連合憲章の目的の達成に寄与する活動のうち、テロリスト、武器等の移動を国際的協調の下に阻止し及び抑止するためインド洋上を航行する船舶に対して検査、確認その他の必要な処置を執る活動をいう。

ニ、 補給支援活動  テロ対策海上阻止活動の円滑かつ効果的な実施に資するため、自衛隊がテロ対策海上阻止活動に係わる任務に従事する諸外国の軍隊等の艦船に対して実施する自衛隊に属する物品及び役務の提供(艦船もしくは艦船に搭載する回転翼航空機の燃料油の給油又は給水を内容とするものに限る)に係わる活動をいう。

このように、かなり補給支援活動の定義、目的が明確になっています。
以前は、日本政府は趣旨は同じと言い張っていますが、このあたりが曖昧で、実際にはアメリカ空母、大型補給艦への給油が堂々とまかり通っていたのです。
インド洋上を航行する怪しい船舶(大型の軍艦などではあり得ないのです。漁船に毛の生えた程度の小形船舶です)に大型空母が検査、確認などの処置を執ることなど、誰が考えても理解は難しいのです。
実際には、アメリカ海軍への給油活動は、この法の趣旨には反するものだったのは間違いなく、最近はニュース性が薄れたとはいえ、多くの転用疑惑などが明かになってきました。
最近のアメリカ艦艇への給油激減は、この法の趣旨を守りたい日本側の事情と、アメリカ側の戦略が大きく変化していることが原因と推察しています。

僕は、なにかおかしな事態や不都合な状況が判明すると、それも阻止活動の一環だとか、給油支援活動の定義から外れてきても、日本のシーレーン防衛の重要性などに問題をすりかえる、ご用学者や保守の論客などの論評などを読むと、無性に腹が立つのです。
嘘、偽りを、推察のような文体で論評の中に取りこんでくるのです。それは少し時間が経つと、怪しい部分が明白になってくるのですが、彼らには以前なにを書いたり、云ったりしていたか、まったく反省の色が見られないという特徴があります。
歴史、防衛、公害、教育、原子力発電などの諸問題に顕著です。
次ぎの機会には、2007年の8月31日の毎日新聞に、同志社大学教授の村田 晃嗣氏が書いた「給油延長が国際社会の要請」なる論評の怪しさについて書いてみたいと思います。  

107_320_2

  

(写真上、4月20日にインド洋に出航する補給艦425「ましゅう」)
(写真下、同じく護衛艦107「いかづち」)

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