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2008年4月26日 (土)

剣岳、熊の岩は幕営禁止ーーそれでも

Kumano1_1024 昔(正直にいうと45年前)剣岳、チンネでの登攀を終えてテントサイトまで戻った僕達が見たのは、張った天幕のポールが倒されて横倒しになっている光景でした。
やはり、キャンプ禁止だったのか!。僕達は剣沢での合宿を終えて下山する仲間と別れた後、数人で長次郎雪渓を詰めてこの熊の岩にテントを移し、八つ峰やチンネの登攀をしていたのです。
そう、熊の岩はまさに別天地、隣に張られたどこだったかの大学山岳部が去ると、我々だけの静かで清潔なキャンプサイトでした。

一昨日、ある事情で古い本を整理していると、中から出てきたのが30年前のこの「剣岳の岩場」でした。
「熊の岩」じゃないか。そうかこの本、捨てきれずに倉庫の片隅に積まれていたのです。
写真のクライマーが登っているのは、八つ峰Ⅵ峰Bフェース京大ルート、終了点近くのリッジと書かれています。
そして足元に見えるのは、懐かしき長次郎雪渓と熊の岩地点です。

 熊の岩から少し歩いて長次郎雪渓のⅥ峰の基部に立つと、明るく乾いた快適なA、B、C、Dフェースを登攀するクライマーの靴底が常に見上げられたものです。
昔、僕達の天幕を倒してキャンプサイト外だと警告したのは、多分山岳警備隊員だったのでしょう。
ツェルトビバークに慣れていた僕達は、ビバークの延長、そんなつもりで合宿で使った天幕を担ぎ上げていたのです。

それから、15年後に出版されたこの「剣岳の岩場」の表紙にも、ちゃんと熊の岩に残る雪渓の端に幾張りかのテントが写っています。
雪渓から流れ出す冷たい水が使え、雪の下は天然の冷蔵庫になり残りの食料を心配しつつ、僕達は出来ることなら少しでもこの場所に残っていたい気持でした。
この場所が、僕達が警告を受けてからの15年後だけでなく、今に至るまで、非常避難的な場合を除いては、ずっとキャンプ禁止に変わりはないと思います。
夜、静かなテントの中で聞くカラカラと落ちる落石の音、満天の星、朝、体が目覚めないうちに、もう岩場に取りつくことになるような絶好のロケーション。
いけない事ですが、ここに天幕を張るクライマーの心情は理解できます。昔より、自然環境保護にたいして厳しく律することが求められる現在、キャンプ指定地以外の幕営は絶対に止めます。
それでも、ああ、懐かしき熊の岩。友と過ごした夢の日々よ。

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