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2008年4月20日 (日)

作男、畑に還る

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 作男、柳瀬川駅横の道を、自転車を漕いでいる。

「農園主様は、”大丈夫、あなたが半年いなくてもしっかりやっていましたわよ。”なんておっしゃっていなすったが、どんなもんだか見てくるべ。」
「半年はねえべさ。去年の12月のジャガイモ堀にはいたでよ。チビスケどもが大騒ぎしてほっくり返して大変だったべ。」
「夏野菜は慌てる事ないども、つなぎにキヌサヤとほうれん草を植えなすったようだでな。」

作男、市民農園に続く坂道の手前で、自転車を止めて右手の斜面を覗き込む。

「あった!。農園主様は、”まだのようよ。”と教えてくれなすったが、イチリンソウ、ちゃんともう咲いているでねえか。」

作男、自転車から降りて、斜面の細い道を登って行く。少し行くと、斜面にイチリンソウ
白い花がひとかたまりになって咲いて風に揺れている。

「去年より、少し少ないようだべ。ちょっくら荒らされたべか。」

 雑木林の中に咲いているイチリンソウは、埼玉県絶滅危惧種植物リストの準絶滅危惧種に分類される貴重な植物なのです。県内の川口市では、2002年に市指定文化財(天然記念物)に指定されました。

ウミガメの卵と同じで、知らせたら持ってゆかれるし、ここにあるだと知らせねえと、踏み荒らされるし、まったく困ったもんだ。だいぶ、歩きまわったあとがあるべさ。」

チリンソウは春植物といわれ、早春に茎や葉を地上に出して花を開き光合成を行い、初夏には地上部が枯れてしまい、地下の根茎で生きる植物です。芽吹いてからほんの1~2ヶ月の間に、花を咲かせ、種子を作り、来年の準備をして、枯れてしまいます。その後、踏み荒らされる事が多いのです。

「まあ、良かったでねえか。だいぶ咲いているで。農園主様は、こんどここが公園になるとおっしゃっていなすったが、皆が押しかけるとイチリンソウが傷むでねえかな?」
「ともかく、おらもしっかりと守ってやるべ。」

作男、デジカメをザックから取り出して写真を撮っている。

「よし、畑さ行くべか」

作男、また自転車を走らせて、坂道を登って行く。ゆっくりと漕いでいる。

「この坂もえらくこたえるようになったで。おらも老いただなあ。」

作男、畑の横に自転車を立てかけて、畑を覗きこむ。

「うんだ。キヌサヤもだいぶ花が咲いているだな。もうちょっくら、養生したほうが良いだな。」
「ほうれん草は、そろそろ間引き、追肥、土寄せ時だな。だども、雑草も少ないし、結構しっかりおやりになっておられるで。」
「農園主様ーー。おらも畑さ還ってきただよー。がんばるだよー。」

作男、夕方の道を、自転車を漕いで、戻って行く。なにかぶつぶつ言っている。

「超ミニ、超ミニ。」「おらの超ミニ農園も、そろそろ耕すべ、耕すべ」「なに植えたらよいだべか、迷うぞ、迷うぞ。」

作男の姿がだんだん小さくなって行く。
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(写真上、柳瀬川駅近くの斜面に咲くイチリンソウの群落。場所は秘密です。)

(写真中、イチリンソウの接写。)

(写真下、農園主様の畑。手前にあるのがキヌサヤ。奥にほうれん草が植わっている。おらの出番だべ。)

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