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2008年1月28日 (月)

ニューヨークのマグロと水銀

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ニューヨーク・タイムズ紙が独自に、ニューヨーク市内のすし店などから購入したマグロを分析したところ、高水準の水銀が検出されたとの記事を掲載し波紋を広げているとの事です。
このニュース、日本でも報道されましたが、TBSラジオやインターネットで報じられたくらいであまり話題にならなかったようです。
マグロは食物連鎖により、水銀などの有害物質を蓄積しやすいとされ、欧米各国ではその摂取にたいし、かなり厳しい注意がなされています。
例えば、EUでは、大型の捕食性の魚(メカジキ、サメ、マカジキ、パイク等)、マグロは妊娠する可能性のある女性、妊婦、授乳中の母親、幼児においては、以下のように指導されています。
1.大型の捕食性の魚は週に多くて1食(<100g)以下とすべき。
2.大型の捕食性の魚を食べた場合には、その週はいかなる魚も食べるべきで無い。
3.さらに、マグロは週2か回以上食べるべきで無い。
対象者は妊婦、妊娠を考えている女性が多いのですが、英国では16歳以下の小児、米国では幼児など、さらにカナダ、オーストラリアなどはすべての人が規制の対象者となっています。

日本では、欧米各国より遅れましたが、平成15年(2003年)に厚生労働省から魚の摂取基準が示され、その際、キンメダイが危険との風評で売上の減少などの被害がでたりしました。
何故かその時には、マグロが含まれておらず(業界に配慮したとも、圧力があったとも言われています)、その後、平成17年(2005年)に、世界の基準から遅れているとの指摘で、見直しが行なわれマグロまで含んだ基準値が示されるようになり、現在に至っています。
 日本の場合の対象者は、「妊婦、妊娠の可能性のある方」であり、幼児、小児、大人は危険が及ばないとされています。
厚生労働省のホームページには、この注意事項が詳しく書かれていますが、まず読む人は少ないでしょう。そのホームページのなかに、わかりやすく書いた「これからママになるあなたへ」と題したパンフレットのPDF資料がありましたので、載せておきます。(左クリックすると拡大しますが、画像が大きすぎてしまったので、右クリックから「リンクを新しいウィンドウで開く」で開いていただくと、画面が上下に移動して見やすくなります。)
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これを読むと、妊娠中の女性が1週間に食べられる量が、マカジキの刺身1人前とキンメダイの煮付け半人前で、水銀摂取基準値となるようで、多いのか少ないのか考えてしまいますが、これだけしか駄目なのが一般的なとらえ方ではないかと思います。
ニューヨーク・タイムズ紙の記事は、水銀摂取基準の厳しい米国の事ですが、問題は今まで考えられていたより、マグロの水銀含有量が多かった事、すなわち食べる量を減らすか、まったく食べられない事態であると報じられた事でしょう。
サンプル検査の結果が、トロなどの高級マグロにより多くの水銀が含まれていると云う事ですから、米国人が危険と思えば食べなければ良し、日本においても黒マグロ、いや普通のトロでさえ食する機会のない僕などから見れば、水銀中毒?覚悟で食べたい人はどうぞご自由にと思えるのです。
ただ、危険を知って食べる人は良いのですが、水銀摂取の危険を知らない妊婦や、幼児、小児には知らせてあげて、その危険性を取り除かねばなりません。
厚生労働省のこのパンフレットが、産婦人科病院や、保健所などでどの様に活用されているかわかりませんが、国民に広く知らせる努力を続けて欲しいものです。
後からの責任逃れに、ホームページで基準値はお知らせしていました程度では、それでなくとも問題の多い厚生労働省がまたしても禍根を残すこととなるでしょう。
それと、国際基準からすると、日本の場合の規制対象者が妊婦のみというのは、再考してもよいのではないかと思います。
まず、乳児、幼児にまで対象範囲を広め、その後、大人の摂取基準を検討するような前向きの取組みが必要と考えます。
もうひとつは、日本が水銀の含有検査から、マグロを回遊性の魚だからと、首を傾げたくなる理由で外している事は、マグロの大消費国として、今後国際的に批判されそうな気がしてなりません。

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