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2007年12月20日 (木)

ある日、財務省の片隅で

8月1日、財務省の一室
HPの作成担当者「今日から、国の借金時計が当省のHPに掲載されます。作成依頼会社からも連絡が入り、私も確認しましたのでご報告します」
上司
「そうか、ホームページで国民に厳しい国の財政状態を啓蒙するのに、かなりインパクトがあるでしょう。ご苦労でした」
担当者
「国民に財政再建の重要性を訴える狙いで考えましたが、良いものが作れたと思っています。」

リンリン(電話)
上司の上司
「おい、ホームページの借金時計のことで、上から苦情がきてるぞ。あんなもん誰が許可したんだ!」
上司
「以前に、借金を知らせるHPの作成書案の中でご許可頂いていますが。」
上司の上司
「私はそんな起案書は見てないぞ。ともかくまずいよ。財務省の借金、じゃない、国の莫大な借金は国民の借金だよ。せっかく、この借金の責任は国民の皆さんにもあります、皆で考えましょうと方向づけしているところじゃないか。」
上司
「そのPRの一環でして」
上司の上司
「おい、借金幾らとしたんだ?。まだ、私は見ておらんのだよ。」
上司
「どなたが御覧になったのでしょう。」
上司の上司
「わからんよ。どうせ誰かさんが御注進に及んだんだろう。」
上司
「借金時計は国債発行残高550兆円に絞りましたが。」
上司の上司
「財投債、政府短期証券などは入れてないのだね。」
上司
「はい。それら粗債務を入れますと、850兆円になりますので、それではちょっと問題が。」
上司の上司
「地方債務を入れると1200兆円か。よくも借りまくったもんだ。まあ、ともかく、掲載は止めろと言って来ているんだ。すぐに中止してくれ。」
上司
「すぐにですか?。マスコミにも広報済ですが。」
上司の上司
「なんとかしてくれよ。君の責任だぞ。午前中に外すと言ってしまったんだよ。国の借金が雪だるまみたいに膨らんでいく様子を、数字で刻々と知らせては逆効果なんだそうだよ。」」
上司
「午前中は無理かと思います。急ぎますが。」
上司の上司
「私の首を飛ばすつもりか。ともかくすぐ止めるんだ。」
ガチャン(電話)
上司
「そういうことだ。すぐに連絡してくれ。」
担当者
「作成側に連絡は出来ますが。外すのは簡単だと思います。しかしマスコミにどう言いましょうか?」
上司
「壊れたとかなんとか言いたまえ。」
担当者
「はあーー。」
リンリン(電話)
担当者
「いろいろあって、借金時計を外すことになったよ。頼むよ。」
HP作成会社主任
「まだ、公開してから2時間も経っていないですよ。」
担当者
「ともかくまずいんだ。頼むよ。アクセスは多いかね。」
主任
「マスコミ関係かもしれませんが、一時集中的にきましたが、今はほとんどありません。外す理由は書きますか」
担当者「うん。まかせるよ。お知らせ欄に簡単に出しておいてよ。」
主任「そうですね。アクセスが集中してサーバーに負荷がかかりすぎたので中止すると言うのはどうでしょうか。」
担当者「いいね、いいね。ただ、アクセス集中はどうかな?。どのくらいアクセスがあったかなどと聞かれるとまずいよ。」
主任「そうですね。実際、アクセスは少ないのですから、ぼやかしましょう。アクセスにより負荷がかかるとでもしましょう。これ、おかしいですか?」
担当者「いいよ、いいよ。なんだかわからないのが官庁語だよ。それと、中止はまずいな。」
主任「再開もあるんですか?」
担当者「無い、無い。借金が増え続けるカウンターはインパクトが強すぎるそうだとさ。
それでも一時掲載取り止めくらいにしようよ。そのうちに皆忘れてくれるからさ。」
主任「わかりました。すぐに処置します。確かに時計を作った僕らでさえ、1時間に何億円もがくるくる廻って増え続けるのには、ショックを受けましたよ。でも、惜しいな。借金時計のプログラミングに結構時間がかかったんですよ。」
担当者「せこいこと言わないの。借金時計プログラミングご請求では稟議おりないよ。いつものように、他の作業に上乗せしてよ。多目でよいからさ。」
主任「ありがたいです。じゃあ、作業終了後、文案と経過、メール入れますから。お知らせの文案チェックされますか?」
担当者「任せるよ。頼んだよ。お疲れさん」

  財務省ホームページから、たった2時間半で消えてしまった「国の借金時計」は、上のようなやり取りで意図的に消されてしまったと考えます。
はじめはお知らせ欄に10月頃までに、復旧しますと書かれていましたが、いつのまにか日程がなくなり、最近では皆が忘れてくれたろうと、トップページから消えて後の方に小さく出ているだけです。そのうち消えるでしょう。そんなわけで再掲載はないと思います。
 この財務省のホームページの借金時計、参考までに8月5日のブログを再掲載します。

「以下、8月5日のブログより。」

「借金時計で、国民に責任を押し付けるなー財務省の借金時計に異議あり」
財務省は、8月1日から同省のホームページに、国と地方の長期債務残高が一目で分かる「日本の借金時計」を掲載したが、この「借金時計」にアクセスが集中し、通信回線に負荷がかかり過ぎたため、わずか2時間半で掲載を停止するに至ったとして、次ぎのようなお知らせを掲載しています。

                           財務省 「平成19年8月2日」

「借金時計の掲載の一時停止について」
8月1日、財務省ホームページの「日本の財政を考える」に掲載しました「借金時計」は、アクセスにより負荷がかかるため、公告等の掲載情報の円滑な閲覧を確保するため、一時掲載を取りやめております。
不都合をおかけしている点をお詫び申し上げるとともに、掲載の準備が出来次第、再度掲載いたしますのでご了承ください。
      連絡先:電話(代表)03-3581-4111
      財務省大臣官房文書課広報企画係(内線5946)
      財務省主計局調査課(内線2328)


http://www.mof.go.jp/ 財務省ホームページ

本当にアクセスが集中して、負荷がかかったために中止したのか、最近の隠蔽、嘘の報告がまかり通る世の中では、某筋からの圧力があったのかなどと、素直に信じられない悪い性格になっていますが、いちおう事実としておきましょう。問題は、一時停止の事などではなく、財政破綻の国民への押し付けについてです。
 
7月25日のブログで、日本の借金時計について書いたのは、1100兆円とも1600兆円ともいわれる日本全体の借金が、全く返済する当ての無いまま、少なく見積もっても1時間で6億円ずつ膨らんでいる現状について、財政破綻した夕張市の現状とあまりに似ているからでした。
返す目処が無いという事でいえば、来年小渕内閣時代に借りまくった40兆円(80兆円だったかもしれません)の返済の償還期限がくるのですが、勿論返せるはずも無く、また、借金の返済のために国債を発行して借金を積み上げることが決まっています。
財務省の借金時計は、僕が紹介した民間チームの作った借金時計と違い、多額の借金をしている国の広報です。
 国債の利払い費などが刻々と増え続けている。
国と地方の借金が増え続ける現実をビジュアルに表現して、国民に財政再建の重要性を訴える狙いだそうですが、これは、国民に訴えるというより脅しに近いものです。
総額を国民1人あたりの借金とすると、あなたがたは、1人800万円も借りてしまっています。3人家族だと2000万円以上です。
先行き不安でしょう。
みんなで考えなくてはいけない問題ですね。
この論法です。夕張市の財政破綻について書いたとき、「背に腹は変えられない」理論、すなわちこうなってしまったのだから、しょうがないじゃないかと同じやり方です。
日本の4800万世帯のなかで、生活保護水準以下の世帯が500万世帯にものぼり、毎年増加しているそうです。
世帯年収200万円以下でしょう。ワーキングプアと呼ばれる、啄木の歌と同じ、働いても、働いても暮らしが楽にならず、将来への展望がない多くの人々に、あなたは、年収10年分の借金がありますと広報する神経はどうなっているのでしょう。
一部の大企業や都会に暮らす裕福な人達だけに恩恵がある政策を長く続け、行き詰まってくると遠慮会釈の無い切り捨て政策を実施してきた政府です。
このままでは破綻しかないと脅し、財政再建は消費税の大幅値上げと、自立政策と称する弱者切り捨て、福祉削減の道しかないとの選択肢しか示せない事を恥じて、借金時計の再掲載は止めましょう。
 それと、ここが攻め口だとばかり「増税せずにどこから財源を持ってくるかビジョンを示せ」などと民主党にやつ当たりせず、消費税値上げの議論の前に、日本の借金が何故こんなに膨大な金額になlり、またそれを見過ごして増やし続けた責任はどこにあるのか。その議論なくしての増税は無いと思います。
すぐ「反省すべきは反省し」などというくせに、真剣に反省したことなど無い政府が借金は国民が国民からしているわけだから、こうなってしまった以上しょうがない、最終的には外国からの借金ではないのだから、破綻する前に国内で「ご破算で願いましては」に持ちこめるとなどと考えていたら、大変なことになります。
これからも、借金の利払いだけで、国家予算が消えるような状況がくるまえに、それを防ぐ唯一の道である大増税をどうやったら国民を啓蒙できるか、財務官僚のあの手、この手の作戦が出てくるでしょう。
小出しに発表してくる財政ひっ迫状況や借金時計などもそのひとつです。

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