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2007年10月24日 (水)

「我が官僚人生に悔いなし」-前防衛省事務次官

 たいへん大雑把な言い方になり、異論のある方も多いと思いますが、世の中には好い人と言われるタイプと、いやな奴と言われる人達がいると思います。
企業や官僚のトップレベルまで昇進する人達は、僕の知るかぎり(官僚は少数ですが)、失礼ながら周囲からはこの、いやな奴と言われていた人達が多かったのは事実です。
「月刊現代11月号」の表紙に、独占告白 守屋武昌「官僚の本懐」と題した記事がある事が書かれています。

「月刊現代」には今年の7月号より、立花 隆氏の「私の護憲論」という記事がずっと連載されており、憲法改正問題について考えるのに、大変参考になる事が語られているので、毎号読んでいたのです。
話は、本題から外れますが、この立花隆氏の連載は、次ぎのような文から始まりました。

「私がなぜ日本国憲法、特に憲法第九条がつくりだしてきた戦後レジームを積極的に評価するかというと、それは日本という国が、歴史上もっとも繁栄した戦後という時代の基盤だったからである。だが、そのレジーム
(注:1)を捨てようとする人たちが国の権力の中心に座っている(注:2)彼らは、国家の繁栄と憲法の関係を、本当の意味で理解しているのだろうか。」
注1: レジーム=英語 「政治制度[形態]、政体;政権、政府;管理体制;その支配期間」注2: この連載が始まった時には、、まだ安倍総理は辞任していなかった。

7月号から最新の11月号まで、憲法の成立課程を丹念に追ってゆくこの論文を読んでみて、いかに自分が憲法について無知だったかを知らされるとともに、著者が実に多くの資料を読みこなしている事に驚かされたのです。
やはり、物事を考えていくときには、時間を惜しまず、勉強することが大事だとあらためて思い起させられました。
連載は、本題に入ろうかというところで、批判の対象とした政治的状況、時代的状況の標的のトップである安倍首相が突然辞任してしまい、著者は相手が消えてしまった事に途惑いながらも、連載は継続すると語っているので、これからも読み続けられそうです。

さて、本題の前防衛事務次官、守屋武昌に戻ります。
表紙から、本文の記事に入り読んでみました。本文の表題は、表紙と異なり、次ぎのように書かれています。
「我が官僚人生に悔いなし」
報じられなかった小池大臣との会話、安倍首相への「留任陳情」の真相から、
業者との癒着疑惑まで、全てを語る

9ページにわたる記事を読むと、自身の保身的な記述と、防衛事務次官の後継騒動で前小池防衛大臣などとのやり取りの経過が書かれているだけで、「官僚の本懐」、「官僚人生に悔いなし」などと大袈裟に書かれた表題には、首を傾げざるをえません。
ましてや、見出しに書かれた業者との癒着疑惑については、ただの1行の記述もありません。

月刊現代の編集部が、何らかの理由で、その部分を削除したのか、本人が話すと約束していたにも係わらず、全く触れなかったかのを、見出しは最初の予定稿のまま残ってしまったのかの、どちらかだと思います。読者としては拍子抜けです。
この記事が書かれた後の今月に入って、突然守屋氏と防衛専門商社「山田洋行」との癒着問題が持ち上がり、対テロ新法とのからみで大きな問題に発展したことと、記事の消えてしまった部分とは無縁ではないように思えます。

実はこの守屋氏については、関係者から防衛省内での好からぬ噂を多々聞いていたものですから、近いうちに書きたいと思っていた官僚の天下りの問題で取り上げたいと思っていたのです。氏は数年後の天下り官僚の最右翼とみていたからです。
人物的には、最初に書いた、いやな奴という評価は衆目の一致するところだったようで、業者との癒着などもこんど問題になった山田洋行以外にも、いろいろ取り沙汰されたようでした。事によるとこれから明るみに出てくるかもしれません。
省内では、通常任期2年の事務次官を、異例の4年以上も在任していた守屋氏の退任は近いだろうとのことで、防衛業者との癒着問題などで事を構えて、刺し違えられるのはごめんだと言う空気もあったと言う事です。

月刊現代の記事の中で、興味深い部分があります。
ひとつは防衛省の幹部人事で、官房長にたいしてですが「彼は次官の私に断りも無く、その案を会議に諮るつもりでいたということになる。それで彼に「役人として恥ずかしいと思わないのか。恥を知れ」と叱責したのです。」

もうひとつは、「それよりも、今の私は少々困った問題に直面しています。それは小池さんとの一連の騒動で世間にすっかり顔が知れてしまったことです。
ふつうは省庁の事務次官など、世間の人は名前は知っていても顔はわからないものです。それが先日、所用で長崎空港から壱岐へ向う機中で、隣り合わせたサラリーマン
風の男性から「守屋さんですね、サインをお願いします」と言われて面食らいました。」


夫の地位を笠に着る評判の芳しくない妻共々、間接的とはいえ、税金を使って接待ゴルフ三昧、娘の外国の大学入学から学生生活まで面倒をみてもらい、その上、怪しげな裏金の匂いもする守屋氏には、最初の「役人として恥ずかしいと思わないのか。恥を知れ」の言葉は自分自身に、そして悪人として顔を知られた氏にサインを求める人などもういないという現実は知るべきでしょう。
年齢的に政界への転出は、諦めていたという氏ですが、防衛省の顧問同等待遇で省との太いパイプを持ちつつ、次なる利権を求めて画策していた氏の今後の人生設計は、大きく狂ったようです。
美輪明宏さんの言う、「正負の法則」でいえば、正を長く続けてきた氏も、こんどは思いがけない負の部分を背負うことで、人生のバランスが取れたという事でしょう。
 「この男、俗物なり。」

    

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