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2007年9月18日 (火)

中国の驚くべき公害

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昨日(17日)の毎日新聞朝刊に、中国各地で発生している公害被害が見開き2ページに渡り大きく報道されていました。
急速な経済発展の一方で、深刻な公害により、人々の健康や自然が蝕まれている様が現地入りした毎日新聞の記者により生々しくレポートされています。
 800px1_320この工場廃水により汚染された、赤茶けた川の写真を見て、思い出したのは数十年前に始めて訪れた二つの場所の風景です。
ひとつは栃木県足尾銅山跡近くの松木沢(川)です。
その両岸には一木一草とて生えない赤茶けた山肌が、遥か源流方向の奥まで延々と続いていました。
足尾銅山から産出した銅の精錬所から発生した亜硫酸ガスが、沢沿いに流れて全ての動植物をだけでなく虫さえ抹殺したのです。
数年前に、沢の下流にゲートが設置されて車は入る事が出来なくなりましたが、それ以前は、悪路ながら沢沿いの道をかなり上流まで登ることが出来ました。難路ながら日本100名山のひとつ、皇海山への登山路もあるのです。
数十分も車で走ったでしょうか、右岸のやや平坦な土地が、かっては平和な農村があった場所だったとは想像も出来ない荒廃した土地を見つめて絶句するほどの衝撃を覚えました。

もうひとつの光景、それは、静岡県の田子の浦港です。
岸壁から見た光景は驚くべきものでした。港内に悪臭が漂い、なにか分からない浮遊物と汚い泡、そして大量のヘドロで港内が埋め尽くされているのでした。
製紙工場の垂れ流しのスラッジを含んだ工場廃水が港内に溢れているのです。
松木沢といい、田子の浦港といい、自然をここまで破壊するまで、人間はなにもしないでいられるものか唖然とさせられました。
 このどちらの場合も、企業が環境破壊などを全く問題とせず、ただ利潤追求した結果であり、それに国や地方自治体が加担して、何らの解決策も行わずに放置し続けたのです。
 逆に弾圧されたのは、被害を蒙った貧しい農民や漁民、町民達でした。官は企業からの多額の収入に依存して、民の声など聞く耳を持たなかったのです。

それと全く同じ事が、さらに大規模に悪質に中国各地で起こっているのです。
社会主義国にあるまじき現実、地方政府が大口民間企業を優遇する政策を行っているのです。
また環境保護に携わる機関が、政府や共産党の管轄下におかれてその動きが封じられ、問題が複雑に絡み合って解決策を見出せないようなのです。
今、なにが起きているのか、どんな被害が発生しているのかさえ把握できない現状があるようです。
日本のかっての大きな公害病が全てこの図式によるものでした。
日本で、問題解決に勇気ある少数の人々が大企業や行政に立ち向かったように、中国でも官・業に立ち向かう人達が増えているようです。ただ、日本でもそうだったように、これからの解決までの長い道のりで、多くの貧しい人々が公害病や自然破壊の犠牲になってしまう事でしょう。
 驚くべき経済成長を遂げているなかで、莫大な軍事費、貧富の差の拡大、地方の困窮、官や党の腐敗、人民の不満、砂漠化、深刻な水不足など、中国が抱える影の部分が、オリンピック開催に熱中するこの国の将来が決して明るくない事を示しています。
内政の破綻が、そしてその打開策が、日本のみならず世界にどんな影響をあたえるのか、恐ろしささえ感じることがあります。
(写真下、松木沢入口付近、写真では見えませんが、左側の尾根に見るような山肌が、沢の両側に源流まで続いている。荒涼とした恐ろしい風景)

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